○ほこら 「バウワウ、バウワウ。 「おや、珍しいの。ここに人が、来るなんてのう。 「そなたも、オルフスール王の名のもとに、この大陸に渡って来なすったな。 「前にも、一人の戦士が渡ってきての、北の岬のホコラに、行きおった。 「その男は、運命がわかったと、言って去っていきおったがの。 ○岬のほこら 「あなたは、クイトの息子、ゆうしゃですか? 「まっていましたよ。カロシスの血を引きし者よ。あなたが来るのを、数百年まっていました。 「魔王は、復活しました。目覚めました。 「すでに魔王の手下の者たちが、勇者の出現を、封じ込めようと、うごいています。 「カロシスの剣は、ゴドワン城にあります。 「その剣は、カロシスが、昔、一度は、魔王バイケタルを、たおした剣。 「カロシスは、その剣に、復活した魔王を倒せるだけの、力を封印されたそうです。 「ここから、南西に、ゴドワン城はあります。 「勇者であるあなたは、剣を手にいれなければ、なりません。 「必ず、剣を手に入れるのです。 ○トトン 「ここは、ゴドワン城に一番近い町、トトン。 「もうすぐ、武術大会の決勝が始まるので、人が増えてきたよ。 「俺は、昔、戦士だった。その知識を生かし、よい武器を売っている。 「やくそう、やくそうはいかが? 「はい、ゆうしゃさん。も一ついかが? 「またどうぞ。 「ここは、防具しか扱っていないぞ。用はあるんだろうな。 「お前も武術大会に出るのか! 「まだ、予選やってるから、出れるだろうが、出るだけむだじゃないのか。 「予選突破なんて無理だよ。おれでさえ負けたんだからな。 「予選で俺に当たった、モーニという女武道家は、魔法も使うぞ。 「どうやら、そいつは、決勝まで残ったようだ。 「ミーミー。 「わしが、コロシアムの聖火の、聖なる種火を、代々、あずかって来たのじゃが・・。 「わしの不注意で、何者かに盗まれてしまった。 「その種火がないと、武術大会のかっこがつかん。 「ああ、困った、困った。王もその事でお困りに・・・。ああ、困った、困った。 「なに、あなたもでるの?! 「でも、今回も、前回優勝者の、トーヤーが、優勝するわよ。 「やっぱり、武術大会で、優勝する力を持った男の人って、すてきだわ。 「男は、力じゃないわよ。武術大会で優勝したからって、えらいわけじゃないわよねぇ。 「ほらほら、そこの君。武術大会を見るのはいいが、ちゃんと仕事しなさいよ。 「もうすぐ、私は予選の出場があります。 「おお、神よ。この剣にお力を。 「この頃は、武術大会の必勝祈願のために、おとずれる方が多いです。 「わたしの、双子の兄妹ったら、2人して、決勝まで残ったんですよ。 「パパの病気を、治すにはお金がかかるって、優勝して賞金をもらうって。 「けがだけは、して欲しくないわ。 モーニ「あたしが、優勝して、お金をもらって、パパの病気を治します。 「絶対、優勝する。 トーイ「俺が優勝するから、モーニには、でないでいいと言ったんだが。 「まあ、モーニが、決勝にいるって事は、敵が一人減ったことになるから、ま、いいか。 「う〜、ゴホッゴホッ。 「トーイ、モーニ。わしのために、無理をするんじゃ・ない・。う〜。 ○ゴドワン 「ここは、ゴドワン城。 「今、ゴドワン城では、第四十八回武術大会が、行われている。 「が、怪しい者は、我々が通さぬ。 「おどろいたよ。 「Aブロックの予選の決勝で俺と、たたかったリフゲイという者は、この世の者とは思えぬほど、強かった。 「一瞬にして負けちまったよ。俺が弱いわけがないし。 「お父さんが、ずっと試合を見ていて、つまんないんだもん。 「ここは、ゴドワン城。 「会場へは、左右の扉より入られよ。 「これより、ゴドワン城。 「王への謁見ならば中央の扉を、まっすぐ進まれよ。 「この先が、闘技場です。王は、こう言ったことが好きで、年中ここを使ったイベントを、企画しています。 「ふぉふぉ、わしの若い頃はのう・・。 「優勝者には、50万ゴールドが、もらえるそうですよ。 「それだけあれば、立派な店が建てられるのに。 「私も、伝説の剣が欲しくてねぇ。 「使いこなせなくても、持っているだけでも、かっこいいじゃないか。 「む、なかなか。 「オルフスールのかたですか? 「じゃ、知ってますね。アラキどのは、第二回、優勝者なんですよ。 「何で、オレ、あんなのに負けんだろ。 「おい、知っているか。何十年前かにこわれた、南の島の灯台が復活したぞ。 「だれが、何のためになおしたんだろうな。 「ああ、見ちゃいられない。ああ、そこだ。行け行け。 「予選でも、いい試合。決勝が楽しみ。 「やだ、汗くさいわねぇ。 「きゃー、行けー、そこー! 「む、いけ!そこだ。あー、わきが甘いな。 「審判は、何を見とるんぢゃ。今のは一本ぢゃ! 「何!これはジュウドウぢゃないのか。 「今回は、体調をくずして、コンコン。 「次の大会には、絶対出てみせるわ。 「二人とも、負けるでねぇぞ。 「みなさま、争い事はいけません。 「ケガをすると、私の仕事が増えてしまうでは、ありませんか。 「ぼくの出番は、まだかなぁ。 「ダー。試合中だ!!のぼってくるな!! 「これこれ、試合中は、上に、あがっちゃあだめじゃないか。 「はいはい、参加受付はこちら。あなたも参加しますか? 「はいはい、お名前は?ゆうしゃさんね。 「・・・おや、あなたは、もしかして、オルフスールの代表の方では。 「あなたは、すでに、決勝出場が決まってますよ。 「予選で、今、私の弟が戦っています。どうが、神のごかごを。 「西のコビアキムル城に、向かった私のフィアンセが、いまだ帰りません。 「彼は、ルーラで行きましたから、旅路は安全のはず。 「どうか、神のごかごを。 「決勝の時、ここから選手が、のぼって行くのさ。 「今は、予選中だから、この上は使っておらん。見るなら今だよ。一般市民。 「ケガの治療などは、上の神父にお願いしてます。 「わたしは、トーナメント表を、管理しています。 「まだ、決勝は先だよ。今は、ここの整備だ。 「悪いが、ここは、大会の時しか開けないんでな。 「王は、今はこの上におります。 「ここは、王室です。 「誰か、たのみを聞いて欲しい。 「王は何も言わぬがこのままでは、ご先祖様に申し訳が、立たなくなってしまうのだ。 「今、闘技場で燃えている炎は、普通に火をおこして付けたもの。 「この武術大会などの時は、代々使っておる種火を使って、火をおこすのが、ならわし。 「その種火が、盗賊の手により、盗まれてしまった。あれは、売っても金にならんというのに。 「盗賊といっても、魔物を従えている盗賊でな。なかなか手が出せんのじゃ。 「場所は、わかっているんだがのう。 「どうじゃ、行ってりゃぁくれんか? 「何と、おぬしが、オルフスールの代表とな!? 「名は、ゆうしゃ。本当じゃ。これはおどろいた。こんな少年が代表とは。 「よし、ゆうしゃ。おぬしに頼む。おぬしの力も見られて、一石二鳥じゃ。 「くわしくは、階段の所の者に聞くがよい。 「あの者は、一度取り戻しに行った者の、一人じゃからの。 「それから、この事は、内密にの。 「頼んだぞ。決勝はおぬしが来るまで、時間稼ぎをしておくのでな。 王「話は聞いた。オルフスールの若者よ。 「どうか、メキヒの種火を、とり返してほしい。 「なに、カロシスの剣じゃと。確かに、ここにある。 「だか、あれは、今回の武術大会の優勝商品に、してしまった。 「おぬしが、誰であろうと、どんな理由があろうとも、渡す事は出来ないのじゃよ。 「欲しいのならば、優勝するしか・・な。・・・・はぁあ。 「盗賊の住みかは、城の南、小島にそびえる、昔、灯台であった、リハマロの塔にあります。 「そこの近くの岬に、小島に行く地下通路があります。 「その通路には、罠、そしてモンスターが、住み着いています。 「その罠というのが、二人以上だと落とし穴が現れ、ふりだしに戻されてしまうもの。 「我々も、それで前に進めなかったのです。私、独りではとても入れませんよ。 「お気を付けて下さい。 ○洞くつ 「君はここに一人で?すごいなぁ。ここは、灯してある聖火のおかげで、魔物の心配はない。 「一晩泊まっていけよ、な? 「むりするなよ。 ○リハマロの塔 「ぶつ・ぶつ・・。 プアー「うるさいぞ。お前も、この火に念を込めて、魔物の航海の安全を、祈れ! 「だからなぁ。!?お、おまえは!! 「なぜ、ゆうしゃがこんな所に!? 「ムヒョ。オレ様を追って!? 「そうか、種火を取り戻しに来たのか。 「もう火をつけちまった。この火は、数10年は消えん。 「これで、海の上で魔物の迷子が、なくなるってものよ。 「それに壊れてた灯台を、復活させてやったんだ。感謝してもらいたいほどだ。 「種火は、もう必要はないから、欲しいなら持っていけ。 「だが、生きて帰れると思うな!野郎どもで、やっちまえ! 「ウヒョ、はやり、ざこでは勝てぬか。 「これでは、だんなに合わせる顔が、ねえじゃねえか。 「これで勝ったと、思うなよ!!このかりは、必ず返してやる。 ○トトン 「何と、あのリハマロの塔から種火を、持ちかえってくれたのかぁ? 「ありがたやぁ、ありがたやぁ。 ○ゴドワン 「すごいですね。さすがは、オルフスールの戦士。 「しかし、盗賊らも、灯台を直してくれるなんて、いきなことをしますね。 「おお、それじゃ。それじゃ。王もお喜びじゃろ。 王「そ、それは、その火は、メキヒの種火なのか!? 「さすがじゃ、さすがは、オルフスールの、選ばれた戦士じゃ。 「よし、この火で付け直し、武術大会の始まりじゃ。 「ゆうしゃよ。宿に泊まるなりして、体力を回復してくるのだ。 「用意ができたら来るのじゃ。よいな。 「よし、武術大会の始まりじゃ。 「これより、第四十八回の武術大会を、とり行う。 「魔物が増え、物騒な世の中において、 「世界一の戦士を決める、この大会は、多分に、意義のあることだと思う。 「体を鍛え、魔法を磨き、剣術を覚える。 「予選で負けた者、あるいは、この大会を見るために来た者も、次回のこの大会への参加、 「また、魔物から身を守るためにも、己を鍛え、己を磨くことを、わしは願う。 「では、予選を突破した、この8選手を紹介しよう。 「まずは、ツフじいじゃ! 「体力は衰えたが、まだまだ魔力では、若いもんには負けんであろう。 「そして、なんと、次の二人は、双子での出場じゃ。これは、大会始まって以来の快挙じゃ。 「双子の兄妹武道家、トーイ、モーニじゃ。 「さらに、モーニは、女の身でありながらの、決勝出場、見事じゃ。 「彼は、戦士、いや、剣士と呼ぶが良いじゃろう。剣士キヌノじゃ。 「この8人中では、一番の剣の使い手じゃろう!! 「彼は、あの、オルフスール城の選ばれた戦士、ゆうしゃじゃ! 「彼には、この大会を始めるにあたり、いろいろ手伝ってもらった。 「いろいろじゃ! 「自称闘士の、リフゲイ! 「今大会の予選では、圧倒的な力を見せてもらった。 「今大会、ナンバー1の、パワーの持ち主じゃ。 「覆面レスラー、モマヤルツ! 「第四十回の大会優勝者の、あのタカビとは、友のおじだと言うことだ。 「素早さと、強気が持ち味だそうじゃ。 「言うまでもなく、彼は、前回の優勝者、フロイド・トーヤー! 「以上の8人じゃ。 「優勝者には50万ゴールドと、わしの後ろの、この城に伝わる、伝説のカロシスの剣をつかわす。 「対戦カードは、次のようになっておる。 「皆の者、全力をつくし、精一杯がんばってくれたまえ。 けんし キヌノ ぶどうか トーイ とうし リフゲイ レスラー モマヤルツ ゆうしゃ ゆうしゃ せんし トーヤー ぶどうか モーニ まほうつかい ツフ ピンポンパンポン 「城内のみなさま。これより、キヌノ対トーイ戦で、ございます。 ピンポンパンポン 王「おお、ゆうしゃではないか。こんな所に顔を出すとは、余裕じゃのう。 「わしの後ろに燃えているのは、正真正銘のメキヒの火じゃ。 「そのとなりの剣が、あのカロシスの剣じゃ。 「この大会の優勝者に、この剣が加われば、鬼に鉄棒、いや、かな棒じゃ。 「伝説の剣、見たことあるが、あまりキレイな物じゃないなぁ。 「まあ数百年前の物、だそうだからしょうがないね。 「行けー行けー、がんばれー。 「もっと、かっこいい男は、出てこないかしら。 「ずっと最初っから見てたから、足が痛くなっちゃった。 「近頃の若いもんの戦いは、力だけで見ていてつまらんのぅ。 「二人とも、負けるでねぇぞ。 「二人とも、ガンバレ。 「二人とも負けるなー。 「なんかオレの方が強く感じるが、やつらに、負けたんだしなぁ 「う〜む。好カードだ。 「むー、私もあそこに立ちたかった。 「まあ、あなた、決勝の、ゆうしゃじゃありませんか。感激、がんばってくださいね。 「このカッコが、あなたの、故郷の兵士に似ているんですか。 「でも、これは、自分で作った物ですよ。 「ここの兵だから、試合に出ずに、警備員をやっています。 「おや、あなたは、ゆうしゃさん。試合がんばって下さいね。 「畑でつちかった、この筋肉。いつかは、あそこで・・。 「どうも、こう言った大会は、男中心でつまらんね。 「リフゲイと言う男、形は人間しているが、肌の色が気に入らん。 「俺は、リフゲイにがんばって欲しいな。あの、毒々しさが良いぜ。 「あいつ、なかなかやるな。 「うつらうつら。 「子供を連れて来たのはいいが、この子は、こう行った争い事は、嫌いなようだ。 「がんばれー。 「わーい、わーい。いけー、いけー。 「若い、若いぞ、みんな。 「わしは、第二回の時、アラキに負けてしまったが、もっといい試合をしたぞぃ。 「イッケー!! 「ガンバー!! 「人は、なぜ傷つけあうのか。おお、神よ。 「ほらっ!行けっ!行けっ! 「きゃー!ガッバッテー!! 「わしらは、優勝者の、キャラクター商品を作って、一山もうけようと考えてんだ。 「しかし、この大会で優勝しても、この世の中のナンバーワンとは、言えないだろうな。 「例えば、あの大戦士クイトとかね。出てないもんね。 「くーくー。 「こいつが、寝てばっかだから、おらっちもねむく・・ふぁー。 「何だよ、試合見ているときに、話かけるなよ。 「わしゃ、あっちが勝と思うんじゃが、このじいさんがのう。 「こっちの者が、どう見たって強いじゃよ。のう、若いもんよ。 「すでに、予選は終わりました。現在決勝が始まっています。 ジハト「おいら、来るのが遅くて、予選が終わってしまっていた。 「次は、絶対出てこの怪力で必ず勝つ。 「勝てるといいけんど。 「まだ、ゆうしゃどのの、出番ではないですよ。場内でおまち下さい。 モーニ「トーイ兄ちゃんが、今戦っているの。 「でも、君、たいへんだねぇ。初戦から、前回優勝のトーヤーだもんね。 モマヤルツ「リフゲイ?ちょろいちょろい。オレ様が、初戦で倒しちゃる。 ツフ「フォッフォッフォッ。まだ、若いもんに負けんぞい。 「それに、相手が、ピチピチギャルときたもんじゃ。 リフゲイ「おまえが、オルフスールの代表か。ふふふふ。 「ゆうしゃ。最後まで残れよ。ふっ。 トーヤー「小僧。あのオルフスール城の、選ばれた戦士とは、なかなか、やるんじゃろうなぁ。 「せっ者は、手加減ということはできぬたち。やめるのなら今のうちだぞ。 「いらっしゃい。 「参加者用にいろんな物を、出来るだけ、扱っているつもりだよ。 「私の弟が、予選でリフゲイという者に、ひん死にされてしまった。 「どうか、神のごかごを。 ピンポンパンポン 「城内のみなさま。ただいまの、キヌノ対トーイ戦は、トーイの快勝でした。 「これより、リフゲイ対モマヤルツ戦で、ございます。 ピンポンパンポン 「さすがトーイどの。かるく、1回戦突破だ。 キヌノ「予選の組み合わせが、良かったのか。トーイには、手も足もでなかった。 トーイ「あんな武器に、頼っている男にゃ、負けないよ。 モーニ「さっすがは、トーイ兄ちゃん。でも、決勝で勝つのは、あたし。 「君も、がんばってね。 ピンポンパンポン 「城内のみなさま。ただいまの、リフゲイ対モマヤルツ戦は、リフゲイの圧勝でした。 「これより、ゆうしゃ対トーヤー戦で、ございます。 「武術大会、決勝進出のゆうしゃさま。お急ぎで、選手控え室までお越し下さい。 「出番でございます。 ピンポンパンポン 「ゆうしゃさん。おくの階段へどうぞ! 「ゆうしゃどの。あなたは、おくの階段からです。 モマヤルツ「リフゲイ?強い強い。てんで相手にならない。オレが、初戦で負かされたよ。 「ゆうしゃどの。がんばってください。 せんしトーヤーをやっつけた! 「ご覧のように、ゆうしゃの勝ちになりました。 ピンポンパンポン 「城内のみなさま。ただいまの、ゆうしゃ対トーヤー戦は、ゆうしゃの勝利でした。 「これより、モーニ対ツフ戦で、ございます。 ピンポンパンポン トーヤー「これはおどろいた。完敗でござった。 トーイ「モーニは、俺と一緒に修行してるんだ。 「あんなじいさんにゃ、負けるわけないよ。 ピンポンパンポン 「城内のみなさま。ただいまの、モーニ対ツフ戦は、モーニの若さの勝利でした。 「これより、トーイ対リフゲイ戦で、ございます。 ピンポンパンポン モーニ「次、君とだね。負っけられないから。 ツフ「相手が、女相手じゃ、力が出んじゃった。 「しかし、いいのう。若い女の体は。もほほほ。 ピンポンパンポン 「城内のみなさま。ただいまの、トーイ対リフゲイ戦は、リフゲイの圧倒的な勝ちでした。 「これより、ゆうしゃ対モーニ戦で、ございます。 ピンポンパンポン 「あのトーイどのが負けるとは、信じられん。 トーイ「な、なんなんだよ。あのリフゲイって奴は。あのかたい肌。あの目。人間か? 「負けたから、いっている訳じゃねえからな。 「モーニは少しは魔法が、使えるから大丈夫か・・・。 「ああ、その前に、おまえがモーニと、戦うんだったな。 ぶとうかモーニをやっつけた! 「ご覧のように、ゆうしゃの勝ちになりました。 ピンポンパンポン 「城内のみなさま。ただいまの、ゆうしゃ対モーニ戦は、ゆうしゃの勝利でした。 「これより、ゆうしゃ対リフゲイの決勝戦で、ございます。 ピンポンパンポン モーニ「負けた、負けちゃった。でも強いんだ。君。 「でも、決勝に残っただけでも、少しお金もらったから・・いっかな。 トーイ「すごいな、おまえ、モーニをたおすなんてなぁ。 「最後、リフゲイ戦、ここまで来たらがんばれよ。 とうしリフゲイをやっつけた! 「優勝!優勝!ゆうしゃ!優勝です。 ピンポンパンポン 「城内のみなさま。第四十八回武術大会は、 「オルフスール代表の、ゆうしゃが、見事、リフゲイをやぶり、優勝しました。 「これより、表彰式でございます。 ピンポンパンポン 「ゆうしゃどの。おめでとうございます。 「表彰式でございますよ。さあ、下の階段より、上へ。 「おつかれさまでした。 「さあ、上へ。ゆうしゃどの。 「これより表彰式、及び閉会式を行います。 王「皆の者。よい試合を見せてもらった。ありがとう。 「準優勝のリフゲイは、どうした!?まあいい、時間がない。 「・・・・・コホン。 「優勝者、ゆうしゃ!! 「優勝したゆうしゃには、50万ゴールドと、あの伝説の勇者、カロシスが、残した剣を授ける。 「この剣を使い、少しでも、この世の平和を、築いてくれたまえ。 「いや、ゆうしゃなら、できるであろう。 「これ、剣をここへ。 「ゆうしゃどの。これが、勇者カロシスの剣と、賞金50万ゴールドです。 「おめでとうございます。 王「うむ、ゆうしゃ。受け取るがよい。 リフゲイ「この剣はもらっていく。ふっ。ルーラッ。 王「な、何ということだ。剣が盗まれるとは、しかもこの面前で。 「それと、この7人の賞金、合わせて8万ゴールドと、共にでありまして。 モーニ「じょうだん。じゃあ、お金、もらえないのぉ? キヌノ「本当かよ。せっかくここまで来たのに。 トーヤー「あいや、せっ者は、この金を家の再建にと、思っておったのに。 王「みなの者、静まれ!これは、立派な犯罪である。 「まさか、もしや、あの盗賊の仲間では・・。 「非常事態じゃ。そう言うことで、優勝は、ゆうしゃ!! 「これで、第四十八回武術大会を、閉幕する!! 「ゆうしゃ、すぐに、私の部屋に来てくれたまえ。 「ただ今、ここの掃除中。 「みんな、ごみを散らかしていくので、かたずけが大変さ。 「ところで、西のコビアキムル城の兵には、気を付けろよ。 「理由はよく知らないが、今、ゴドワン関係のものに、けいかい心を、いだいているようだから。 「ゆうしゃどのではないか。大会が終わると、昔は、ひまになったんだがなぁ。 「ゆうしゃどの、リフゲイは、見つかりましたか。 「また、何か、武術大会以外の事をやる時も、来て下さいね。 「優勝者が来ると、盛り上がりますから。 「すでに、第四十八回武術大会は、終わりました。 「優勝者は・・あれ、ゆうしゃさんじゃないですか。 「伝説のカロシスの劔、残念でしたね。盗まれるとは。 「リフゲイは、何者だったんだろうな。 「とにかく伝説の剣が、ほしかったんだろうな。 「怪鳥につかまって、北西に飛んでいったぜ。本当、何者なんだろなぁ。 「ゆうしゃさん、王が、お呼びです。王室の方へ。 「オルフスールの戦士どの。わたしの知っている限りでは、 「勇者カロシスのかぶとは、北の大陸の城壁町ローシに、あるとききます。 モーニ「パパの病気、どうしよう。お金・・。 トーイ「他の参加者は、あきらめたが、俺は、俺たちは、親父の病気を治すために。 「絶対、お金を手に入れなければ。 「まずは、王の話を、聞いて下され。 王「ゆうしゃよ。おぬしに、一つ聞きたい事あるのじゃ。 「おぬしは、勇者カロシスの、生まれ変わりではないのか。そうじゃろ? 「やはり。 「もっと早くに来ておれば、大会の商品としてでなく、おぬしに剣を渡せたのだが。 「成り行きで、優勝商品にしてしまったんじゃ。 「ゆうしゃよ。おぬしの力がかりたい。 「おそらく、リフゲイは、盗賊の一味じゃろう。 「あるいは、その中の、魔物かもしれん。 「聖なるメキヒの種火を、盗んだのは、あれが邪を、拒むものじゃからじゃろう。 「その聖火の前で戦えば、本来の力が出せんからの。 「と、なれば、その者に伝説の剣を、持たしておくわけにはいかん。 「後ろのトーイ、モーニは、リフゲイを、追うという。 「おぬしも、共に行くのだ。行って、リフゲイを捕らえてくるのだ。 「これは、少ないが、今出せる城の金じゃ。 「魔物なら倒してかまわん。たのんだぞ。 トーイ「よし行こうぜ。優勝のゆうしゃが、いれば!! 「リフゲイめ、みてろ。 モーニ「リフゲイを倒すことより、お金を取り返すことが先。 「パパ、お金があれば、すぐ元気になるわけじゃないし。 「ゆうしゃ。いそご。 王「気を付けてな。 「ゆうしゃ。陸にそい北西に行くと、コビアキムル城があるのじゃが。 「実は、そこの兵に、この国の国宝、白竜の眼という、宝石を盗まれたのじゃ。 「コビアキムル城の方でも、王のコレクションの一つ。 「銀のマルス像が、我々の兵によって、盗まれたというのじゃ! 「おかげで、仲が悪くなっている。この世の中に、人間同士で、いがみ合っている時ではない。 「むろん、わしらの仕業ではない。 「なにも言わぬがこの事で王は、かなり心を痛めていられる。 「ゆうしゃ。城に入ったら、それとなく探ってみてほしい。 「これは、ゆうしゃさん。 「リフゲイという男、城の外で、ばけもの鳥に、つかまってにげました。 「それにしても、優勝、さすがでしたね。 ○トトン 「予選で俺と戦った、モーニは、結局ゆうしゃと、言う者に負けてしまったよ。 「応援していたんだがな。 「ここより、北西に、この地で一番と言われている、火山があります。 「今は、休火山ですが、ガスが出ていて危険ですよ。 「ほらほら、そこの君。武術大会は終わったんだから、ちゃんと仕事しなさいよ。 「なに、あなたも武術大会出たの!? 「え、あの、あなたが、ゆうしゃさまなの!?さすが、かっこいいわぁ。 「トーイ、モーニ。残念だったわね。 「けど、お母さんは、二人が元気なだけで十分。 「聞いたわよ。リフゲイって男が、みんなの賞金も、持っていってしまったのでしょ。 「あなたたち、彼を追うつもりでしょ。止めるだけむだね。 「無理はいけないわよ。泊まって行きなさい。 「トーイ、モーニ、気を付けるのよ。 ○オルフスール シャウク「ゆうしゃ。うちよ、うち。覚えていて? 「よかった。 「あなたのおかげで、オリマビルグの町は元どおり、キメラの数も増えてきたわ。 「今度は、うちがお手伝いしたいの。 「ついてっていいでしょ。 「うん、お金稼ぎならまかせて。 王「どうじゃった、武術大会は。 「優勝!!見事じゃ、見事じゃ。して、伝説の剣とやらは。 「なに、リフゲイと言う者が!何と言うことだ。して、そいつを今追っているんじゃな。 「気を付けるのだ。ゆうしゃ。この世界は、お前と共にある。