MICHIAKI TSUBAKI'S WORK Vol.2

RPGで学ぶブラインドタッチ
クムドールの剣
Macintosh版

Author:椿道明●Macintosh Programing:メディア総合研究所

アスキー出版局


CONTENTS

■HOW TO TYPING
■インストールと起動
●必要な環境
●インストールと起動
●ゲームのセーブ
●終了方法

■ものがたり
●背景
●オープニング
●ゲームの進め方
●ロールプレイングゲーム初体験の方へ
●タッチタイプ初体験の方へ
●ゲームのスターティング

■操作方法
●画面構成
●各種モード
 歩行モード
 コマンドモード
 [話す/調べる]
 [所持品]
 [呪文]
 [キーボード]
 [スコア]
 [システム]
 バトルモード

■冒険
●セーブゾーン
●ホテル
●マーケット
●キーショップ
●ライフの箱
●ビッグハンド
●呪文の壁

■挿話
■Q&A
■PUSH KEYの旅


HOW TO TYPING

「あー、もうダメ。肩がこって、目がしょぼしょぼしてきた。課長、わたくし今日は早退させてください。

「えっ。もう帰っちゃうの? なんだ君、まだ2枚しかできてないじゃない。一体どういうやり方してるの?

「ですからね…こうやってですね…まずワープロでしょ。これが結構疲れるんですよね。

「だめっ。そんな座り方して。いいかい、椅子にはちゃんとこうして座るんだ。モニタを真っ直ぐ見て…やってごらん。

●椅子の奥までゆったりと腰掛け、腿を水平にして足の裏全体が床に着くよう、椅子の高さを調節します。机の下に足がぶつかるような物があれば片づけましょう。
●目からモニタまでの距離はモニタの大きさ視力などによって違いますが、45〜70cmぐらいが適当です。
●モニタの高さは、目がモニタ中心をやや見降ろすぐらいになるように調節します。
●モニタには照明や外光などが映り込まないように設置場所、角度、向きで調節します。
●腕は肩の力を抜き、腋が開かないようそのまま垂らした状態に、また肘から手のひらまでは水平あるいはやや上がりぎみの状態でキーボードが打てるようにします。

「こうですか? でも、この原稿が見にくくってね。「提出する企画は…」と、ていしゅつ…

「な、な、何だ君! 人差し指しか使ってないじゃないか。今まで十年間ずっとそれでやってきたの?

「でも仕事が忙しくてワープロ教室にも通えないし…調子のいい時にはこれで結構いけるんすよ。ほら、左手の人差し指だってたまに使ってるし…

「おお、神よ許したまえ! そりゃ肩もこるだろ。目もしょぼくなるだろ。早退もしたくなるだろさ。

「じゃあ、どうすればいいっていうんです。(ぶすっ。)

「世にブラインドタッチなるものがあるということをしらんのかねキミは…。今後キーボードは一切見るな。

「そんな理不尽な。わたくし超能力者でもありませんし…

「だから。ホームポジションに指を置いて、あとは原稿だけ見てればいいんだ。原稿とキーボードと画面を交互に見てたら目が疲れるに決まってるだろが。

「こうですか… ううっ。何か不安ですね… Aはどこだろ?

「ま、すぐには無理かも知らんが… じゃ君、しばらくこれをやってみなさい。ほんとは私がも少しやりたいんだが。

「え、「クムドールの剣」? 課長、これってゲームじゃありませんか。わたくし忙しくってこんなことやってる場合じゃ…

「いいから。いいから。ま、ゲームでもやってだね 少しその疲れた脳を休めなさい。

指の分担は下図のとおりです。
タイピングはCAPSキーを外した状態を前提に行いますので、CAPSキーやカナのロックは外してからスタートしてください。

指は写真のように第2関節を曲げて、軽くホームポジションに置いてください。
ホームポジション以外のキーを打つときには、打ったあと指がホームポジションにちゃんと戻れるよう、必ず4本の指のいずれかをホームポジションに残しておきます。

[1カ月後]

「課長、わたくし今日は残業します。何か仕事ください。家でテレビ見てるよりキーボードやってる方が調子がいいので…

「何だ君、もう40ワードいってるじゃないか。それ返してくれよ。…たく、こっちはまだクリアーしてないのに。


インストールと起動

●必要な環境

注意:JIS配列のキーボードにはゲームストーリー上対応しておりません。
本体:68020以上のCPUを搭載のApple社製マッキントシュ
    但し、PowerBook 520 520c 540cは除く
対応システム:漢字Talk7.1  必要空きメモリ:2Mbytes以上

●インストールと起動

インストールの方法
クムドールの剣は2つの圧縮ファイルに納められています。インストールする場合は、以下の方法で行って下さい。

1.クムドールの剣をインストールするハードディスクまたはフォルダーに“プログラムディスクNo.2”内の“クムドールの剣.#2”データをフロッピーディスクよりマウスでドラッグしてコピーします。
2.先ほどコピーした“プログラムディスクNo.2”をドライブから抜き、“プログラムディスクNo.1”をドライブに挿入します。
3.挿入した“プログラムディスクNo.1”内の“クムドールの剣.#1”をマウスでダブルクリックするとダイアログボックスが表示されますので、先ほどコピーした“プログラムディスクNo.2”をファイル選択ウィンドウで選択し、“Load”ボタンをクリックします。
4.圧縮の解凍状況を表示するグラフが表示され、しばらくの後、解凍が終わればインストールは終了です。
Compact Pro1.32:Copyright(C)1991 Bill Goodman All Right Reserved

初めての場合、あるいは始めからやり直したい時には<NEW GAME>をクリックしてください。
一旦ゲームの中でセーブした後は<CONTINUE>をクリックしてダイアログボックスの中からセーブしたファイルを選べば続きをプレイできます。

*ゲームを始めると名前と性別を登録するようになっています。性別登録で男女どちらかを選ぶことによってゲーム中の人々の反応がちょっと違ったりしますが、ゲームを進める上での男女差別はありませんので難易度は変わりません。

●ゲームのセーブ

ゲームの中にセーブゾーンがありますので、そこでセーブしてください。それ以外の場所ではセーブできません。

●終了方法

クローズボックスをクリックすると終了用のダイアログボックスが表示され、終了してもいいかどうか聞いてきますので、「はい」をクリックしてください。


ものがたり

A.P.(ポーラ暦)405年、惑星クムドールに異変が起こった。
クム酒の原料であるクムの木は石化し、臆病で環境の変化に敏感なチャトフィッシュはいち早く湖から姿を消してしまった。激しい地殻変動が惑星全域を揺るがし、町の中には得体の知れない巨大な手が現れた。
人々が恐れ、逃げ惑うさなか、何処からともなく湧出する魔獣を蹴散らし、幾多の障壁を打ち破って再びクムドールに平和を取り戻したのは、一人の地球人であったと伝えられている。
ハイテク兵器すら物ともしない魔獣達に対して使われた唯一の武器というのは、特殊なメカでも魔法の剣でもなく、最近そこいらでよく見かける、パソコンなどについている、例のあのありふれたキーボードだったのだ。
人々は異変の後、誰言うともなくキーボードのことを「クムドールの剣」と呼ぶようになった。

●物語の背景

ズロワノフ経路の発見とポーラ航法の確立によって切って落とされた惑星移民時代の幕開け。環境適正問題による移民の全面中止。第2次惑星移民の開始。
そして移民惑星間の争いが激化した苦しい時代を経て、現在銀河系宇宙には大小合わせて3425の国家が存在する。
A.P.(ポーラ暦)405年、銀河系全体が落ち着きを取り戻し、豊かさと安定の続いた時期である。
この物語はそんな時代での、初期の移民惑星の一つであるクムドールを舞台として繰り広げられる。

●オープニング

A.P.405年―
あなたは、この広い銀河系の中でも屈指のキーボード使いとしてその名が知られていた。
地球でキーボード道場を経営するあなたは、毎日が門下生に稽古をつける日々で明け暮れるのだった。
しかし稽古の合間にもあなたの心はまだ見も知らぬ宇宙の果てへ飛び、より強い相手との対戦を夢想し、はっと我に返っては、変わることのない日常にため息をつくのだった。
そしてある日突然、あなたは旅に出る決心をした。
その翌日、道場の入口に「閉店」の看板を出すとそのまま宇宙空港にぶらりと出かけて行き、一番最初に出発が予定されていた船のチケットを入手した。
期待に胸をはずませるあなたを乗せて、船は地球を出発し一路ソルフェスへと向かう。ズロワノフ経路を通って、18時間後にはもうあなたはソルフェスのミソル空港に立っていた。
ソルフェスは初期の移民惑星の一つで、太陽を2つ持つ夜のない小さな惑星である。片側は大きな太陽が常に照りつけるマソールと呼ばれるジャングル地帯で、都市は一つもないのだった。あなたは何の計画も持たずに出かけてきたので、とりあえず空港内のホテルに部屋を取ると、さて、これからどうしようかと思いをめぐらせるのだった。

●ゲームの進め方

このプレイングガイドは「クムドールの剣」をより楽しくプレイしていただくためのもので、読んで覚えなければならないことは何もありません。「起動方法」を見ながらゲームをスタートさせたら、あとは画面からの情報でプレイできるように作られています。プレイしながら操作方法などで判らなくなったときには、このガイドを開いて参考にしてください。
ゲームですから冒険を進めるうちに、いくつかの謎にぶつかって試行錯誤を余儀なくされるかもしれません。レッスン志向の方はそれもレッスンのうちと割り切っていただけると、きっと楽しくプレイできるのではないでしょうか。

●ロールプレイングゲーム初体験の方へ

あなた自身が冒険の主人公になって、与えられた目的を遂行するゲームです。
ゲーム中のあなたは、戦いや探索など各種の経験を積むごとに能力が増し、より広範囲の行動が可能になるので、目的に一歩一歩近づいていくことでしょう。失敗を恐れず色々試してみてください。
ゲームの目的や次に行うべきことも、ゲームに出てくる人々の話を聞いていくと次第に判ってくるはずです。人と話したり、怪しい物件についてはまめに調べるようにしてください。

●タッチタイプ初体験の方へ

両手の人差し指から順にキーの位置を覚えていきますから、ゲームを進めるうちに自然にブラインドタッチ(キーボードを見ないで打つ)をマスターできます。
ただし、タイピングスピードは急に速くなるものではありませんから、無理をせず毎日適度な時間を決めてやるようにした方がよいでしょう。
全部のキー位置を覚えるまでは1分間20ワードぐらいのスピードで冒険を進めていけるようになっています。1ワードは5文字の計算ですから落ち着いてやればそれほどきつくはないはずです。

ゲームを進行させ、キー位置を全部覚えた段階になると目標スピードを3種のレベル(30,40,50 WORDS/min)の中から選べるようになっていますが、初めのうちはスピードよりも正確に打てるように心がけてください。

●ゲームのスターティング

プロローグであなたの名前をタイプした後は画面の指示に従って指をホームポジションに置いてください。これからこのゲームをプレイするときにはいつでも指をこの位置に置いてスタートさせましょう。初めに使うキーはF(左手人差し指)、J(右手人差し指)とスペースバー(右手親指)だけです。3つとも指をホームポジションに置いたまま押せるキーですから、うっかりキーボードから手を離してしまわない限り、もうキーボードを見ないで操作できますね。メインタイトルが終わってJキーを押すと、物語は移民惑星ソルフェスのミソル空港国際ホテルの一室から始まります。

右下にセーブゾーンが見えますが、そこに入ってセーブしておくと、ゲームを終了しても次にゲームを再開するときにその続きから始めることができます。
ここで出会う人達と話をしていくと、ソルフェスは冒険の一通過地点でしかないことが明らかになります。対話の方法は話したい相手の前でその人の方を向き[話す/調べる]を使ってください。

結局あなたは、惑星クムドール王室所有の「クム3号」という宇宙船に乗ってクムドールへと旅立つことになります。「クム3号」はポーラ航法が可能な最新の宇宙船ですから、3次元空間上1万光年以上もの距離を20時間足らずで飛んでしまいます。といっても多忙なあなたにとっては20時間もの間何もせずにじっと待っているのは耐えがたいことですし、パソコンの電気代ももったいないので、船内にある物を調べるなどして、何とかすぐにでも目的地に到着する手段を見つけてください。

ところで最初に覚えたF、J、スペースバーの3つのキーの扱いにはそろそろ慣れましたか?
キーボードを見ながら打っている… なんてことはもちろんありませんよね。これから行くクムドールではマスターするキーが増えるにつれ、もしキーボードを見ながらやっているようでは、ゲームの方も到底先には進めなくなってしまいます。ゆっくりでも、しっかりとブラインドタッチしてください。


操作方法

●画面構成

a.固定アイテム。所持品とは別に、持っているだけで有効な物はここに表示されます。
b.体に変調があるとここに表示されます。
c.ライフ。戦いなどで赤が減っていき、全部なくなると死んでしまい、最後にセーブした所からリスタートすることになります。
d.(EXP):経験値。経験値が大きいと魔獣との戦いのとき相手に与えるダメージが大きくなります。経験値は/(スラッシュ)で2つに分けられていますが、左が実際の経験値で右は経験値許容量です。経験値は魔獣との戦いなどで、許容値は「ビッグハンド」でのレッスンなどで上ります。経験値は許容量の範囲内でしかアップしませんのでバランスを考えて行動する方が有利です。
e.(SPC):所持金。SPCは移民惑星の共通通貨、スパイスの略です。
f.コメントパネル。人々との対話や状況のコメントが表示されます。
g.コマンドメニュー(後述)。

●各種モード

歩行モード
右側のコマンドメニューにカーソルがない状態で、屋内、町、外などを歩行できる状態です。

Fキー:  向いている方向に前進します(障害物があると進めません)。
スペースバー:右回りに向きを変えます。
Jキー:  コマンドモードになります。

コマンドモード
コマンドメニューにカーソルが表示され、メニューのコマンドが実行できる状態です。

スペースバー:カーソルを次のコマンドに動かします。
Jキー:  カーソル位置のコマンドを実行します。
Fキー:  歩行モードに戻ります。

[話す/調べる]
相手または調べたい物の前で実行すると、話したり調べたりします。

[所持品]
買ったり拾ったりした物のリストが出ますのでスペースバーで「使う/捨てる/戻る」のいずれかにカーソルを合わせJを押します(「戻る」はリストに戻ります)。
次に目的の所持品名までカーソルを動かし、Jを押してください。「使う」では使った結果がコメントパネルに表示されます。「捨てる」はその所持品を捨ててしまいますから、間違えないよう注意してください。もし間違って必要な物を捨ててしまった場合は、品物によって違いますが入手法を思い出して再度入手してください。
Fキーを押すと歩行モードに戻ります。

[呪文]
呪文が使えるようになるのはゲームの後半の方ですが、ここに紹介しておきます。
◇は歩行モード、◆はバトルモードで使用可能の呪文です。
◇ DASSHUTU 洞窟などで(入って来た方の)入口に瞬間移動します。
 ◆NIGERU  魔獣と遭遇したとき、攻撃などの余地を与えず逃げ出すことができます。
◇◆TAIRYOKU ライフを回復させます。
◇ MATI   一度行ったことのある町などに瞬間移動します。
 ◆KOUGEKI  魔獣にダメージを与えます。
◇◆NAOSU   ケムリ苔と同じ効果があります。
◇ MAKE BED 固いベッドを使えるようにします。
◇ AKARI   暗闇の暗示から逃れます。
◇ SPARE   欠落したキー1個を補充します。

[キーボード]
持っているキーを確認できます。
また、キーの調子をみたり、独自にレッスンしてみたいときに使ってください。Fを2回押すと歩行モードに戻ります。

[スコア]
「ビッグハンド」でレッスンを受けるとスコアにデータが記録され、グラフで見ることができます。

データは最新の20回分で、上にその20回(20回に満たない場合はその回数)分のアベレージを表示、黄色い横線は目標スピードで、全部のキー位置を覚えるまでは20W/min(1分間に20ワード=約100字)に固定されていますから、新しくキー位置を覚えたら少なくともそのスピードになるまで練習を積んだ方が次の冒険が容易になるでしょう。
STEP番号はレッスンした場所を示し、STEP番号が*印なら最終ステップを意味します。ミスタイプは赤いグラフで示されます。
'F'を押すと歩行モードに戻ります。

[バトルモード]
町の外を歩行していると魔獣が襲ってきたりします。バトルメニューの中から選んで善処してください。
「戦う」を選び魔獣が呪文を発するとライフがじわじわと減っていきますが、落ち着いて対戦してください。うまくミスタイプなしで魔獣を退治すると、魔獣はタマゴになります。タマゴを処理する時点ではライフの心配はありませんが、ミスタイプをしたり、一定時間内に処理しないとタマゴは消えてしまいます。
魔獣をやっつけるか、うまく逃げられると歩行モードに戻ります。


冒険

「クムドールの剣」を終えるまでに、あなたは色々な場所を冒険したり新しい物を発見することになるでしょう。ここではその一部を紹介しますが、判らない物については自分でその場所に入ったり、調べたり、話しかけてみましょう。

●セーブゾーン
ここに入るとそれまでの状況がセーブされ、次に始めるときにその状態からスタートすることができます。不慮の事故で命を失くしたりしないとも限りませんから、まめにセーブするよう心がけましょう。
ただし、ライフの箱が一つ分以上ないとセーブできません。

●ホテル
ライフが少なくなったら、ホテルに泊まってライフを回復させましょう。

●マーケット
主に食料品を扱っています。町の外や、洞窟にはホテルがありませんから屋外食として必要になるでしょう。高い物ほど回復量が大きいようです。
ケムリ苔はクムドール特産の万能薬で、食糧にはなりませんが、毒に侵されるなどほとんどの体の変調に有効です。

●キーショップ
キートップをばら売りしています。安い物から順に揃えていきましょう。

●ライフの箱
これを拾うとライフの最大値が一箱分増えます。
魔獣との戦いや呪文の壁に挑戦するときなどに有利になりますので、見つけたら必ず拾うようにしましょう。

●ビッグハンド
村や町の建物の中にこれがあったら、必要なキーを買い揃えてから必ず行ってみましょう。2つのタイプがあり△型はキー位置を教えてくれ、◇型はあなたのレッスンに付き合った後、レッスンの成果に見合った分の経験値許容量を増やしてくれます。
なお「クムドールの剣」に出てくるレッスン用のテキスト文や魔獣の呪文などには冒険のためのヒントは一切含まれていませんので、内容は気にしないでください。

●呪文の壁
その呪文を読むと不思議な力でライフを吸い取られてしまうといわれる恐ろしい壁ですが、呪文返しの技で突破することが可能です。
ミスタイプするとやり直しになりますから、落ち着いてトライする必要があります。最初の難関になるかもしれませんが、練習を積み何度でも挑戦してください。


挿話

(一部A.P.403年版アトラスギャラクシアより収録)

●クムドール
A.P.240年頃からわずか数十名の移民者で移民が開始され、現在の人口は42万。惑星の直径は900kmで、気候は温帯〜亜寒帯に相当。
クムドールの名は移民当初プロジェクトリーダーであったマツオ・近藤の名前から取ったというのが今では定説となっている。
移民時代から代々ランド家が王位を継ぎ、現在はマルクァ・ランド女王がクムドール王国の代表者である。
移民惑星の中でも最も美しい惑星として知られ、毎年クムドールの人口を上回る数の観光客が訪れている。

●クムの木
クムドールの木という意味。その名が示す通り惑星クムドールではありふれた樹木で、いたるところに見られるが、他惑星での移植には成功していない。
その果実(クムの実)はクム酒の原料として知られている。クム酒の輸出は観光事業とならんで惑星クムドールの主要な財源になっているが、生産高が少ない上他惑星でも人気が高いため高価に取引されている。
クムの木の外観は地球のアケビ科の樹木に似ているが、機能の解明されていない特殊な細胞組成部を多く含んでいる。
クム酒の収益の一部は王立クムの木研究所の運営費用に充てられている。
また同研究所在籍のタマオ博士はクムの木の研究では第一人者として知られている。

●ズロワノフ経路
ポーラ歴前8年に発見された銀河系宇宙を網の目状に覆う一種のハイパーゾーン。現在活用されている経路はその一部であり、全貌は明らかでない。
経路の空間的概念について多くの理論が提唱されているが、今のところ証明されたものはなく結論は出ていない。
また、ポーラ航法理論では便宜上経路内を3次元とみなすことによって経路内の航行を可能としているだけであって、経路が何処に存在するのかは問題にしていない。

●チャトフィッシュ
惑星クムドールの湖に群生する淡水魚。知能が高く独自の言語を話すといわれているが詳しいことは判っていない。
習性として湖面から頭を出し、クムの木に向かって口をパクパクさせるのでチャトフィッシュの名が付いた。実際に天気の良い暖かな日などにはそうやって何時間も「おしゃべり」している風景を見かける。
可愛らしい魚という印象が強いので一般的には食用にされていないが、チャトフィッシュ愛好家の間では佃煮の形で裏取引されているらしい。

●ドリームポイント
惑星間を旅していると、まれにその名を耳にすることがある。
しかし、その話をする者はより大いなる者に悟られるのを恐れるかのように声をひそめ、また邪教の呪文のように意味不明の言葉をつぶやくだけである。
わずかに判明する言葉だけをつなぎ合わせ、その意味するところをたどるなら、それは惑星の心、そしてあなた自身の心でもあるという。
それは形あるものではなく、また宇宙の真のシステムであるという。
それは絶対的な力を有し、あらゆる事象が可能であるという。
そして今また、クムドールで起こった異変との関係が噂されているのだ。
異変はクムドールのあらゆる物に影響を与えているかのように見え、実際にクムの木は石化し、チャトフィッシュと労働用のロボットは何かを知っているかのようなふるまいをしている。
しかし我々は、いかにして彼らとコミュニケーションする術を身につけることができるだろうか。

●ポーラ船
ポーラ駆動装置を備えた宇宙船のこと。ポーラ駆動装置はズロワノフ経路内を航行するために不可欠な装置である。ポーラ航法理論は経路内を3次元とみなすことによって目的に対する針路計算を可能としている反面、現在地を3次元的な空間中に割り出すことはできない。しかし宇宙船を静止する点ではなく、常に目的地を持ったベクトルとみなした場合、理論的に経路内の航行が可能となる。経験的には航行速度時速8キロの場合、駆動装置に対する針路計算のフィードバックを20マイクロセカンド以内に抑えればよい。

●ポーラ歴
ポーラ・P・シャノンがポーラ航法理論を提唱した年を元年とする。
1年は地球時間の1年であり、月、日、時間などは惑星独自の尺度を使用している。
3次元空間上の相対的時間空間の概念は用いず、銀河系全域の同時性を特徴とするが、ズロワノフ経路の経由を前提としている。
また、惑星間の時間の換算については年刊アトラスギャラクシアに詳しい。

●レイクダイビング
クムドール名物の一つにレイクダイビングがある。観光客のうちの約20%がそれだけを目的に毎年クムドールを訪れていることからも、その人気の高さがうかがえる。深く透過度の高い湖に加えクムドールの低重力がもたらす快適なダイビング感は、ファンにとってたまらない魅力であるらしい。
ダイビングは各地で行えるが、設備などの関係でルチュ村に多くのダイバーが集まっている。

●惑星移民
ポーラ船が開発されるとズロワノフ経路から銀河系への宇宙大航海時代が始まった。背景には地球の人口増加、食料問題もあったが、初めに移民を開始したのはいわゆる「宇宙っ子」と呼ばれていたスペースコロニーの住人で、人口は当時200万人ほどであった。初期の移民惑星に比較的コロニーの重力に近い小さな惑星が選ばれたのもその理由による。
第一次移民はA.P.190年から220年にかけて約121の惑星に対して行われたが、環境適正の問題が生じ中断された。
しかし多くの移民者は惑星に留まり、結果的には環境に適応することを実証してしまったので再び移民が開始され、現在移民惑星は3425を数える。


Q&H

この種のゲームに慣れている方には必要のないページかもしれませんが、98版「クムドールの剣」をプレイした方からの質問の中で、主なものをここでいくつかヒントとして掲載します。ゲームを楽しんでいただくために直接的な回答はひかえました。ゲームの中で壁にぶつかり、楽しみが苦しみに変わることもあるかもしれませんが、あきらめずに健闘してください。
ほとんどの質問に共通する解決方法は情報収集です。怠らず何度でも人と話すよう、また試せることはどんどんやってみるよう心がけてください。

Q1.不時着時に、お金がばらまかれてしまったので戦えない。
H1.実際にそんなことになったら困ってしまいますね。交番もなさそうだし、あたりを見回してもそれらしい物は落ちていないし…。
  そのへんの人にちょっと聞いてみましょうか。

Q2.ルチュ村のキーショップでキーを買えない。
H2.キーショップで何か重要なことを言ってませんでしたか。
  SHIFT、BS、ESCキーなど、お店で売ってないキーがあります。
  またあるキーを持っていないと次に進めないこともあると思いますので、町の中だけでなく屋外もよく探索してください。

Q3.クウェー村でキーショップがキーを売っていない。
H3.異変が起こったばかりで、何が売れるのかまだよく判っていない商人もいるようです。しばらくして行ってみれば入荷するのではないでしょうか。

Q4.クウェー村から先に行けない(アクアラングが欲しい)。
H4.異変が起きてからレイクダイビングをやる人がいなくなったので、アクアラングは店に置いてないようです。まず、持っている人を探し出してください。

Q5.霧の谷で迷ってしまって、東西にしか行けない。
H5.あるアイテムが必要です。それが何か、またどこにあるかは人と話して情報を収集しましょう。

Q6.溶岩の上を歩くと、すぐ死んでしまう。
H6.溶岩の上を歩いても体力の消耗を少なくするアイテムがあります。
  ぜひ探し出してください。

Q7.断層で行き詰まってしまう。
H7.断層を越えるアイテムが必要です。…空港を見つけるだけでは発見できないかも。やはり情報を集めてください。

Q8.ESCキーが見つからない。
H8.ヒント、湖。

Q9.自分の家から地下のワープゾーンで迷ってしまう。
H9.水深計をめやすにしてください。あるいはマニアの方がよくやるマッピングという方法があります。特別お奨めするわけではありませんが、方眼紙と鉛筆を用意してじっくり取り組むというやり方です。

Q10.開かない呪文の扉がある。
H10.ヒント、水晶。

Q11.魔獣にキーを盗まれてしまった。
H11.お気の毒です。そのキーを売っているお店の場所を覚えていればいいのですが…。

Q12.暗闇の暗示の治し方は。
H12.ある呪文で治ります。


PUSH KEYの旅

パソコンのキーを押すと、動いているソフトにもよりますが画面に文字が出たりメニューが切り替わったり、ゲームなどでは場所を移動したりします。そんな時パソコンの内部では一体何が起こっているのでしょう。

キーボードのキーは、電気のスイッチをON/OFFするのと同じですが、どのキーを押したのか判るようにそれぞれのキーに番号がつけられています。
そして押したキー(または離したキー)の番号がコードを伝ってパソコンの内部へと送られていきます。

パソコンの内部にはキーボード専用の監視人がいて、押したり離したりという動作があるとそれをCPUに知らせます。
CPUはプログラムを実行するコンピュータの頭脳のようなもので、見かけ上何もやってないように見えても、コンピュータが稼働の状態では必ず何かのプログラムを実行中です。

しかし外部に接続された機器から何かの信号が入ると、進行中のプログラムを一時中断して、別の決められた作業に移ります(割り込み処理)。
割り込みにはキーボード以外にもマウスやタイマー、モデムからの信号など色々あり、その種類によって作業内容も違いますからCPUは内部のメモリにあらかじめ書かれたプログラムのスタート番地を見てその作業を実行するわけです。

一般的に割り込み処理はOS(オペレーティングシステム)やドライバの仕事であることが多く、押したキーの処理などは後でアプリケーションプログラムが使えるように、とりあえずどんなキーを押したのか記録をとっておくのが普通です。
それが終わるとCPUはさっき中断したアプリケーションプログラムを再開するために、どこでストップしたのかという記録を取り出した後、正確にそれを続行します。

そのうちアプリケーションプログラムの作業も一段落しますので、アプリケーションプログラムはOSに何か変わったことがなかったか問い合わせます。
キーを押したことがそのアプリケーションソフトにとって必要な情報でなければ、そのまま別な作業に移ってしまうでしょうが、ここではその文字を画面に出す場合を例にしましょう。

必要であればCAPSやシフトキーの押し下げ状態をOSに問い合わせた後、決められた書式で注文書を作り、今度はOSの文字出力係に渡します。

OSは書体、サイズ、色、そして出力すべき位置、ウィンドウの状態など必要となる要素を全部チェックした後、その書体の形データをメモリまたはディスクの中から取り出し特別なメモリ(VRAM)に書き出します。そしてVRAMに書かれたデータはモニタにそのまま映し出されるようになっているわけです。


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