○塔 「わたしは、物持ち兼ボディーガードです。 「そう言えば、怪鳥につかまり、西の山を越えていく変な男を、見ましたぞ。 商人「わたしは、この塔より、西へ行く者に、ガス玉を売っている者。 「となりは、物持ち兼ボディーガードです。 「客人、西に行くのですか?ならば、ガス玉を、一つ1000ゴールドで、売りましょう。いかがです? 「はいどうも。きみ、ガス玉を。 「だんな様、それがもうございません。 商人「何と、客人、そう言うことだそうで。 「ガス玉を持ち、この塔のてっぺんより、とびおりれば、西の山々をも、こえられるのだが。 「良いことを、お教えしよう。ガス玉と言うのは、北の、エブレ山の洞くつの一番おく。 「ある、一ヶ所に、小さな水たまりがあり、その周りに生息している、メーダロードのいぶくろの事。 「ガスの多い所での生息で、ああなっちまうんでしょうなぁ。 ○封印の洞くつ 「プルプル。ぼくらは見張り。ここに近づいちゃだめだよぉ。 「この壁の向こうは、ものすごいモンスターで、いっぱいというぞ。 「ここの封印が、もし解けたらと思うと・・・、オオ、ぞっとする。 「こんな所の監視なんてやめて、北の村に帰りたいよ。 ○ケヒリミクキ 「ガウウウウ。 「ここに、外の人が来るのは久し振りだ。昔は、ここは大きな町だったが。 「村の北に見える城があるだろ。 「あそこに、魔物の大将がいるみたいだ。ものすごい魔物が、飛び回っているぞ。 「今、みんなは、真南の一つ岩山のすぐ西に、隠れ住んでいるよ。 「ぼくは、ここが好きだ。 「北に見えとる城じゃがの、古代よりのものじゃが、人が栄えた記録はないのじゃ。 「一体、いつ、誰が建てたのやら。 ○隠れ村 ・昼 「や、どう、君もここで暮らさんか? 「おらは、旅の者だったが、10年前ここに来て、この平和、この緑。 「すぐに、好きになってしまっての。 「旅の方、お疲れでしょう。せまいですが、一晩どうです? 「どうぞ、ごゆっくり。 「旅路、お気を付けて。 「ヒンヒヒーン。 「プルプル。さっき、大きな鳥に、つかまって飛んでいく、男の人を見たよぉ。 「あんなの初めてみた。北西の方に飛んでいったよ。 「わてらは、昔から、自給自足の生活じゃ。そやから、争いごとも何もない。 「わては、ここが好きじゃ。 「年々この村の人々は、減っていますわ。 「そのうちこの村は、なくなってしまうでしょうね。 「確かに、西には、コビアキムル城という、立派な城がある。 「私たちの先祖の中には、西に行こうとした者もいる。 「しかし西には、争いがある。何故、人どうしで、あらそわなければならない。 「それにここは、モンスターも、比較的おとなしい。 「だから、ここを出る理由がない。 「あら、男の人。あなたここに残らない。 「いま、見ての通り、いい男が不足しているの。 「この西に行き止まりの、洞くつがあるじゃろ。 「実はあの洞くつは、わしらの先祖が、西に、行こうとほったものなんじゃ。 「じゃが、魔物の洞くつにぶつかり、ものすごい魔物たちがあらわれ、 「北の、先祖が住んでおった、ケヒリミクキの町は、全滅したんじゃ。 「今はその洞くつは、封印してしもうた。その封印も、弱ってきておるのは確かじゃ。 「壁の向こうに、もう一つ、『未完の土人』と言う壁も、あるらしいのじゃが。 「旅の方。歩いて西はいけん、いっちゃいけん。 「プルプル。ぼくは、いいスライム。人と一緒にいるのが好きなんだ。 「でも、外の人たちは、恐い。ぼくらを見ると、いじめるんだよぉ。 「そなたら、ここまで何で来なすった。船かの? 「は?よく聞こえんじゃったが、船ではないと・・。 「東から歩いて来たのか。これ以上西は、歩いては行けんぞ。 「ったく、ちかごろのよそもんは・・・。 「ね、西の洞くつのこと知ってる? 「大きな声じゃ、言えないけど・・・ 「実は、ぼくあの中を、探検して、西に行ってみたいんだ。 「この村を出たいんじゃなくて、 「大人は、みんな、この村がいいと言っているけど、自分で見なくちゃ、どういいか、わからないもんね。 「ここの長老が、封印した笛を持っているんだよ。 「お兄ちゃん達も、西に行きたいんでしょ。 「連れってってくれるんなら、笛の場所、教えてあげるよ。 「よし、じゃあ、今日のよる。教会の近くでね。 ・夜 「グーグー。 「ンゴーンゴー。 「コックリ、コックリ。 「すーすー。 「スピースピー。 「よく来たね。ゆうしゃ兄ちゃん。ぼくの名前は、サンチュ。 「まず、長老の家に忍び込むよっ。ぼくに、ついて来てっ。 「このたんすのおく、調べてみてよ。 サンチュ「さあ、西の洞くつへ、行こう。 ○封印の洞くつ 「ほら、サンチュ。またぁ。この辺であそんじゃいかんて、言っているでしょうが。 サンチュ「あ、夜もいたの。 「いたのじゃない。さ、来るんだ。 「今日こそ、おじいさんに、しかってもらわにゃ。 サンチュ「ちぇ、じゃあ、ゆうしゃ兄ちゃん。気を付けてね。 「ウウー、ウーーッ!ワタシハ、ゴー・、ゴーレ・、ゴーレム・。 「ワタシハ、コノカベト、トモニツクラレタ・・。 「ワタシハ、ウマレ、チカラヲハッスルマデ、ジカンヲヨウシタ。 「ソレマデ、カベデココヲ、フウジテイタ。 「ワタシヲ、オコシニクルノガ、マチドウシカッタ。 「ココハ、マモノヲ、トオサナイ。 「コノドウクツナイナラ、ワタシガ、タスケニイケル。 「ココハ、マモノヲ、トオサナイ。 「コノドウクツナイナラ、ワタシガ、タスケニイケル。 ○コビアキムル 「ん!?ゴドワンから来た者だなぁ。 「ゴドワンの者は今は、入れちゃいかんという、王の命令が出ている。 「帰れ帰れ。 「ゴドワンの武術大会に、出てた人たちだね。 「だが、兵でなくても、ゴドワン関係の者は、入れるわけにはいかんのだ。 「わるいなぁ。宿には、橋をわたって北西に行くと、ガイコビアの町がある。 「そこまで、気を付けて行ってくれ。 「あんたらも、ゴドワン城から来なさったね。 「その二人の服装でわかるよ。それに、たしか、武術大会に出てなかったか。 「この城は今げんじゅうでね、とくにゴドワンからの者は、絶対入れんとさ。 「何でも、ゴドワンの兵が、国宝の銀のマルス像を、持っていったせいらしい。 「でもここだけの話、魔法の鍵があれば、裏から入れそうだよ。 ○ガイコビア 「ここは、ガイコビアの町。かつてはここが、国の中心だったそうだ。 「姉が、魔物におそわれている所を、助けていただいた戦士が、 「今ひんしで、宿の一室で寝てますわ。 「たしか、マンセム様と言ってましたが。 「おお旅の方、先日面白いものを見ましたぞ。 「怪鳥の足につかまり、真北のマログリフルの方に、とんでいく男を見ましたよ。 「ああいうのが、はやっているのかねぇ。あははは。 「ここは、数百年前は、城だったそうじゃよ。 「何でもその頃、今のコビアキムル城は、はいきょだったそうじゃ。 「いや、びっくりしたよ。 「ここから、ま西。湖の対岸、イフットスの村に行ったんだが、ひとっこ一人いない。 「天才少女、タルスがいるって聞いてたのに。 「いらっしゃいませ。一晩一人10ゴールドに、なっております。 「おとまりは、上へどうぞ。 「びっくりしましたわ。 「わたくしが、魔物におそわれている時、 「このかたが、天からふってきて、魔物を、押しつぶして下さったのです。 「でも、相当高いところから、落ちてきていただいたらしく、この方が大けがで、。 マンセム「・・おお、ゆうしゃ、さがした・ぞ。会えてよかった。 「恥ずかしい話。・・ゆうしゃを、追って城を出たところ、空とぶ魔物に捕まって・な。 「ふりほどいたところ、ここに落ちてきたってわけだ。 「さすがの私も動けん。す、すまん。力になれずに。 「ヨーリアには、知らせないでくれ。これ以上、心配はかけられんから。 「リフゲイ!?さあ聞いたことはないが。 「金を取り戻すより、病気、ケガをなおすなら、もっといい方法があるぞ。 「この町の南西の山道をこえ、すぐに南西。 「そこにある洞くつの中に、どんな病気でもなおす、いのちの草っていうのが、あるって話だ。 「人は、その罪ゆえ、病気で苦しみ死んでいきます。 「でも、心清き者の為に、神は、この地に清き力の持つ草を、お作りなっています。 「それが、命の草なのです。でも、今は清き心を持った人が、減っています。 「それと共に、草も減っています。残念です。 ○イフットス 「ワワッワン、ワワン。 「クワンクワン、クワーン。 「ワン? 「ワオーーン。 「クゥーンクゥーン。 「ヴォン、ヴォン。 「ワンワン。 「クゥーーゥン。 「クオーン。 「バウワウ、バウワウ!! 「ワンワン、ワワワン。 「バウ、バウバウバウ。 「!?クゥーンクゥーン。 「お〜〜〜お〜〜〜。ひとじゃ。ひとじゃ。 「先日、朝起きると、人が、一人もいなく、犬ばっかりに、なっておったのじゃ。 「お〜〜〜お〜〜〜。みんなでどこに、遊びに行ったんじゃぁ!? ○ホルフ 「この国のどこかに、勇者カロシスの母ぎみが、眠る地があるそうじゃの。 「ここは、一応、ホルフの町よ。 「あの塔の下が、町ですわ。 「入るなら出れなくなっても、いい様にしてからの方が、いいですわ。 「今、何も見えなくてよ。 「おじいちゃんたら人にあうたび、同じ事を言っているのよ。もう。 「私は、旅の商人なんだが、ここの町長とは、知り合いでね。 「何でも、伝説の勇者と共にこの地を、救った僧侶ゼルクという方の、 「預かり物を、だいだい受けついでいると言う。 「この地に再び勇者が現れた時、わたすんだって。 「どうしても、売ってもくれんかったし、見せてくれんかった。 「はるか昔、ここは魔物におそわれ、一度死んだ村。 「その時から、地下に町を起こした。 「しかし、その大きな町を、灯していた、サフシミの聖火が、盗まれてしまった。 「その聖火で、長年生きてきた町人は、今、冬眠状態に、なってしまっている。 「起こすには、サフシミの種火が、どうしても必要だ。 「誰か町の人々を救ってくれ。 ○マログリフル 「ここは、マログリフルの村だ!ほとんどの町人が、この建物にいる。 「わんわん。 「右にある塔は、パルプンテの塔と呼ばれておる。ほんに変な塔じゃよ。 「このてっぺんの宝箱を、取りたいんだが、一人も成功した者はいない。 「さわろうとすると、いつの間にか、村の外に出ているんだ。 「みゃんみゃん。 「このごろ、仕事がうまくいかなくってよぉ。 「おい、知ってるか。勇者が、オルフスール城より、旅立ったっていう、うわさ。 「本当だったらいいけどな。魔物らは、どんどん強くなってるぞ。 「おじいさんのおじいさんの、おじいさんの話によると、むかしここには、かじやさんがあったそうです。 「そのかじやさんは、勇者の手伝いをして、有名になったそうな。 「今でも、その子孫が大海のどこかで、勇者の来るのをまっているとか、いないとか。 「私は、神の教えを説いている者。神に願いがあるのなら、上にあがって下さい。 「いらしゃい。バーへろへろです。 「イフットスの村に、行かれました? 「あの村の南東に広がる湖って、竜のあたまに見えません? 「この国はこう見えても、結構ゆうふくなんだぜ。 「なんたって、南の離れ島に金鉱があるもんな。 「ルフルのはかの中には、魔法のかぎがあるらしい。 「伝説となっている勇者が、使っていた物なんだろうな。 「そういやぁ、さっき、妙な男と鳥がそのルフルの方に、降りていったなぁ。 ○ほこら 「ここは、ルフルという村が、あったところだ。 「妙な男と鳥ですか?先程、墓の中に入っていった、者たちのことですな。 「ええ、あの中でしょう。しかし、あの中で何を、しようというのだろう。 「みゃ〜ん。 「旅の方。 「このほこらは、この地を、救ったあのカロシス様と、イミルフ様の肉親の、お墓らしいのじゃ。 「ありがたや、ありがたや。 「じゃが、先ほど、妙な者が、大きな鳥と共に、中に入ってしまったのじゃ。 「中をあらされていなければ、よいがのう。 「クケケケケ。 リフゲイ「ゆうしゃか。剣と賞金を追って来るとは、なかなかがめつい奴だな。 「だが、剣も、賞金もすでにちがう所だ。 「ここは、カロシスの母のはか。 「ほかにも、きゃつの装備が、眠るかと来てみれば、もぬけのから。 「とんだ、むだ足だったわ。 「きさまが、あの剣と、どのような関係があるか、知らんが、 「じゃまを、してもらっては困る。 「そうそう、プアーが、たいそう、世話になっているそうだな。 「その礼をしてやろう。 「武術大会の様には、いかんぞ。 ○オルフスール トーヤー「ゆうしゃどの、久し振りじゃ。 「せっしゃのこと、覚えておいでか。武術大会決勝、第一戦での相手のトーヤーじゃ。 「聞けばゆうしゃどのが、この地を救わんという勇者と、いうではないか。 「この酒場を、利用していると聞き、参上したわけだ。 「せっしゃの家系に、代々つたわる。 「せっしゃは勇者を、助けるよう、運命づけられている者。 「ぜひ、お供したい。どうかの? 「せっしゃ、必ず、やくにたつようがんばりますぞ。 ジハト「ゆうしゃ!?ほんもののゆうしゃ!! 「おら、武術大会、見てましたよ。 「一つ、おらを、仲間にしてくれないだか? 「おらは、タルソプちゅう所の金鉱で、働いてたもんだが魔物が増えて、廃坑同然になってしまって。 「魔物らを、けちょんけちょんに、してやりたいだよ。 「修行を、したいだよ。どうか? 「いいのか?ありがとう。 「よーし、ゆうしゃと一緒に修行するだよ。 「おお、そなた。よくここに入れた。 「10Gで、そなたに幸福を、授けよう。どうじゃ? 「よし、この者に、光りあれ! ○命の洞くつ 「ほほお。命をかけて、この場所まで来るとは、何かお困り事じゃな。 「なに、おぬしらの父親が病気。それで命の草を求めて、来なすったな。 「じゃが、わしの認めた者以外は、あげられんぞい。 「ホイ、目をよく見せなされ。 「ぬーーーーーー。 「うむ、よいじゃろう。この命の草を持っていきなされ。 「なんじゃ、ほかにも何かあるのか。 「友のマンセムと言う者が、けがでひん死というのか。 「ゆうしゃとやら、目をよく見せなされ。 「ぬーーーーーー。 「そなたも、よいじゃろう。この命の草を持っていきなされ。 「よいか、命の草は、この場所から出すと、長くはもたん。 「わしが、ここから、追いだ…外に出させてやろうぞ。 「たっしゃでな。ホイッ! モーニ「トーイ兄ちゃん。おじいさんの話だと、いそがないとこの草が・・。 トーイ「ん〜、ゆうしゃは、リフゲイの持っていった、伝説の剣を取り返さないとな。 「ゆうしゃ!・・・悪いが、俺たちは町に帰らせてもらう。 「第四十八回優勝者だし。 「大丈夫だよな。 モーニ「マンセムさんにも、いのちの草を届けておくから。 「ゆうしゃ、気を付けてね。 トーイ「んじゃ。 ○ガイコビア マンセム「ゆうしゃ。さきの連れの、トーイとか申す者に、命の草をいただいた。 「よ、よくきく薬だ。まだ動けんが。 「回復したら、必ず後をおう。ゆうしゃ。気を付けてくれ。 「私の看病で、よくなってきてますわ。ウフフフ。 「姉が、魔物におそわれている所を、助けていただいた戦士が、旅立たれました。 「まだ、完全に、回復してないというのに。 「あの方は、もう行ってしまいました。 「マンセム様。また、きっと会えるわ。 ○トトン 「トーイ、モーニは、立派な武道家に、なってくれるでしょう。 モーニ「あ、ゆうしゃ。よかった、元気そうで。 「ほらみて、パパの顔色。命の草とあなたのおかげね。 「ゆうしゃさんや。トーイ、モーニがお世話になったそうじゃのう。 「ありがとうございますじゃ。 トーイ「親父の回復ぶり、命の草だけのせいじゃない。 「モーニは、この頃、寝ずに看病しているんだ。 「親父は、絶対元気になる。