○マダルカル ・城下町 「な、なんか静まり返ってるねぇ。 ミシーナ「マダルカルって、兵士が一番多い城、なんでしょう? 「き、君たち、き、気を付けてね。ぼ、僕は、気味悪いから帰るよ。 「じゃ、ゆうしゃ。それじゃあね、ミシーナちゃん。気を付けてね。 ・城内 「え〜ん、え〜ん。ああ、ゆうしゃ、ゆうしゃね。よかった〜っ!! 「ぐずっ。あのね、魔物が攻めてきて、みんな、いなくなっちゃった。 「あたし、恐くて、恐くて動けなかったの。 「ぐずっ、ぐずっ。そうだ、王様は? 「王様が見つからないって、魔物らが、捜していたけど。 王「お、おおお、ゆうしゃ。ゆうしゃではないか!!無事・じゃったか・。 「この城はみての通りじゃ。魔物たちの勝ちじゃ。 「ゆうしゃよ。そなたに言っておかなければ、ならないことがある。 「ゆうしゃの父、クイトは、この地全てを、歩む戦士として、名をとどろかせておるのは、知っておるな。 「そして、クイトの父が、このわしじゃ。 「この事は、皆には秘密じゃ。人に話してはならん。 「クイトは、この国を治めるよりも先に、まずは、勇者をさがすと、世界中を旅しておったんじゃ。 「じゃが、そのクイトも、魔物にやられて、しまった様じゃが・・。 「予言にある。太陽、地より登りて天のやみを、払わん。また、太陽、光、戻さん。 「この太陽とは、まさしく勇者のこと。 「父の信念を受け継ぎ、勇者をさがすのだ。 「一階の倉庫にあった、銀竜の骨を、持っていかれた。 「あれは、この城に、昔より伝わる物で、勇者のみに持たせとあった。 「魔物に対して、兵を集めていたのだが、無駄だったようじゃな。 「よいか、ゆうしゃ。勇者を、銀竜の骨を、捜すのじゃ。 「わしは、大丈夫じゃ。さあ、行くのじゃ。西の大陸に、行くのじゃ。 ○モコロ 「ゆうしゃ!!無事だったのか。良かった。 「お前が発った、翌日、フアッスが城に行くと、全滅していると言うではないか。 「しかも、クイトどのが、おられたはずなのに! 「よほどものすごい魔物群、だったんだろうな。 「フアッスは、お前を捜すため、止めたのを聞かずに、小船を作り、海に出てしまった。 「彼女も未だ帰らぬ。 「旅路、フアッスの事、聞かなかったか? 「なに!?レーアオスト王が、会ったと。そうか、とりあえず無事だったのか。 「とにかくお前だけでも、無事で良かった。 「この頃は森だけでなく、草原もモンスターが増えた。 「旅人に聞いた話だと、どこかの城が、攻め込まれたという。 「われらがマダルカル城も。 「だが、マダルカル城は、城には傷つかず人だけが、居なくなるなんて奇怪なこと。 「おお聞いたぞ、マダルカル城は、全滅しちまったんだろ。 「したら、このマダルカル島は、物凄く危険じゃないかよ。 「わしの孫、フアッスは、強い子じゃ。が、女。 「無理をしすぎていないと、よいがのう。 「ゆうしゃよ、フアッスを、頼みますじゃ。みつけてくだされ。 「ゆうしゃ、無事だったのか。城にいたはずの私の息子は、帰って・こない。 「マダルカルの方々が、みな無事でありますように。 「無事で良かったなあ。ゆうしゃ、マダルカル王に、勇者の話を、聞いたか? 「王の言っていた、太陽はまだ光を放っては、いないらしい。 「太陽そのものに成りうる者。その者、勇者を、捜すんだ! 「と、クイトさんに、何かあった時は、そう伝えてくれと言われていた。 「クイトさんも、勇者に成りうる者を捜しての、旅だったそうだ。 「私は、これ以上聞いていない。 「クイトさんが、生きていてくれれば、くわしくわかるんだがね。 「ああ、ぼっちゃん。ぶ、無事だったのですね。良かった。 「送っていかれた、だんな様もお帰りに、ならないし・・・、 「わたし、どうしたら良いか。ほんとによかった。 「でも、またすぐに、旅立たれるのですね。目で判ります。 「10年も、お世話しているのです。それくらいの事は・・。 「でも、今日は休んでいってくださいね。 「気を付けてくださいね。ほんとに。 「クイトが言っとったじゃ。ゆうしゃは普通の太陽の下に、生まれたのではない。 「ゆうしゃよ。西に行くのじゃ。行き、自分の生きる道を、捜すのじゃ。 「すぐ西の大陸は、オルフスール城と言う、この地の中心、最大の城があるのじゃ。 「その城には、アラキと言う学者がおる。この地のことを聞くのじゃ。 「わしも付いていきたいが、この年寄りでは、かえってじゃまじゃな。 「この村の一番奥の建物より、すぐ西の大陸にいける。気を付けての。 「ゆうしゃ、この先はすぐ西のサリマビルグ村だ。 「だがその村に、しばらく誰も行っていない。 「サリマビルグ村と、南のオリマビルグの町で、問題が起きているそうだ。 「気を付けていくのだよ。 「気を付けて。 ○レーアオスト 「マダルカル城は何でも、魔物群に、滅ぼされたっていうじゃねぇか。 「ってことは、この地はもう魔物のものに、なっちまうんじゃねぇか!? 「やあ、無事でしたか。結局、君たちを運んだら、船は、没収されて。 「あ〜あ。 「世界が平和になり、マンセム様が無事帰ってくる様、祈っております。 「ヨーリア様は、明るく、振る舞っておりますが・・・。ああ、ヨーリア様。 ヨーリア「ゆうしゃ。マンセム様は私たちだけが、幸せになるわけにはいかないと、あなたの後を。 「会いませんでした? 「おお、ゆうしゃどの。マンセムどの・マンセム様は、おぬしの後を追って、ひとりで旅立たれました。 「自分だけが、幸せになってはいかんと、皆の幸せが、自分の幸せと。 「この言葉で、私は、むねがイッパイじゃ。 王「いつぞやは、世話になった。マダルカル城のことは聞いた。 「マダルカル城がやられるとは、思ってもみなかったがの。 「大丈夫じゃろて。マダルカルの人々は。 「お前の父、クイトが、ついているのじゃろう。 「フアッスの無事も、祈っておる。 「やはり、あの小船で来た時、引き止めておくべきだったのう。 「後は、この世の中が落ち着き、マンセムが帰ってくるのを、待つだけじゃ。 「ゆうしゃよ、無理をするでないぞ。 ○サリマビルグ 「まあ、モコロから来るなんて、久し振り。ここは、サリマビルグの村よ。 「盗賊退治のため、みんなは、南の、オリマビルグに、行っているわ。 「モコロとの交流がなくなり、旅人も減ったわ。 「クェークェー。 「この工場は、何を作っていたか知っている? 「ここはね、世界的にも有名な、キメラの翼工場だったの。 「そこの、さくの中で、キメラも飼っていたの。 「でも、ここよりはるか南、リビマオの塔に住む、盗賊が、みんな持っていってしまって。 「だから、今、世界中で、キメラの翼は、貴重になっているの。 「昔は、この辺に、キメラが、たっくさんいたんだよ。 「キメラが、いなくなったのは、パパ達が、捕まえたからじゃないよ。 「ここで、雷雲の杖を使って、雷を呼び、キメラの翼を、作っていました。 「しかし、盗賊に、その杖も、持って行かれてしまいました。 「きっと、キメラの翼を、独り占めしようと、言うのでしょう。 「バウバウ。 「こう見えても店なんじゃ。かうんたぁごしに、話してくれんかの。 ○オリマビルグ 「ここは、オリマビルグの町。キメラの翼を、中心とした、貿易町でした。 「でも、今は、男もキメラも、更に、西に行く洞窟の、入り口のかぎも、ありません。 「わしの息子、町の皆が、無事でありますように。おお、神よ。 「勇者を捜しておるじゃと。勇者がおったら皆を、救って下さるじゃろうがのう。 「ミヤーン、ミヤーン。 「キメラの翼は、今では、世界中で、手に入りにくくなっていますわ。 「翼は、すべて、サリマビルグ村で、作られていたのです。 「でしたが・・・。 「わしらは、昔から、数を減らさぬよう、キメラを捕っていたのじゃ。 「じゃが、盗賊どもと魔物が、キメラと、雷雲の杖を、持って行ってしまったのじゃ。 「野にいたキメラも、全滅。 「南東のリビマオの塔に、男たちは、皆、杖とキメラを、取り返しに、行ったきり、戻ってこないんじゃよ。 「パパが、帰ってこない。もしかして、盗賊に、殺されちゃったのかなあ。 「ここでも、ちょっと前までは、たくさん、キメラを、飼っていたんだよ。 「翼を、作る時は、サリマビルグまで行ってたけど。 「クェッ、クェッ。 「このキメラは、小さい時から、ここにいます。だから、人に危害は、くわえません。 「魔物も、誰かに操られない限り、おとなしいはずです。 「私の生まれる、ずっと前は、魔物は、おとなしかったと聞きます。 「お父様が、帰ってこないので、私が店を、やっています。 「ここは、武器を、あつかっております。 「それはそうと、お客さま。 「よければ、店の前の人たちの、話を聞いてみてください。 「みんなで、行けばよかったのよ。男の人だけに頼るから。 「そしたらこんな、思いしなくってすんだのに・・。ううっ。 「この西の洞くつを抜けると、オルフスール城と言う、最大の城がありますわ。 「でも、洞くつのかぎも、盗賊に、一緒に、取られてしまいました。 「パパも、帰ってこないし、このままでは、私たちは、生きて行けません。 「ちょっと、ちょっと。旅の方、聞いて下さいよ。 「あたしゃ、北のサリマビルグから、来てるんだけどね。 「キメラも男の人も、いなくなり、生活できないからって、この人・・・・ 「一人で、南東のリビマオの塔に、取り返しにいくって言うんです。 「大のおとな、十人でも、歯が立たなかったのに。 「やけに、なっているんじゃなくて。 シャウク「聞いての通り、このままでは、うちらは生活できません。 「残ったのは、女、子供、お年寄りだけで、みんな行こうとしません。 「だから、うちが行く事に決めました。でも、一人では・・・・。 「旅の方、お願い。てつだってくださいませんか? 「ほんと!?ありがとう。 「塔は、普通には、入れません。が、心当たりがありますわ。 「さあ、いきましょう。南東のリビマオの塔へ。 「まあ、ゆうしゃ、シャウク。気を付けなさいよ。 「このままじゃ、生活できないからって言っても、死んじゃあしょうがないからね。 ○リビマオの塔 シャウク「ここを、まっすぐ入って、右へ。 「突き当たりで、階段が、あったり、なかったりする、場所があるのよ。 「そこを、調べてみましょ。 プアー「なんだ、お前らは・・・。 「うひ、まさかあのヘッポコたちのように、キメラを取り戻しにきたのか! 「ま、まってくれぃ。 「お、お前、もしや、あのヨーリアを助け出した、ゆうしゃってやつじゃねえか? 「ウヒョ。や、やるではないか。村の人々も、連れ帰るがよいわ。 「だが、オレ様は倒せん。ほれ、うしろを見てみろ!! 「バ、バカめー。ウヒョヒョヒョヒョヒョ。さらばっ。 「私は、オリマビルグ、一の戦士と思っていたんだが、なさけない・。 「ありがとう!魔物も、少なくなった。後は、私でも大丈夫だ。 「責任持って、みんな、町へ連れ帰る。 「旅の人ですか?ありがとうございます。 「我々のために危険なことに、巻き込んでしまって。 「いやー、シャウク。すごいな。よくあいつを倒せたな。 「プアーって盗賊の頭は、キメラの翼を独り占めして、旅人の行動を制限しようと、してたみたいですよ。 「予言の勇者に、関係があるのかね。 「ありがとうございました。一人も死者が出なかったのは、何よりのことです。 「た、たすかったのか!? 「ありがとう。最初から倒すために来たら、良かったですよ。 「話し合いに来たら、このざまです。 「おお、シャウクさん!!あなたって人は。ありがとうありがとう。 アウカク「わては、プアーさ・・プアーの子分やった。 「せやけど、ある男が、来てから、どんどん魔力を付け、変わってきよりまして。 「恐ろしくなり、オリマの味方になったんですわ。 「しかし、歯がたたんで・・。せやけど、あんさん方、ほんま、えろう強うおまんなぁ。 「この塔のどこかに、家畜のキメラがいるはずです。わかりませんか? 「クエークエー。 ○サリマビルグ 「もうすぐ、この子の、お友達が帰ってくるのね。 「あなたがたの、おかげで、もうすぐ、工場が動きます。 「ありがとうございました。 ○オリマビルグ 「シャウクさん!みんな無事ですって!?ばんざ〜い。 「全員、けがが無ければ、いいですけどね。 「この西の洞くつを抜けると、オルフスール城と言う、最大の城がありますわ。 「その城の北には、最大の砂漠があります。 「砂漠には、太古のおはかが、そびえ建つそうですわ。 「アラキじい様という方が、調べているそうですわ。 「それにしてもシャウクの勇気。素敵ですわ。 「まあ、ゆうしゃ様。ありがとうございました。 「みんな帰ってきて、これからは、町も昔のように、なっていくでしょう。 「本当に、ありがとうございました。 「今回の事件で、キメラの数も、一段と減ってしまったじゃ。 「気を付けて捕らねばの。 「シャウクにも感謝せねばのう。何事もあきらめてはいかんのう。 「また、前のように、キメラがたっくさん飼えるよ。 「ありがとう。 「くえーくえー。 「父が、帰ってきて、またキメラの飼育も、本格化するでしょう。 「でも、野生のキメラは・・、大丈夫でしょうか。 「絶滅しそうですわ。 「お父様は、まだ、帰ってこないのかしら。 「旅の方、ありがとうございました。 「え、みんな無事ですって!? 「兄も、無事だといいなぁ。 「おお、神よ。皆が、無事であったことを、感謝しますじゃ。 「おお、これは、ゆうしゃどの。ありがたや、ありがたや。 「ゆうしゃどの、シャウクどのが、この町の勇者じゃよ。 「クエッッッ、クエッッッ! シャウク「その鍵があれば、西の洞くつを通って、オルフスール城に行けます。 「行きましょう。 ○洞くつ シャウク「どうもありがとうございました。 「おかげ様で、町も、元どおりに出来ますわ。 「男の人たちも、そろそろ、帰って来ているでしょう。 「近くを通る様なら、よって下さいね。 「うちは、ここで。 ○サリマビルグ 「ここは、サリマビルグの村。と言っても、工場村です。 「これからは、また、キメラの翼で、暮らしていけます。 「ムニャムニャ。あ、キメラみっけ、ムニャムニャ。 「いらっしゃい、この工場で、働きたいのかね。 「今は、まだ動いていないから、動き出したら、頼むよ。 ○オリマビルグ 「息子が帰ってきて、わしも、もう隠居じゃ。 「そなたと、シャウクは、息子の命の、恩人じゃよ。 「これは、ゆうしゃさん。その節は、ありがとうございました。 「でも、商売は、商売。 「これは、ゆうしゃどの。あなたといい、シャウクといい、私なんか、まだまだ修行が足りません。 「が、勉学では、勝てると思いますよ。 「大賢者モウニュの事は、知っていますか? 「大昔、大賢者モウニュは、大魔王を倒し、この地を、作ったと言われている方です。 「ま、この話は、昔、オルフスール城の学者、アラキどのに、聞いたのだけど。 「ゆうしゃさん。ありがとうございました。 「あなたも、強いですが、シャウクも、強いですね。 「でも、あまり強いと、嫁のもらい手がいなくなりますね。 「僕は、その方が良いけど・・。は!!いえ、何でもありません。 「やっぱり、お父様の、仕事姿、光ってますわ。 「ありがとうございました。 「キメラの翼は、今では、世界中で、手に入りにくくなっていますわ。 「でも、もうすぐ手に入るようになるでしょう。 「妹に、心配かけっぱなしで。 「しかし、私たちは、なぜ、殺されず、閉じ込められた、だけなんでしょう。 「これまで以上に、キメラを、大切にしなければなあ。 「旅の方々、この地のどこかで、キメラをみかけたら、教えて下され。 「魔物とはいえ、キメラは、全滅させるわけには、いかん。 「あのね、パパが、帰ってきたよ。盗賊も、やっつけちゃったんだよ。 アウカク「おやーっ。ゆうしゃさんじゃあ〜りませんか。 「ほんま、たすかりました。いい事、と言うより、わての知っていること、全部教えときますわ。 「プアーは、兄貴分の、リッチと共に世界中に、住みかとする塔を、持っておるんですわ。 「本家は、わては、行ったことないんですがね、簡単にゃ、入れないそうで。 「ま、そんなもんですか。これからは、あんさん方を、見習って、真っ当に生きますわ。 シャウク「また昔のように、町が戻ったら、何か、ゆうしゃのお手伝いを、したいですわ。 「また、来て下さい。