○リスト ・昼 「もし、もし。しっかりして下さい!もし、もし。 「ああ、よかった。気がついたわ。気がついたわ。 「びっくりしたわよ、村の近くで、素っ裸で、倒れているんだもんねぇ。 「二日間も、気付かないんだもの。もう、大丈夫ね。 「ここ?ここは、リストの村よ。 「え、マダルカル城?さぁ?あたしはね、この村からあまり、遠く行ったことがないからねぇ。 「でも、帰りたいでしょうねぇ。 「おお。元気になったか!よかったよかった。 「持っていた物は、たぶん、この辺に、この頃出没する、魔物を、あやつる盗賊に取られたんだろう。 「が、無事で何より。礼は、いいんだよ。 「まぁ、宿の用があるなら、ここを、利用してよ。 「いらっしゃい、ここは、道具屋です。 「おや、あなたは。そうですか、元気になられましたか。 「お買い物ですか? 「いつでも、ご利用下さい。 「人と魔物が協力して、旅人をおそう。 「そんなこと信じられますか? 「それが本当なんです、しかも、人が操られているのではなく、魔物が、人に使われている! 「この辺に、時々出る、盗賊なんです。 「そう、ボスは、プアーと言うんです。子分がうろついていますよ。 「ミャァミャァ。 「いにしえのアレフガルドは、閉ざされたやみの地、絶望が支配する国であった。 「え〜と、この後は、何じゃったかのう・・。 「お祖父さんの、独り言、気にしないでね。 「今、ある本に、こっているの。 「マダルカル城?聞いたことは、あるんだがなぁ。 「この村の北の砂漠の、オアシスに、来るやつらは、よく旅する連中だ。 「そいつらなら、結構わかるんじゃないかな。 「ここは、リストの村だ。 「私は、この村のずっと西にある、レーアオスト城から、きている。 「流されたわけでは、ないっ! ・夜 「むにゃむにゃ、流されたわけでは、ないよう。むにゃむにゃ。 「すやすや。 「シー、静かに。お祖父さんが、起きちゃうわ。 「グォーグォー。 ○オアシス ・昼 「昼間は、こうして地下や、家の中で過ごしています。 「熱くて、客人もあまりこないのです。 「店に用なら、夜になってから来て下さい。 「グーグー。 「すやすや。 「中で寝ている方は、先日夫を、亡くされました。 「早く、立ち直ってもらいたいです。 「ヒンヒヒーン。 「んゴー、んゴー。 「レーアオスト城から、この人は、このオアシスの、護衛のために来とるのだが、いつも、寝てばかりだや。 ミシーナ「あら、お店は、夜からなの。ごめんなさいね。 ・夜 「夜でないと、仕事にならないだや。 「マダルカルと、レーアオストとは、兄弟国だ。 「昔は、船で行き来していたそうだが、今は、魔物がふえてなぁ。 「何?マダルカルが、魔物におそわれた!?何でお前が知っているんだ。 「何?お前、マダルカルから来ただと。 「バ、バシルーラで!?なんなんだお前は。 「マダルカルから、飛ばされてきたじゃと!? 「それに、マダルカル城が、魔物におそわれたじゃとぉ!? 「なにをいっとる。あそこは兵力は、あるから、びくともせんじゃろて。 「おぬし、マダルカルに、帰りたいのか? 「そうか、それなら、この西、レーアオスト城に、行ってみなされ。 「船は、あるから、頼み込めば、何とかなるやもしれん。 「なんだい、にいちゃん。酒のみたいのか? 「何だ、金ないのか。ほら、これで、飲め飲め。 「おお、飲め飲め、ワハハハハ。 「しっかし、この頃、モンスターが、ふえてなぁ。 「どうなっていくのか、この世の中は! 「酒でも飲まにゃ、やってられんわな! 「わたしは、この世界を、旅している者だ! 「最近、西の大陸、オルフスールに行こうと、レーアオスト城に行った所、 「船は、絶対出せないといわれ、ここで、動けなくなってしまった。 「船が出せないのは海の魔物が、増えただけじゃないな。ありゃ。 「今、レーアオスト城では、2つの問題が、起きているそうだ。 「一つは、何でも、ヨーリア姫が、いなくなったという。 「もう一つは、海の向こうの城が、どうかしたということだ。 「いらっしゃい。 「未成年は、飲んじゃだめだよ。 「ジュースぐらいならいいぞ。 「ゆっくりしていってくれよ。 ミシーナ「いらっしゃ〜い。あれを、してもらいに来たの? 「まあ、やっぱり。でも、ちょっと待ってて。 「あの人と、あの人に、お酒届けなくちゃっ。 「あ〜ら、すてきな、お兄さん! 「ねえ、ぱふぱふ、しましょっ。いいでしょ? 「まあ、うれしい。 「そんな感じに、見えたものっ。さあ、入って。 「あかり、消すわよ? 「ぱふぱふ、ぱふぱふ ゆうしゃ「うぷぷぷふ・ ミシーナ「ぱふぱふ、ぱふぱふ ゆうしゃ「こ・これは・・ ミシーナ「ぱふぱふ、ぱふぱふ 「どう?気持ちいいでしょっ。 「今回は、特別、気に入ったから、ただにしておいてあげるわ。 「またネっ! 「いらっしゃい。ゆっくり飲んでいってね。 ○レーアオスト ・夜の城下町 「夜は、城のなかには、入れないぞ。 「宿にでも泊まれば、すぐ朝さ。 「夜は、いかなる者でも、通るわけには、いかぬ。 「また、明日、来るがよい。 ・昼の城下町 「ここは、レーアオスト城だ。 「マダルカルに行きたいんだが、船が、出ない。 「海が危険ということだが、おれ様がいれば、絶対大丈夫だ! 「と、言っても船は、出ない。 「前は、ここから、マダルカル城への、船が出ていた。 「そして、その船を、管理していたのが、僕だった。 「今では、海は危険ということで、船まで没収されて・・・。 「これから、僕は、どうすりゃいいんでしょう。 ・城内 「知っているか、ヨーリア姫が、さらわれたって、うわさ? 「結構有名に、なってしまっているんだな。 「王は、この話が広まり、ほうび欲しさで、単独で行く者が現れ、 「姫の命が危険になることを、恐れている。 「王は、きちんと作戦を、立てておられるはずだ! 「マダルカル城がおそわれた!?そんな話、聞いたこともないぞ。 「夜の、オアシスに行けば、ここより、いい武器、防具が、そろっているぞ。 「おい、お前、ぱふぱふって知っているか? 「ありゃ、気持ちいいよな。ああ、久し振りに、オアシスに、行ってくるかな。 「王の令により、船は、出せん。あきらめるがよい。 「あっ!!き、君、僕がここで、さぼっていたこと、内緒にしといてくれない? 「あ、ありがとう。お礼と言っては何だが、良いことを、教えてあげよう。 「聞いた話なんだが、魔王が現れ、この地に、やみの悪魔を、降らせるだろう。 「と、言う話が、かなり昔から、伝えられているそうだ。 「クル〜ン、クル〜ン。 「王は、この上におられる。粗相の無いようにな。 「今、取りこみ中だ。短時間で、用件を、終わらすよう。 「・・・・・。 「今頃、ヨーリアさまが、どうしているかと思うと・・。あ〜ヨーリアさまっ! マンセム「・・・・・・ダー!(ビシッ)ス、スマン、いらいらして。 「王は、今、心を、悩められておられる。用件は、私が聞こうぞ。 「!?マダルカル城へ、帰りたいと申すのか! 「まさか、おぬし、マダルカル城から来たのか? 「なんと!!まぁ・・・・。本当に、本当に、来るとは。 「王様!!ささ、王の前へ。 王「そ、そなたが、マダルカルから、来た者・・じゃな? 「そして、名は、ゆうしゃ。そうじゃな。ふむふむ。 「実は、先日、フアッスという、マダルカルの女新米兵士が、小船でやってきてな。 「彼女に、そなたの事を、聞いたのじゃ。そなたを、捜していると。 「彼女は、すぐまたその小船で、大海へ出てしまったのじゃが・。 「そうじゃ!そなた、我が娘、ヨーリアが、さらわれたと言うのは、知っておったか? 「そうか、どこで聞いたかは、聞くまい。 「ここより、北の島。イドブ塔を住みかにし、魔物を、操りし盗賊に、さらわれてしまったのじゃ。 「そこにいる、マンセムは、ヨーリアの婚約者じゃ。 「マンセム一人では、危険じゃ。かと言い、多人数で攻め込むと、ヨーリアの命が。 「マンセムと、力をあわせ、ヨーリアを、見事救いだしてくるのじゃ。 「さすれば、ゆうしゃ。そなたを、マダルカル城へ送って行こうではないか。 「マンセムも、よいな。 マンセム「はい。 「王は私一人では、行かせてくれなかった。 「ゆうしゃは、私の援護を。よろしく頼む! 王「これは、少ないが、ゆうしゃのしたく金じゃ。 「ゆうしゃ、マンセム、行ってまいれ。 「よいな、あまり人に話すでないぞ。 「たのんだぞ。 「この辺で経験を、つんでから行くのがよいだろう。 「姫を、頼みますじゃ。 「無理をなさらないよう。 「無理をする時は、教会でお祈りをしてからの方が、いいでしょう。 「お気を付けて。 「傷ついた時は、迷わず宿に泊まる方が、いいですよ。 「早く、お姫様が、助かるよう、祈っております。 ○ほこら 「この先は、気を付けた方がいいですよ。魔物、盗賊が多いからね。 ○イドブ塔 「クケケケ、何だお前たちは。 「ん!?お前は、リスト村の近くで、行き倒れていた者! 「そして、お前は城の者だな。そうか、娘を、取り戻しに来たのだな! 「そうはいかん。プアー様の、お気に入りなのだ。 マンセム「・・・ヨーリア。 ヨーリア「まあ、マンセム様。助けに来てくださったのね。この方は? マンセム「ああ、マダルカルの兵士、ゆうしゃ。 「彼と共に、ヨーリア、君を、助けに来た。 ヨーリア「ゆうしゃさん、ありがとう。 マンセム「城へ戻ろう。 ○ほこら 「ヨ、ヨーリア姫!ご無事で何よりです。 ○レーアオスト ・城下町 「おかえりなさい。王もお喜びになります。 「ややっ!姫!ご無事でしたか。ささ、王もお喜びでしょう。 ・城内 「おお、姫、ご無事でしたか。 「ゆうしゃくん。すごいね、君。 「ゆうしゃどの、マンセムどの。おみごとです。 「ご無事で、なによりです! 「姫の無事帰還を、祝って、いつもより回っています。 「クル〜ン、クル〜ン。 王「ヨ、ヨーリア。よく無事で・・。 「マンセムも、ご苦労であった。 「さあ、二人とも、こちらへ。 「ゆうしゃよ。ありがとう。心から礼を、言わせてもらうぞ。 「約束どおり、船は出させよう。 「ゆうしゃ。わしも、マダルカルが、魔物に、おそわれたのは、フアッスに、聞いておる。 「誰も、マダルカル城に、行かせなかったのは、 「万が一、あの最強と言われる、マダルカル城が、全滅しており、それを知った人々の混乱を、恐れたからじゃ。 「マダルカル王のことだ。無事じゃと思うが。 「わしとしては、行かせたくは、ないんじゃが・・・。 「よいか、船でマダルカルへは、送る手はずはとろう。じゃが、行く行かぬは、お前しだいじゃ。 「ヨーリア救出で、だいぶ力を、つけれたようじゃから、何があったとしても、大丈夫じゃな? 「うむ、その力強い、言葉、安心じゃ。 「こう心配しとって、実際行ってみると、元気じゃったりする。 「船頭のいうことは、よく聞いて海の男じゃ、任せておける。 「気を付けていくのじゃぞ。 「後は、この世の中が落ち着き、マンセムと、ヨーリアの結婚を、待つだけじゃ。 「ゆうしゃよ、無理をするでないぞ。 マンセム「ゆうしゃ、世話になった。いつか、お礼をしたいものだ。 ヨーリア「ゆうしゃ。ありがとう。あなたには、ぜひこの城に、残ってもらいたかったわ。 「でも、魔物の言ってた、プアー様って、どんな人なのかしら。 「一回も姿を、あらわさなかったのよ。 「後は、結婚を、待つばかりじゃ。 「マンセム様、バンザーイ! 「もうすぐ、マンセムどのは、先輩から、王様に、なるわけか・・。 「お姫様が、助かるよう、祈った甲斐がありました。おお、神よ。 「ヨーリア様が、もうすぐ、女王になられます。 「その準備が、大変です。せっせ、せっせ。 ・港 「待ってたよ、ゆうしゃくん。 「船は、出すけど、こっちも命がけ。行く前に、絶対やりたいことがある。 「それは・・・・・・・・ 「ねえ、ぱふぱふ、ね、ミシーナちゃん、連れてきてよ。 「僕は、ここを、はなれられない。だから連れてきてよ。いいでしょっ? 「うんうん。 「待ってるよ。船は、ちゃんと用意しとくからね。 「船は、任せとけ。だから早くミシーナちゃんを。オアシスにいるでしょっ。 ○オアシス ミシーナ「あら、あなた、聞いたわよ。あの盗賊の塔から、姫を、助けたそうね。 「え、な〜に?あたしが、レーアオストまで行くのぉ。 「それであなたは、マダルカルへ、いっちゃうんでしょ。 「なら、あたしからも、条件あるわよ。いい? 「まあ、うれしい。あたし、あなたが気にいった。 「あなたに、ずっと付いて行く。決まりっ。 「さ、行きましょう。 「マスターには、いつ辞めるかわからないって、言ってあるから大丈夫よ。 「いらっしゃい。 「よう、ミシーナ。お前が、いなくなって、客も減ったよ。 「ゆっくりしていってくれよ。 「わたしは、この世界を、旅している者だ! 「何でも、マダルカルへ、特別に、船が出るそうだ。 「姫を、救出したもの専用だという。 「城の者は、隠していたが、言ってくれれば、私が、助けだしたものを。 「いいですわね、お姫様。いい人と、再び生きて会えたんですもの。 「ううっ。 「マダルカルと、レーアオストとは、兄弟国だ。 「しかし、すごいなあ。お前。 「姫様が、さらわれていたのも、知らなかったけど、それを、助けちゃったんだろ。 ○レーアオスト 「わーい、ミシーナちゃんだ。僕のために、ありがとう。 ミシーナ「別に、あなたのためじゃ無いわよ。 「でも、呼んでくれてありがとうっ。 「わーい、わーい。 ミシーナ「じゃ、ゆうしゃ。すぐ終わらすから外で待ってて。 「いい、ぱふぱふ、ぱふぱふ。 「うぷぷぷぷ・ ミシーナ「ぱふぱふ、ぱふぱふ。 「き、気持ちいい・・。 ミシーナ「ゆうしゃ。終わったわ、いいわよ。 「さ、どうぞ。