○洞くつ レヌイス「きゃっ!!ああ、びっくりした。 「なに、この先の扉、開いたの?!よかった。 「私の名は、レヌイス。私はこの地を救うと予言にある、勇者を探している。 「ところがこの先が、行き止まりだったから、困っていたところよ。 「なに、きみも勇者を探しているの? 「ふーん。じゃ、またどこかで、会うかも知れないわね。 ダニー「私は、連れのダニーという者です。 「どうしても姫・ レヌイス「ダニーッ!! ダニー「・レヌイス様が、旅に出るというので、お供しているのです。 ○オルフスール ・城下町 「ここは、オルフスール城、城下町。 「アラキじい様ですか?この城にいますよ。 「でも、よくでかけますからね。多分、王様が知ってますけど。 「ここは、ルイーダのみせ。 「旅人たちが、仲間を求めて、集まる、出会いと、別れの、酒場よ。 「でも、あなたには、関係ないわね。 「ここは、登録所。旅人の管理をしています。 「仲間が欲しい時は、ご利用下さい。 「この辺はそうでもないが、ここより北の方は、魔物にやられた村々をみる。 「この世の中を、何とかする方法を、アラキどのなら、わかるのではと、 「アラキどのの話を、聞きに来たが、お前は、ちがうと言われ、何も話してくれない。 「兄の体は、もうぼろぼろです。アラキじい様は、なぜ、教えてくれないのかしら。 「私たちは、財宝目当てではないのに。 「みゃーん。 「おう、ここが道具屋でぃ!!用は何だい。 「なんだもういいのか。また来てくれよ。 「よくいらした。ご用は何じゃらほい。 「また、来なすって下さいのぅ。 「いらっしゃいませ。本日の、おすすめは、鉄のやりです。 「うちは、防具を扱っております。何なりとご用を。 「見回りも、楽ではないです。 「ここには、城の為に死んでいった者が、眠っております。 「これ以上、お墓を増やしてはいけません。 「これより、オルフスール城。 「いいのう、若い者は。わしも、もっと、旅をしとけば良かったのう。 ・城内 「城の中は、お静に。 「予言の勇者を、さがしておられるのか? 「前に、剣士のような女も、たずねて来たっけ。 「お城の兵のお食事は、すべて私が、作っています。せっせ、せっせ。 「アラキどのか?アラキどのは、昔は、魔法使いとして活躍した方だ。 「今は、隠居の身ながら、この地に残る予言について、研究されておるよ。 「本棚のある部屋が、アラキどのの部屋だよ。 オル「わしか?わしは、アラキという者ではないぞ。わしは、先生の弟子じゃよ。 「先生は、北の砂漠の太古の墓に、行っておるよ。 「あの年で。困ったものじゃよ。 「昔は、ここから、船が出ていたが、今は全く使っていない。 「王は、この上に、おわせられる。 「ここは、牢。 「この後ろの、旅の扉は、王の許可ナシでは、通す分けにはいかん。 「お前のような者が、通っても、無意味だしな。 「王は、誰とでもお会いになる。失礼のないように。 王「なんだ、お前は。お前も、アラキじいに、話を聞きに来たのか? 「やはり。またか。先も、レヌイスと言う女が、たずねて来たわい。 「だが、今は、北の太古の墓にある、ある物を、取りに行っている。 「アラキじいの話が、聞きたいのなら、北のシンの村に行くがよい。 「下がってよい。 「どうした、アラキじいが、見付からんか? 「北の村に、行ってみるがよい。まえから、墓を調べる時は、あそこを、宿にしているからな。 「シンの村は、この城を出て、川沿いに北に行くとすぐです。 ○シン チオレ「ミシーナ!?ミシーナだろ! ミシーナ「ゆうしゃ!あ、あたし、行くね。楽しかった。じゃあね。 チオレ「おい、おまえ。今のは、ミシーナじゃねぇか? 「やはり。なぜ、一緒にいたんだ・・あ!そうか・・。 「・・・・・・・。 「おい、おまえ、旅は一人じゃ大変だろ。俺がついていってやる。 「いいな? 「よし、退治した魔物のゴールドは、3:1で、もらうぞ! 「どこでも、ついて行ってやるからな。 「オアシス、シンの村です。 「近くの、太古の墓を見に、来る人が、よくここを、宿にします。 「ニャーニャーニャー。 「なんじゃ、お主。そんな人数で旅を、しておるのか? 「オルフスール城下町の、酒場で仲間を集めるがよい。 「じゃが、お主のような者に、ついていく者がおるかどうか。 「いらっしゃい。子供にお酒は、まずいなぁ。 「きみも、太古の墓見学かい? 「ん、え、アラキ様?!その方なら、ほら、あの一番奥に座っておられるよ。 「となりにおられるのが、アラキさまだ。 アラキ「お!おまえは、ワシの話を聞きたいんじゃろ、そうじゃろ、そうじゃろ? 「ワシが、思ってた通りじゃ。 「今までも、何人もの者が、来たが、こいつは、違う。と、感じるのじゃ。 「みな、財宝目当てのように見えてな。 「じゃが、お前は違う。わしの好みじゃ。あ、変な意味じゃないぞ。 「なんと、全地を歩む、あのクイトの息子さんなのか。うんうん、よいよい。 「では、簡単に、判っているところまで、話しておいとこう。 「おまえは、カロシスという者を、知っているか。 「勇者カロシスは、妹のイミルフと共に、このオルフスールの大陸を、救った者じゃ。 「じゃが、その者たちの出現をも、予言していたのが、大賢者モウニュじゃよ。 「と、城の書物では、そこまでしか判らん。 「モウニュは、この後、つまり、今のこの世の中、そして、未来をも予言しているのじゃ。 「それが書かれてる物が、水のピラミッドに、あるらしいのじゃ。 「今の、この世の中を救う、勇者の予言も、書かれているはずじゃよ。 「ゆうしゃ。ピラミッド探索、出発じゃ! 「まずは、情報集めじゃよ。 「ピラミッドの天辺からは、キメラの翼で、飛べるそうです。 「私は、太古の墓を、見に来たんだが、でかいなぁ、ありゃ。 「中には、財宝が、ザックザクらしいが、恐くて入れないよ。 「魔法が、使えなくなるんだ。 「岩のピラミッドには、黄金に輝く爪。 「水のピラミッドには、不思議な不思議なうでわが、あるそうな。 「東の太古の墓は、ピラミッドと呼ばれており、 「周りにある物より、それぞれ、水、緑、岩のピラミッドと、呼ばれています。 「それらが、互いに、からみあった罠に、なっていることは確かです。 「ぐーぐー。 「太古の墓には、色々の罠が、あるので、入って生きて、帰ってきた者は、少ないですわ。 「悪いことは言いません。入らない方がいいですわ。 「ここの村から、北西に行ったところに、ほこらがあるよ。 「いや〜。墓の中どころか、砂漠を歩くだけで、死にそうだよ。 「自分が、こんなに弱いとは。ゴドワン城の、武術大会に、参加しないで良かったよ。 「武術大会?まだ始まっていないよ。 「この村に、古くから伝わる歌に、 『水は魔を奪い、緑は目を奪い、岩は緑を消し去り、緑は水を消し去り、水は緑を開け、岩は水を開ける』 「と、いうのがある。 「ピラミッドに、行くのかい?あそこは、選ばれた者のみ入れる。 「その者以外は、入らぬことだ。 ○オルフスール ・城下町 「ここは、預かり所です。 「ああ、ゆうしゃさん。先日、ミシーナさんが見えて、持ち物を、預けていかれました。 「アラキどの。その人なんですね。探していたのは。 「少し安心しました。 「アラキじい様。私たちは、財宝目当てではないのに。 ・城内 オル「先生。無理はいけませぬぞ。 王「おお、アラキじい。どうだ。まだ、見付からんか。無理をするでないぞ。 「おお、この間のゆうしゃではないか。アラキじいに気に入られたか。 ○ほこら 「このような所へ、どのようなご用かな。宿かね? ○緑のピラミッド アラキ「ほっほっほ。こういうもんは、回すんじゃ。 どこからともなく声が聞こえる。 「いわのくちが、ひらいた・・ 「みずに、まほうがもどった・・ ○岩のピラミッド 「みずのくちが、ひらいた・・ 「みどりにひかりが、もどった・・ ○水のピラミッド 「みどりのくちが、ひらいた・・ 「おどろいたよ。中で、魔法が、使えるようになっているよ。 「あんたらの仕業かい?! ゆうしゃは、モーニュの骨を、手に入れた。 アラキ「これじゃ、この骨の側面に書かれている、太古の文字を、解読すれば。 「よし、帰ろうぞ。王に報告せねば。 ○オルフスール アラキ「よし、ワシは、早速解読を始める。 「王に会っていきなされ。 「ゆうしゃか。むむむむむむ・・。ゆうしゃか。まだ、いや、もう少しじゃ。 「急いで解読して、間違えると大変じゃからのぉ、あわてさせるなされ。 オル「今、先生と共に、骨の文字を解読中じゃ。じゃまを、せんでのう。 王「うむ、ゆうしゃよ。よく無事で。 「今、じいが、骨に書かれた文字を、解読しておる。 「お前も、伝説のことを、聞きに来たんだろう。 「まあ、ここで待っているのも、よいが、どうじゃ、一つ頼まれてはくれんか。 「夜、城の中は、まっくらになってしまうが、昔は火を灯し、昼のようだった。 「魔物が増え、夜の明かりを、消すようにしたのだ。 「しかし、この頃のこの辺りは、魔物も、落ち着き始めた。 「そこで、ふたたび、明かりを灯したいのだが。代々使っておる、種火がある。 「だが、その種火の祭っている、西のラーレの洞くつが、魔物の住みかになっている。 「そのニメケの種火を、持ってきて欲しいのだ。良いな? 「持ち帰れば、この城は、夜でも入れるようになる。 「頼んだぞ。 「ラーレの洞くつは、城を出て、西の橋を渡り、少し北にあります。 王「どうした、まだ、アラキじいの解読は、出来ておらんぞ。 「それより、ニメケの種火はどうした。王の命令であるぞ。 「おお、それは、まさしくニメケの種火。 「よし、その種火から火を取り、ともすのだ。 「種火は、お前が持っているがよい。 「これで夜も、明るいぞ。ゆうしゃも、いつでも来るがよい。 「何だ、まだ何か用か? アラキ「王っ!!わかりましたぞっ!! 「王!おお、ゆうしゃも、そこにいたのか。王、わかりましたぞ。 王「すべて、わかったというのか? アラキ「いえ、とにかく、訳した所が、ちょうど、今の、この時の後のことで。 王「して、何がわかったのか? アラキ「この地を救う、勇者の事ですじゃ。 『バル、みたび現れし時、太陽もまた、この地にあらわる。』 『太陽、光放つまでに、時間あり。惑星、集まりし時、光放つ。』 アラキ「この太陽というのは、勇者にちがいないでしょう。 「惑星というのが、勇者を支える、仲間たち。 「バルと言うのが、魔王の復活のことではないか。 王「して、その勇者は、どこにおるのか? アラキ「さ、そこまでは。今、オルが、別の骨を、訳してはいるが、まだ、骨は数多くあるので。 オル「王様、アラキ先生。 「勇者の事らしき者のことが、書かれている文が、ありました。 『そのもの、地にあらわりし時、2つの小さな太陽、あらわる。』 『2つの太陽、バルを、ふしる。』 オル「この文は、カロシス、イミルフ伝説の事と思われますじゃ。 王「そんなことは、知っておる。それは、とうに昔のことではないか。 オル「その後ですじゃよ。 『1つの太陽の下の者の1つ、全地を、歩む戦士となる。』 アラキ「王、全地を、歩む戦士と言ったら、クイトの事しかないですよ。 王「うむ。 『戦士の子、太陽となる者。』 『バル、みたび現れし時、太陽もまた、この地にあらわる。』 王「よし!!そのクイトの子どもを、捜せ。今、クイトはどこだ!!・・どうした、アラキじい。 アラキ「・・・ゆうしゃ、おまえ・・たしか・・。 「そうか!!お前か!!そうだったのか!!ヴぉほほ〜い!! 「王、見付けましたぞ!!クイトの息子さんを。 王「民が、お前に一目会いたいと、申しておる。外に出て、皆に顔を見せてくるのだ。 「そしてまた、わしの所へ来い。これから行くところ、すべきことを、教えようぞ。 アラキ「この城以外では、勇者だとは名のらぬ方が、よいと思うぞ。 「もしかすると、魔物らも勇者を始末しようと、しているかもしれん。 「考えすぎやもしれんがの。 オル「ゆうしゃどの。がんばってくだされや。 「勇者どののご無事を、毎日祈ります。 「勇者は、血で運命づけられているもの。私たち、普通の人では無理なこと。 「大変でしょうが、がんばってください。 「勇者様、ばんざいっ。がんばってください。 「おお、勇者ってこんな人なんだぁ。 「あなたが、勇者様!?イメージしていたのと、ちがうなぁ。 「とにかく、この地を救って下さい。おねがいしますよ。 ・城下町 「おお、勇者様じゃ、勇者様じゃ。 「おどろきました。あなたが、この地を救う勇者様だなんて。 「仲間を、捜すのなら、ぜひ私の酒場へ。 「その話を、聞いて世界中の、つわものが、私の酒場に、集まってくるでしょう。 「勇者様のお荷物を、預かっていると思うと、胸がいっぱいになりそうですよ。 「オルフスール城は、あなたの味方です。 「勇者様、あなたが本物なら、この地を、救ってください。 「魔物が、いつ大あばれし始めるか・・。 「勇者が、こんな子供だとは。 「とにかく、この辺はそうでもないが、北の方は、魔物におびえてくらしています。 「助けてやってください。 「これ以上墓を、増やさないためにも、勇者様、一刻も早くの平和を。 「勇者と見込んで頼みがある。北の大陸の村々が、魔物におそわれていく。 「助けてもらいたい。すでに、滅ぼされた町もあるそうだ。 「アラキじいさまは、勇者にしか話そうと、していなかったのね。 「だから、兄には、教えてくれなかったんだわ。 「おお、勇者じゃ、勇者じゃ。 「おう、おれが道具屋の主人でい。 「なんだい、勇者っておまえなのか。本当に!? 「勇者さん、これからも、ここをご利用くださいよ。 「これは、勇者どの。 「勇者どのが、この城を、拠点に活躍していると思うと、鼻たかだかですよ。 ヤン「へ〜、君が勇者!?勇者って普通の人なんだ。 アウカク「おやーっ。ゆうしゃさんじゃあ〜りませんか。 「ゆうしゃさんが、勇者とは、おどろいたじゃあ〜りませんか! ・城内 アラキ「ワシは、まだ調べることがある。わかっていることは、全て話した。 「王の話を聞くのじゃ。 王「来たか。よいか、ゆうしゃ。 「まず、肉体精神共々きたえるためにも、ゴドワン城の武術大会に、参加するのが良いだろう。 「わしの所に、毎回のように、推薦状が一枚来ておる。これで、予選はナシだと言うことだ。予選は、始まっているそうだ。 オル「王様! 「たしか、今回優勝者には、ゴドワン城に伝わる、伝説のカロシスの剣を、授けると言うことです。 王「何と。 アラキ「そうじゃ、やはり、まず、カロシス、イミルフの武器、伝説の武器を、集めるのが良いじゃろうて。 王「これで決まりだ。ゆうしゃ、これより、地下の旅の泉を使い、遥か彼方のゴドワン城を、目指すのだ。 「オルフスール代表の戦士としてそして、カロシスの剣とやらを、自らの力で手に入れるのだ。 「行け。 「気を付けるのだ。ゆうしゃ。この世界は、お前と共にある。 オル「ゆうしゃどの。がんばってくだされや。 「これで夜も明るいかわりに、休み時間がなくなった。 ・城下町 ヤン「私は、大魔法使い、パ・リュウミン。人呼んで、ヤン。 「なんて、大きいこと言ってるけどね。まだまだ修行不足。 「だから、強そうな人の、パーティに入れてもらって、修行しようとおもって。 「そんな私だけど、どう、連れてってくれる? 「本当!じゃ、行きましょ。気が変わらないうちに。 アウカク「おやーっ。ゆうしゃさんじゃあ〜りませんか。 「どないでっしゃろ。わても、仲間に入れて、もらえまへんでしょうか。 「おお、そうでっか。行きまほ、行きまほ。 チオレ「おい、ゆうしゃ。そんな人数で旅をしているのか。また、俺がついていってやる。 「どうだ? 「そうか、俺様の力が必要な時は、声をかけてくれよ。 ・城内 「これはこれは、ゆうしゃどの。この旅の扉の通行許可が、出たのはひさしぶりだ。 「6年ほど前、あの、クイトどのが、通って以来ですからね。 「え、ゆうしゃどのは、クイトどのの息子であるのか。 「うん、さすが勇者。ささ、お通り下さい。 「旅の扉の向こうは、北東の大陸、ゴドワンです。 「お気を付けて。