○コビアキムル ・城下町 「ここは、裏口ということになってます。 「しかし、悪意のあるものは、なんぴとたりとも、このわたくしが通しませぬ。 「この城の外に出てみたいなぁ。魔物となかよくできる世界に、ならないかなぁ。 「この城内は平和でいいわ。子供をのびのび遊ばせとけるわ。 「そっちからは、見えないでしょう。 「ん!誰だ、そこにいるのは。こっちからは見えないんだ。 「私は、この城下町を、無限に見回るもの。 「なぜかと言うと、巡回路が、無限(∞)なのだ。はっはっは。 「この先は、西の島、タルソプ島に行くための通路だ。 「金鉱のある島に、お前のような者を、通すわけにはいかん。 「おお、そこの人。どう思いますか。 「ゴドワンの者が何のために、銀のマルス像を、盗む必要があるのか。 「しかも、盗むのを見られるようにだ。 「何者かが、この城とゴドワン城の中を、悪くさせるためではないかと、考えられるのだが。 「どうも、この男の言っていることは、考えすぎに思えるが。 「わしは、ゴドワン城の挑発にも、思えるのじゃが。 「何にせよ、この城の銀のマルス像。ゴドワン城の白竜の眼。 「これを、見付けることができれば、何者が何を使用としているのか、わかるじゃろう。 「何言ってるのかね、この男どもは。 「あいつらの仕業さ、義賊とか言ってるけど、本当は、ただのコソドロなのさ。あの、海賊は。 「下の建物が、海賊の館だってさ。 「これより、コビアキムル城。 「王への謁見なら、まっすぐ、階段を二つ上がられい。 ・城内 「旅の方、ここは勝手口。あまり利用しないで下さい。 「この城の伝説の人に、あのイミルフの父がいる。 「この地を救った、勇者である子供二人のおかげで、父、アンドルは、 「この城の兵の、トップに伸し上がり、わがままをしていたそうだ。 「ガイコビア城も、今はホテルだが、その時は、アンドルどのの家だったそうだ。 「子供と妻は立派だったが、アンドルどのがねぇ。 「そのアンドルどのは、そのおかげか長生きしてねぇ。 「二人の装備はアンドルどのが、世界中に、売りバラまいた、そう聞いていますよ。 「ファー。魔物も夜は寝てくれると、楽なんだけどなぁ 「見回りも、楽ではない。 「以前は、一ヶ所のみの警備だったが、銀のマルス像が、盗まれてからはというと。 「伝説の人、大賢者モウニュ。勇者カロシス、イミルフ。僧侶ゼルク。スライム、ムルイ。 「そして、今は、この世界を歩む、大戦士クイト。 「オルフスール城のアラキ。カールの文学者ホンニン。 「ゴドワン城、武術大会前回優勝者、旅の戦士トーヤー。 「今回優勝者、ゆうしゃ。 「俺は、みんな知っているぞ。知っているだけな。会ったことあるわけないだろ。 「ここより二階上に、王様、女王様は、おります。 「旅の方々、くれぐれも失礼のないよう。 「アンドル様の話を、ごぞんじか。 「アンドル様は、伝説の勇者の父であり、 「共に旅をした、ムルイというスライムの、飼い主でもあったのです。 「妙に、くわしいおじじが、この城にいますよ。 アルン「♪ルフルフルフル。ルフルフルフル。 「昔からの歌ですわ。気にせぬようにね。 「レヌイス姉様?ええ、私のお姉様です。 「姉様は、剣の達人です。この城の誰よりも強かったです。 「今の世の中をみて、何かしなくてはと、勇者様を探す旅に出ると。 「あたしにそう言って、この城を出ていきました。 「ここより、西南の、オルフスール城の、アラキと、いう方を知っています? 「アラキ様のお知り合いなの?本当に?! 「その方が今、この地を救う、勇者様のお手伝いをして、予言を調べているそうよ。 「予言が全てわかれば、魔物たちなんか、やっつけられるかもね。 「ヒック。なんだい、なんか用か。ヒック。 「ここは、酒蔵さ。おれは、ここの監視を、ヒック、してるうんだぞぉぉい。 「ウー、ヒック。 「ここに、銀のマルス像は、保管されていた。 「だが、ゴドワン城の兵が、謁見の用で入り盗んでいった。 「この地のどこかに、勇者と共に旅をした、ムルイというスライムが作ったスライムだけの国があるそうだ。 「本当かねぇ。 「昔、この城にルラミトの石が、ありました。 「その石は、雄と雌があり、雄石は、雌石の残した光に、とんで行ける力を持つのです。 「それを使い、どこかにいた、占いじじの所に、よく占いをしてもらいに、行ったということです。 「こんな所をうろつくとは、怪しい奴。早々に立ち去れい。 「この城より、真南。海を、越えての、マダルカル城が、全滅しているそうだ。 「あれだけの兵がいての、この始末。 「魔物らが本気を出したら、人間はひとたまりも、ないってことだなぁ。 「王には、二人の姫がおられます。 「レヌイス姫と、アルン姫です。 「レヌイス様は、昔から、じっとしておられるのが、きらいな方で、 「妹君のアルン姫とは、正反対のお方です。 「レヌイス姫は、とても剣の扱いのうまいお方だ。 「この城一だろう。 「王は、ご機嫌斜めであ〜る。 「これ以上、機嫌を悪くされては、わしら、家臣の者どもが困る。 「失礼の無いようにな。 王「そなたらは、ゴドワン城での武術大会に、でていた者じゃな。 「なぜ入れた。ったく門兵は、なにをしておったのじゃ。 「たしか、優勝の、ゆうしゃとか申す者だな。 「ゴドワン王に何か言われて、来たのか? 「白竜の眼などという、宝石など知らん。我が国の、銀のマルス像を早く返さんと、戦争をもあるぞ。 「もうよい、早く下がれ。下がらねば、引っ捕らえるぞ。 女王「ゆうしゃ。いい名ね。 「王の言うことを、気にせぬようにね。ゆうしゃ。 「頭に血が、のぼりきっているのです。 「ゴドワンの王のせいでも、兵のせいでもないことぐらい、わかっているはずです。 「しかし、誰かのせいにしなければ、いても立っても、いられないのでしょう。 「ゴドワン城の方が、あの銀のマルス像を盗んでも、何の徳がありません。 「白竜の眼という宝石も、同じ事。多分、何者かが、両国を戦争させようと盗んだか、 「あるいは、やみに売って、お金にしようとしたか。 「そうだとしたら、犯人は、海賊たち?! 「いえ、それも考えにくい。あの人たちはねぇ。 「すまぬのう、あの王の性格はなおらん。 「じゃがあれで、この国は立派に治めておる。 「王の血とでも、いうのじゃろうなぁ。 「レヌイス姫も、あの血を引いておるのじゃろう。 「困ったものじゃ。この城を出て、今はどこで何を、しておるんじゃろうかのぅ。 ・城下町 「君らは、この城のもんじゃないね。 「一つ頼みがあるんだが、どうだい聞いてくれるかい? 「そうか。銀のマルス像のことなんだ。 「城下町の者や城の者の中には、銀のマルス像や、白竜の眼を盗んだのは、 「おれたち海賊の仕業と、思っているやつがいるんだ。 「とんでもない、おれたちも被害者なんだ。 「こんな話、ここの者は、聞いちゃあくれない。 「信じてくれるなら、おれについてきてくれ。 「若頭にあって、力を貸してくれよ。 ○海賊の家 「よく来てくれた。とにかく、若頭のところまで、案内するから付いてきて。 「この方が、われらの頭、ハースラどのです。 ハースラ「我がこの家のあるじ、ハースラ。父にかわり、かしらになったばかりだ。 「なった早々のことだ。われらの本家、アルストの村が、 「リッチとプアーという、魔物をひきいる盗賊に、乗っ取られてしまった。 「村を見にいった、部下の話では、白竜の眼も銀のマルス像も、やつらが持っていったらしい。 「そこで、旅の方。どうだろう。部下は、魔物相手では全くお手上げ状態。 「君らに、助けてもらいたいんだが。むろん、礼はする。 「船、一せきでどうだ。 「よし、商談成立。ただ船にはあと3人しか乗れん。 「準備ができたら、来てくれ。こっちは、いつでもよいから。 「船には、あと3人しか乗れんと、言っているだろ。 「頼むぜ。ほんと。 「おれらは、昔から海をまたにかけて、生きているんだ。 「判らないことは、ないぜ。なんて、かっこよかったぁ? 「ね。スライム。 「プルプル。 「私たちの村は、ここから船で、南にいった所にあります。 「けど、変な盗賊らがおそってきて。 「確かにあそこは、隠れ家にするには、いい所ではありますけど。 「まあ、めずらしい。ここに、旅人がくるなんてね。 「けど本当、早く自分の家に帰りたいわ。 「我は、もう隠居じゃ。旅の者。かん違いなさるな。 「われらは、海賊といっても、悪人ではない。 「ここは、家ではない。一時的に住んでいるだけだ。我の村は、この真南。 「100年ぐらい昔は、アルストの村と呼ばれ、普通の村だった。 「海賊は、ごく一部の者だけだった。 「しかし、土地に恵まれない村は、いつしか皆、海賊稼業を、するようになっていった。 「中でもウィリーという者が、頭をしている時が、すごかったそうだ。 「その頃は、善人をもおそっていたという。 「今は、悪徳商人の船、いや、今は、海に出るのさえ大変だが、ご先祖のやってきた事の、つぐないをしているつもりだ。 「ここが、船付き場だ。しかし、船も魔物に、だいぶ沈められてしまった。 「この下は、食料庫。もし、ここの食料が切れたら、ご先祖のように・・・いや、そんなことはいかん。 「ああ、早く帰りたい。 「魔物にやられて、仲間も減った。出稼ぎで、帰ってこない者もいる。 「魔物が海からいなくなるまで、この生活は、続くだろうなぁ。 「それに今は、白竜の眼と、銀のマルス像を、われらが盗んだと思われてるし、最悪だぁ。 ハースラ「いいかい? 「じゃ、行く前に簡単に、説明しておく。 「行路でも説明するが、我の村は、この真南。レーアオスト城の東に位置する。 「君らには、船を降りてから、助けてもらうことになろう。 「とにかく南だ。下に船が用意してある。では、よろしく頼む。 「若頭、ここは、異常ありません。 「ご安心下さい。 「ハースラ。われらは、ご先祖のやってきた事の、つぐないをしなければならん。 「我の体はもう動かん。頼むぞ。 「かしら、気を付けて下さい。絶対魔物のいる海の方へは、行かないでくださいよ。 ハースラ「ここからは、魔物が多い。 「アルストの村は、このまま南にまっすぐだ。 ○アルスト ハースラ「ここが、我の村だったんだ。いまは、・・。 「む、魔物がうろついている。 「そこの道をまがって、うらからいった方がいいかな。 「こんな所に、こんな物はなかったが・・。 「クケケケ。 「か、かしら! 「早く逃げて下さい。かしらがつかまっちゃぁ、おしまいだぁ。 「か、かしらっ! ハースラ「お前ら、出稼ぎと言って、出ていったんだろ? 「は、はい。しかし、どうしても、この村を、取り返したくて。 ハースラ「だが、われらの、今の力でだけでは、無理と言うことは、わかるだろうが。 「はい、ですが、がまんできずに・・。 ハースラ「・・・。 「かしら、盗賊らは、魔物とくみ、われらは殺されず、どこかへ、連れていかれるそうなんです。 「魔物らが、人を集めているらしいんです。 「・・・・・・。 「マネーッ! ハースラ「だいぶ荒らされている。こんなにつぼはなかった。 「ここが、かしらの部屋。我の部屋だ。ここにいないとしたら、地下しかない。 「一度、屋上に出ないと、地下には行けないな。あのつぼがジャマしてしまって。 リフゲイ「ゆうしゃ。お前もしつこいな。 「まさか、お前が、われら魔族の、ジャマをする、勇者だというのか? 「武術大会の時は、油断したがな。勇者の力は、あんなものなのか。 「いや、待てよ、勇者は・・・。 リッチ「初めてだな。ゆうしゃとやら。きょうでぇが、世話になったそうじゃねぇか。 プアー「リッチの兄ぃ。こいつ、オレのジャマばっかししおって。ムヒョ。 「ヨーリアを返せ〜〜っ! 「オヒョ?アウカクじゃないか。 「このうらぎり者め。きさまがうらぎったおかげで、キメラの翼独り占め計画は遅れ、 「このゆうしゃに、ジャマされてしまって。 リッチ「きょうでぇ、何だそりゃ。それで、旅人や、戦士らが、行ききできないようにとでも、思ったのか? プアー「オヒョ。兄ぃこそ、コビアキムルとゴドワンから、国宝を盗んで、 「両国を戦争させようと、したのでは?ムヒョ? リッチ「確かに、失敗したかもしれん。だが、金にはなった。 リフゲイ「・・・やはり人間には、任せておけん。 リッチ「だ、だんな。そう言わずここはこのリッチに、お任せを。だんなは、あれを。 プアー「ムヒョ。 リフゲイ「・・・・・・・。そうだな、こいつらは任せよう。 「ゆうしゃ。そういうことだ。この弟子どもが、相手だ。 「そうそう、ゴドワンでもらった剣な。 「この剣がわれら魔族を、おびやかすというので、持ってきたが、使い物にならん。 「こんな物で、魔族がほろぼされるわけがない。 「私の後ろにある。ほしけりゃくれてやる。 「野郎どもやっちまえ。 リッチ・プアー「ガッテンでい。 リッチは にげだした! プアー「ム、ムヒョ・・ッ。リッチの兄ぃも、変わっちまった。おれを見捨てるなんて。 「おとなしく、盗賊のかしらでもやってりゃ、よ・かった・よ。 「グフッ。 アウカク「プアー様っ。あ、いや、その、 「なんか可愛そうに、思えまへん。ホンマ。 ○海賊の家 ハースラ「ゆうしゃ。本当にありがとう。 「我、独りでは無論、部下をみな引き連れても、あいつらは倒せなかっただろう。 「リフゲイと言う、親玉格を逃がしたのは惜しいが、村が無事で良かったよ。 「とにかく、二階の我の部屋へ。 「おかえり、ハースラ兄ちゃん。村に帰れるんでしょ。 ハースラ「ああ、あっちの掃除が、終わればすぐにな。 「ワーイ、ワーイ。 「変な盗賊は、魔物の手下に、なっていたわけですね。 「まあ。アルストに帰れるんですの。 「でも、また魔物が、おそってこないかしらね。 「かしら、お帰りなさい。どうでした。 ハースラ「ああ、みんなのお陰で、村は取り返せたぞ。 「やった〜!! 「何と、あの魔物の住みかに、なりつつあったわれらの、家を取り戻せたんですか? 「やったー。さすが、かしらだぁ。 「ありがとうございました。 「かしら。やりましたね。 「村に帰れるのか!! 「でも、昔のような生活は、海が荒れている間は、出来ないって事だよな。 「ああ、昔に帰りたい。 「君たちに、頼んだほうがいいかなぁ。 ハースラ「ここでは何だから、我の机の所で。 「スースー。 「ありがとう、何と礼を言ったらよいか。 「え、魔物らを倒しちゃったの!? 「こんなローカみたいな所で、寝なくてすむー。 「グオーグオー。 ハースラ「しつこいようだが、ありがとう。時間はかかるだろうが、村はもとどおりに。 「更に、白竜の眼、銀のマルス像、泥棒の、うたがいもはれるだろう。 「銀のマルス像は、ゆうしゃから、王にかえしておいてくれ。 「礼は、船一せきと、5000ゴールドだよな。 「約束より多いのは、気にするな。我の心だ。 「船の用意は、出来ているだろう。ゆうしゃ、海の男として言っておく。 「海を甘くみるな。海でも迷子になる。必ず、わかっている町村に向かい、情報がないなら陸を離れるな。 「そして、我の部下にもよく話を聞け。皆、我より、海に詳しい。 「ゆうしゃなら、海の魔物にやられる心配は、ないだろうがな。 「ゆうしゃ。気を付けてな。また、一緒に、おお暴れしようぜ。 「ゆうしゃが、伝説の勇者の武器、装備を集めているなら、この島から真北に行ってごらん。 「倭の国という、唯一、異国語を話す、国があるから。 「そこに、前方後円墳と呼ぶ、太古の何かを祭った物がある。 「何か、伝説と、関係があるんじゃないかな。 「いいかい、真北だぞ。 「白竜の眼のようなよく知られている宝石を、金にかえるなら、やみのバザーしかないでしょう。 「かしらとよく行ったものだ。 「誤解しないで下さい。普通に買い物をするだけですよ。何でもそろっていますからね。 「ゴドワンの白竜の目は、結局なかったんですか。 「もしやつらが、金目当てで売ったなら、やみのバザーでしょう。 「ここは、海賊の水村。船の館だ。 「誰かと思えばゆうしゃどの。先は、世話になりました。 ○コビアキムル ・城内 「やや、それは、銀のマルス像。 女王「まあ、それは、銀のマルス像。王も、お喜びよ。 「さあ、王に渡してあげて。 王「そ、それは、銀のマルス像!!まさか、そなたらが・・・・ 「犯人だったのか!!何、ちがう! 「ふむふむ、プアーとリッチという盗賊が、 「海賊の村アルストを乗っ取り、これを盗み、両国を、戦争させようとしていたと!? 「・・・・・・・・。 「ファッファッファッファ! 「わ、わかっておったわい。あのゴドワン王が、そのような事をせん事ぐらい。 「今は、人同士、争っている場合ではないぞよ。ファッファッファ。 「ゴドワン城の白竜の眼も、そいつらじゃな。そうじゃな? 「では一つ頼むとしよう。白竜の眼を見付けたら、ゴドワン城に届けてやってくれ。 「下がってよい。 「おお、わしの銀のマルス像。会いたかったぞぃ。 「白竜の眼は見付かったのか。戦争が起きたら、そなたのせいじゃぞ。 「王の以前よりは、ご機嫌がようなりましたわ。 女王「王は、なんか、本当に、ゴドワン王の仕業と、思っていたみたいね。 「戦争に、ならなくてよかったわ。あなたたちのお陰ね。 ・城下町 「ここは、コビアキムル城。ゆうしゃどの。以前は失礼した。 「さ、通られい。 「やっと、自由に旅人が出入りできるよう、なりました。 「さあ、お通りください。 「わしは、ゴドワン城の方々に、詫びなくてはのう。 「おお、そこの人、私の言った通り銀のマルス像は、盗賊が盗んだそうですよ。 「みんな私の言うことを、信用しないから。 「あたしの思っていた通り。あいつらは、義賊さ。 「戦争の危機を、救ったんだからね。 ○ゴドワン 「そうか、コビアキムルの銀のマルス像は、見付かったのか。 「白竜の眼の方は、わからんのか。 王「ゆうしゃ、よくぞ戻った。 「トーイ兄妹の父は、なんとかの草とやらで、回復に向かっているそうじゃ。 「その顔では、リフゲイには、逃げられたみたいじゃな。 「じゃが、剣だけは、取り替えしたようじゃな。 「気を付けてな。 ○オルフスール モーニ「久しぶり、ゆうしゃ。元気そうで良かった。 「ごめんね、途中で帰ったりして。 「でも、お陰で、パパ、元気になったよ。 「ゆうしゃには、負けたけど、武術大会の、決勝まで行ったのは確か。 「少しは、役に立つと思うの。 「ついて行って、いいかなあ? 「行きましょっ。 トーイ「ゆうしゃ!久しぶりだなぁ。 「この酒場にいれば、ゆうしゃに、会えるって聞いたんで。 「ゆうしゃのお陰で、親父はほとんど完治したぜ。 「最近親父に、聞いたんだが俺たちの家系は、伝説の勇者イミルフの、遠い血筋なんだそうだ。 「そしたら、ゆうしゃの、手助けできる力は、あるだろう。自信はあるぜ。 「いこうぜ。