○ローシ ・城下町 「お前だな、ゴドワン城より連絡のあった、勇者ゆうしゃというのは。 「盗賊どものことで来たのだな。しかし、変なまねをしたら、たたきだす。 「さあ、通られい。城壁町ローシへ、ようこそ。 「・・・・。よそもんか。 「お前が、勇者?!よくいるんだ。そういうやつが。 「前に来た、勇者と名乗る者はひどかった。 「教会をはかいし、祭ってあった物を、持っていってしまったんだから。 「あんたはちがうだろうな! 「いらっしゃい。城の中は、安全だけど、外は危険。いい物を着ておきましょう。 「あら、でもここの人じゃ、ないですね。ごめんんなさい。 「よその人に売ると、王様におこられてしまいますの。 「わるいなぁ。ぼうず。 「王の命令で、よそもんに、武器を売っちゃいけねえって、言われてるんでね。 「そうさなぁ。10000ゴールド出しゃ、売ってやらんこともないぞ。 「どうだ? 「王の許可が出たら、売ってやるからな。 「ここから、東南東の、ムームムリの街には、この地を、救う勇者がいたと聞きます。 「しかし、子供のうちに、魔物の手によって、殺されたってうわさがあります。 「外にいるシスターの話は、おれも聞いたことがある。 「そしたら、この地は、あのクイトさんに、救ってもらわなきゃ。 「そういやぁ、クイトさん、しばらく見ていないなぁ。 「ね、大戦士クイトって知ってる?トーヤーって知ってる? 「僕おっきくなったら、二人のように強くなって、世界中を旅するんだ。 「息子は、戦士に、なりたいって言ってますが、私は、 「オルフスールのアラキ様や、カールの町のホンニンのように、頭のいい人になってほしいわ。 「ワンワン。 「プルプル。僕は、一度、スライムだけの国に、行ったことがあるんだよ。 「でも、このワンと一緒にいたいから、戻って来たんだ。 「この荒れた所が、教会だったんだ。 「勇者と名乗る者が、この城の中に入り、この教会をはかいし、 「祭ってあった、竜の心になると伝説のある、竜のハート像を、持っていってしまった。 「なんて罰当たりな者なんだ。 「竜のハート像と言ったら、石のはずなのに、脈を打っているかのように感じ、 「また、暖かさを感じる、とても不思議な像だった。 「これより、ローシ城内。 ・城内 「ゴドワン王の言っておられた、勇者ゆうしゃどのだな。 「いいか、ローシ城では、まだ君を勇者とは認めておらん。 「勇者は何でも、あのクイトさんの子供だそうだ。 「ウソを言ってもすぐばれる。ああ、本物の勇者様はいずこに。 「わしは昔、スライムだけの国に、迷い込んだことがあるんじゃ。 「皆信じてはくれんが、確かにあるんじゃ。 「お主らも、どうせ信じんじゃろ? 「いいんじゃ、いいんじゃ。年寄りのうわ言じゃよ。 「じゃがな、コビアキムル城の、西南の海の暗礁群を越えて、南に行ってみるがいい。 「本当なんじゃから。 「こう立派な城壁を持つ城は、そうはないぜ。 「でも、魔物の中には、空を飛べるものも、化けられるものもいる。 「こんな壁、関係ないかも知れないな。 「ここは、王の寝室です。 王「ゴドワン王より聞いておる。お前が本当に、予言の勇者なのか? 「はたして、本物かどうか・・。 「この城の地下に、昔、倉庫に使っていた洞くつがある。 「今は、魔物が、巣くっているようだが、そこに、伝説のカロシスのかぶとが、あるはずだ。 「これを取ってこれた者を、勇者と認めようぞ。 「今まで、勇者をなのる者が、何人も行ったが、みな取ってこれぬ。 「本物の勇者ならば、そのくらい朝めし前のはずじゃ。 「もう一度聞く、お前は、勇者か? 「なら、行け。 「おお、まさしく、それは、カロシスのかぶと。 「ゆうしゃ。まさに、お前は、勇者にちがいないであろう。 「勇者と見込んで、頼みがある。 「勇者よ。ゴドワン王の言っていたとうり、この城だけでなく世界中の民が、 「あの、プアー、リッチの盗賊どもに、たいへん頭を悩ませておる。 「まあ、唯一、ゴドワンの、南のリハマロの灯台を、直してくれてた事があるが・。 「ここから、海を越え、真西。カールの真北。 「山の中にそびえる、きゃつらの本家の塔がある。 「もう、そこを、たたくしかないと考えたんじゃ。 「じゃが、兵、皆で行き、この城を空にするわけにいかん。 「世界中に、散らばっておる盗賊どもが、戻って来てもらっても困る。 「魔物をも味方しておるし、数も多い。 「そうなると、ゲリラで行くしかない。 「ここに、きゃつらの、ふくめんをまねて、作った物がある。 「これを、使い、中に忍び込み、プアー、リッチ、両名を、成敗してくるのじゃ。 「勇者ゆうしゃ。たのみますぞ。 「何じゃ、また地下倉庫に行きたいのか? 「この世界を救えるのは、勇者であるお前だけじゃ。 「先は、失礼しました。本物の勇者様と、知らずこととは言え。 「勇者ゆうしゃ様。あなたこそ、本物の勇者。先は、失礼しました。 「なんせ、勇者となのり、教会をはかいするような者、あらわれたあと。 「信用しろと言う方が、無理でした。 ○ムームムリ メラメラ。 「なんだい君たちは 「危険だから、早くここを立ち去って、さあ。 「ここに、勇者がいたって!?ああ、その話か。 「昔この街が栄えている時、10年前ぐらいかな。あのクイトさんの、妻だという人が流れついてね。 「結局、体力が回復しないで、この町を出ることなく、亡くなったそうだよ。 「勇者ってクイトさんの、子供なんだろ?だから、そんな話になったんじゃねえか。 「上に、一日中燃えている火があるんだ。 「水をかけても、砂をかけても消えないんだ。 「ここは、ムームムリの街。われらはレーアオスト城の者だ。 「この街は、昔、魔物によって滅ぼされた。 「今、この街の南で、地震が多発しているので、調べに来ているんだ。 「どうも、自然の地震ではない様なのでな。 ○スライム 「プルプル。ス、スライムじゃないな。帰れよぉ。 「何だお前は、プルプル。ここはスライムの国だ。帰れ帰れ! 「やあ、君もいいスライムだね。邪悪なものを感じないや。 「スライムだけの国へ、いらっしゃい。 「いいスライムだけの国だよ。いじめるモンスターも、人間もいないよ。 「この国を作ったのは、昔、勇者と共に旅をした、ムルイ様だよ。 「まだまだ、元気ですよ。 アン「なんだぁ〜、兄ちゃんは〜っ。 「あちしは、この国を守っている、アンだぁ。下のは、ムンムン。 「この先は、あちしが通さないもんねぇ。 「兄ちゃん。つお〜い。負けちったぁ。 「もしかして、兄ちゃんが、勇者屋さん? 「やっぱり、あちしが勝てないのは、勇者だけだって、ムルイおじちゃが言ってたもん。 「ムルイおじちゃに、会ってあげてよぉ。 「おじちゃ、勇者が来るのを、楽しみにしてるんだから、ね! 「勇者屋さんつお〜い。 「スライムだけでなく、魔物の中には、戦いを好まぬものが多いんだよ。 「でも、魔王のせいで、凶暴になっているんだって。 「はじめこの地には、人間はいなかったんだって。 「君が勇者?! 「あれ、僕が前にいた、ムームムリの町のうわさでは、殺されたって聞いたけど。 「ま、いいか。 「この国の事は、みんなに話さないで下さいよぉ。せっかく平和なんだから。 「プルプル。いじめに来たんじゃないでしょ。 「プルプル、ひなたぼっこは気持ちいいなぁ。 「まあ、びっくりした。でも、どうして、魔族魔物は、人間と仲よく出来ないのかしら。 「逆の言い方でも出来るけど。 「この国を築いた、ムルイ様は、 「ミルル・・いや、今は、イミルフ、カロシスと、呼ばれている勇者と、共に旅をした方なんだよ。 ムルイ「やあ。君が、予言の勇者なんだね。アンとの戦い、見えてたよ。 「私は、いいスライムだけを集め、この国を築いた。 「本当は、こんな国を作らず、人となかよく暮らせるのが、いいんだがね。 「とりあえず、ここは、平和に、暮らしていける所になった。 「そうそう、勇者の君に、いいものを二つあげよう。 「一つは、さっき戦った、アン。 「あの子は、捨てられていた子で、みんなで育ててきたんだ。 「今や、この国の守り神。でもこの辺は平和になってきた。もう大丈夫だろう。 「アンは、魔物に対してとても強い。役にたつぞ。 「もう一つは、そこのものが持っている。 「あの二人の血を、引く勇者なら、必ず目的は達成できるよ。がんばってね。 「私は、数百年、人を見てきたが変わらないねぇ。 「いい意味でも、悪い意味でも。 「ムルイ様からの、プレゼントはこれだよ。 ゆうしゃは、はぐれメタルの盾を、手に入れた。 アン「つお〜い兄ちゃんに、ついて行くのはいいけど、勇者屋さん、仲間が多いねぇ。 「あちしは物は持てないからねっ! ○オルフスール アン「勇者屋さん! 「あちしはムルイおじちゃに、言われてついて来てるんだから、つれてってよぉ。 「やったー。 ○関所 「ガーガー。 「・・・・・。 「何だお前らは。ここが、どこか知っているんだろうなぁ。 「子供の来るところじゃねぇよ。 「ごくろうさんす。どうぞ。 「おい、知っているか。どうも、プアー様が死んだそうだぞ。 ○盗賊本家 アウカク「こ、これが本家でっか。おっきもんでんなぁ。 「ここは、大盗賊リッチ、プアーの本家だ。 「おお、お帰り、ご苦労さん。 「ここには、たいした物はない。遊んでいるひまがあったら、何か盗んでこい。 「ここは、ご隠居のお部屋だ。 「隠居が、この大盗賊の基礎を、作られたおかただ。 「なんて、言わずとも、知っているわな。 「何じゃ、おぬしらは。ここの者じゃないの。においで判る。 「プアー、リッチは、あのリフゲイとか言う者に、操れている感じじゃ。 「あの者は何か不吉な物を、持っているようじゃ。 「私たちは、とりこのみ。 「でも、ここの方たち、そんなに恐ろしい方たちでは、ありません。 「リフゲイと、リッチと呼ばれている上の方が、恐ろしすぎるせいでしょうか。 「さっき、あのクイト様が、上に行くのを見たよお。本当だよ! 「ローシ城にあった、竜のハート像は、伝説の竜の心臓じゃ。 「と、奴らは話しとったが、どういうことじゃろな。 「ローシ城が勇者に、おそわれたのを、知っていますか? 「教会を破壊し、竜のハート像を、持っていってしまったという。 「その勇者はリフゲイの仲間、バイルとかいう奴が、化けていたみたいですよ。 「話しているのを、聞いたんです。 「何かここの見張り。閉じ込められているみたいでさ。 「おい、お前、新顔だな。代わってくれよ。なんて、俺が怒られちまうわな。 「リッチ様も変わったよなあ。 「やっていることは、あまり変わらないんだが、我々子分に冷たくなった。 「と、言うより、人間に冷たくなったような。 「ガーガー。 「ここは、幹部クラスの部屋だ。出てけ。 「何じゃ、リッチ様にご用事か? 「リッチ様は、だんな様方の塔の天辺の部屋に、行きなさったぞ。 「ん、後ろの奴、誰かに感じが似とるようだが、誰じゃったかのう。 アウカク「た、他人の空似、空似でんがな。 「そうかの。裏切り者の、誰かにと思ったんじゃが、ぼけたかの。 アウカク「ああ、えろう、びっくりしたわ。 「ここは、倉庫だ。近づくとけがするぞ。 「キキーッ。リッチは、メガンテの呪文だけを覚えたわ。どうだ、お前も覚えてみるか。 「キキーッ。これより上にのぼるでないぞ。 「この上の方は、リフゲイの旦那方の部屋に、なってる。行かんほうがいいぞ。 「これより上は行かん方がいい。 「新顔のようだから言っておく。これより上の魔物は、おれたちにもおそってくるぞ。 「マネーッ! リッチ「なんだ、どうした。お、おまえは、ゆうしゃ!! バイル「なんじゃ、どうした。 リッチ「あ、バイルどの。勇者のゆうしゃが、ここに!! バイル「なに?! リフゲイ「なんだ、どうした。!!ゆうしゃではないか。 「こんな所まで来るとは。 「面白い。お前が、どれ程成長したかみてやろう。 「バイル、お前は、先にあそこに向かえ。 バイル「はっ。 「リッチ様を倒した!そ、そうか。あのリッチ様を倒せたか。 「あのリッチ様は、昔のリッチ様じゃない。 「あの男が現れたとき、すでに、死んでいたのかも知れない。 「あ〜あ、リッチ様も変わられたよなぁ。リフゲイの旦那が現れてからは。 「旦那の正体もよく判らないし、リッチ様操られていたのかなぁ。 「リッチ様も、死んじゃまって・・。 「昔のきままな盗賊を、やっていたかったぜ。 「それが、あのリフゲイという奴が、現れてからというもの・・。 「リッチ様も、プアー様も、いなくなっちまって、この盗賊も終わりかな。 「リッチ様を倒した、おぬしらが憎い。 「じゃが、もしかすると、この方が、人間のためにも、リッチ様のためにも、良かったのかもしれん。 「後ろの奴、誰かに感じが似とると思ったら、アウカクじゃったか。 「リッチ様を倒して、リフゲイの旦那を逃がした!? 「ここだけの話、逆だったらもっと良かったのに。 「この中はな、ホルフと言う町から、かっさらってきた物が、入っているんだ。 「って、お前、知らなかったのかぁ。 「しかし、あんな物、何に使うんだろうな。あんな種火。 「そんなことより、俺たちゃこれからどうすれば・。 「おいおい、リッチ様がたを、やっつけちゃったのかよ。 「じゃあ、何のために俺は、ホルフの町の、聖火を盗んできたのか、わからないじゃないか。 「今から、まっとうな生活をしろと、いわれてもなあ。 「そうか、倒しなさったか。それで良かったのかもしれん。 「リフゲイが、現れてからというもの、 「プアー、リッチは、ものすごい勢いで世界中を、飛び回っておった。 「じゃが、それは、リフゲイの下で、、魔物の力で、魔物の下で、魔物のために、していたこと、なんじゃろうて。 「プアー、リッチを、倒したことにはもう何も言わん。 「じゃが、二人を倒せたんじゃ。あのリフゲイの野望を、打ち砕いてくだされや。 「マネマネって見たものに、化けるんでしょ? 「じゃあ、そのマネマネ、クイト様、見たことあったんだね。 「町に帰るより、ここの方が安全ですわ。 「あなたたちも、もう少しここにいませんこと。 ○関門 「おい、知っているか。プアー様、リッチ様が、亡くなられたそうだ。 「しかも、リフゲイの旦那と、バイルの旦那も、いなくなったそうだ。 「リッチ様、プアー様が、いなくなっちまって、これからどうすりゃいいんだ。 ○カール ホンニン「これはこれは、ゆうしゃさん。 「ややっ。それは、私のメモじゃないですか! 「これで、倭の国の通訳の書が、完成させられる。 「ありがとうございます。ようし!!一気に書き上げるぞ。 「ちょっと、待って下さい!  かきかきかきかきかきかきかき  かきかきかきかきかきかきかき 「お待ちどう。ぜひ、一番にプレゼントさせて下さい。 「これを、もっと書き増やせば、倭の国とみんなが、交流できるようになりますよ。 「倭の国は、太古より言葉が違うため、孤立してましたからねぇ。 ○倭の国 「あれ、私たちの言葉が、わかるのですか? 「何と、ガイジンじゃガイジンじゃ。 「へー。ガイジンも、僕と同じように、手があって足があるんだね。 「この国は、聖地だ。神の宿る国だ。神の眠る国だ。 「この国の西の、前方後円墳とよんでいる墓には、神が眠っている。 『異国よりの者、竜をよみがえらせ、空を受け、大地をおさめる。』 「あなたが、その異国の者?! 「昔からの伝説に、 『かの人、かの地より来たり。かの人、大地を作り。かの人、この地に眠る。』 「と、言うのがありますじゃ。 「私たちは、争いの多い、ガイジンの方を好みません。 「早くに、お帰り下さい。 「神の墓の中には、どんな扉でも開けられるかぎが、眠っているそうです。 「神モウニュのことは、異国でも知られておりますな。 「しかし、神モウニュは、一人でこの地を、作られたのではない。 「神モウニュがお作りになった、竜の存在があったればこそ。 「ガイジンは、知りませんでしょう。 ○前方後円墳 「うーん、うーん。 「ここは、この大地を、作られた神の墓らしい。 「!!中に入りたいのか? 「ならば、そうだなあ。そう、黒竜の牙とよばれる、見事な牙があると言う。 「それを、ぜひ見てみたいのだが・・。 「それだそれだ。それを、ぜひ手にとって見てみたい。いいか? 「ありがとうありがとう。へーそうか、これがねえ。 「まあ、中には入りなよ。 「へーそうか、これがねえ。いい手触りだ。 「さっきは、びっくりした。 「小太りでつるつるの異国人が、無理やり私をこの中に、押しこんだんです。 「言葉はわかりませんが、なんとかの牙とか、聞こえました。 「あなたたちに、この文字は無理ね。 「この地に人間が、住み着き始めた頃の文字だもの。 「私たちは、その文化を、そのまま引きづいてますが、この字は、さすがに古く読みずらいですわ。 「ここに書かれている事を、読んで差し上げましょうか? 『いにしえの地、モウニュが作る。』 『いにしえの空、竜が作る。』 『いにしえの竜、いくつかになり、この地におりた。』 『白竜の目、目となり。』 『黒竜の牙、あごになり。』 『金竜の翼、羽になり。』 『銀竜の骨、体になり。』 『竜のハート像、心臓、血となり。』 『紺竜のつの、竜の意思となる。』 『この地に戻り、再び空は、竜のものになる。』 「ここに平然と入ってくるとは、そなた、異国よりの勇者かの。 「ここは、この地を作られた、神モウニュのおはかなのじゃ。 「証拠はないが、そう言い伝わっておるのじゃ。 ○オルフスール 「俺はな、かなり昔、ミシーナって女を、殺して捕まったんだ。 「でも、前に、そいつが、この城に来たって話じゃねえか。 「やっぱ、あいつは人間じゃねぇ。 ○マログリフル 「よくここまでこれたねぇ。すごいなぁ。 ○ホルフ 「君たち!!それは、サフシミの種火じゃないですか! 「あなたがたが、取り返してくれたのですね。 「ささ、こっちです。 「ありがとうございました。 「さあ、あらためて、ホルフの町へようこそ!! 「本当に、ありがとうございました。 「町は、元どおりになりました。 「ありがとうございます。そのサフシミの種火は、ぜひあなたが持っていて下さい。 「あなたのような強いお方が、持っている方が、安全ですわ。 「うちは、武器の店さ。用は、なんだい? 「ここは、防具屋です。何なりとご用を? 「風のかぶとは、この町に代々伝わった物です。 「装備した者は、体か軽やかになるでしょう。 「私たち、ホルフの者は、空をあまり見た事がありません。 「ここの空気は、聖火のお陰ですんでいて、水もきれいですわ。 「でも、その半面、ここから出ては、生活が出来ない体に、なってしまっています。 「聖火が消えると、仮死状態になってしまいます。 「プルプル。よく、外の空気で息が出来るね。 「ミァーミァー。 「そなたじゃな、そなたじゃな。 「ここの光を戻したのは。そうじゃな。 「この町の言い伝えにある。 「やみにおおわれ、再び光を取り戻した者は勇者。その者だと。 「ぜひ、このルラミトの石を、受け取って下され。 「これは、わしの祖先が、ゼルク様にいただき、勇者に渡すまで、代々預かってきた物なんじゃよ。 「外で、かかげてみなされ。そなたが行くべき所に、導いてくれるであろう。 「わしの役目は終わったの。 「しかし、この聖火の光の中だと、病気にもかからんて、なかなか休めん。 「うれしいような悲しいような。 ○ゼルクのほこら 「お待ちしていました。上へ、あがって下さい。 ゼルク「・・・・ゆうしゃ、ですね。 「待っていましたよ。あなたがここに来るのを。 「私は、ゼルク。さきの勇者、人々がカロシス、イミルフとよぶ兄妹がたが、幼き時にともに旅をした者です。 「イフットスの村は、行きましたね。 「あの村には、私の教え子、タルスがいます。 「勇者の力になればと、タルスが生まれし時より、力を与え、教えてきました。 「しかし、それを感付いたらしく魔王は、タルスを狙っていたので、 「村人、皆を犬に変え、隠す事にしました。 「お陰で、みんな魔物に殺されず、また、連れて行かれずにすみました。 「しかし、もう私には、元に戻せるだけの力が、残っていません。 「タルソプの金鉱の中の、一室にある、ラーの鏡があれば、村人を元に戻せます。 「タルスに、勇者の印である指輪を、渡してあります。 「あの娘も、その指輪も、必ずあなたの役に、立つでしょう。 「あなただけが頼りです。今となっては。 「魔王を倒し、この大地に再び平和を、取り戻すのです。 「来るべき時は来ます。私の命もあと少しでしょう。 「あとは、頼みましたよ。ゆうしゃよ。 「タルソプの金鉱へ、向かって下さい。 「タルソプの村は、コビアキムルのすぐ西の島に、あります。 「コビアキムルの王に、言えば行かせてくれるでしょう。 「ラーの鏡を手に入れ、そして、タルス、イフットスの皆さんを、元の姿に戻してあげて下さい。 「ワンワン! 「ゆうしゃどの。よく聞きなさい。 「カロシス様、イミルフ様は、魔王を倒し、 「オルフスールの大地の人々を、救ったとなっていますが、魔王は死んでいません。 「今、魔王はよみがえり、再びオルフスールの地を、 「いえ、全大地を、魔物の物にしようとしています。 「カロシスは、自分の血を引く者、つまり今の勇者に、 「よみがえりし、魔王を倒せる様、自らの武器に力を、込めていきました。 「そしてそれらは、魔物らに見付からぬ様、世界中にちらばせました。 「それらを集める旅と共に、勇者はより勇者になろうと、言うことです。 「勇者は、このカロシスの装備を、全て集めるのです。 「そして、魔王を倒し、この大地に再び平和を、取り戻すのが、古きよりの定めなのです。 「ミャーン。 「ここは、世界の全てが見える。 「私はここに来て、もう、すでに数10年たっています。 「化け猫じゃないけど、しゃべれるようになりました。 「ゼルク様は、私より百年、早くここにいたそうです。 「この聖地の力を持ってしても、ゼルク様の命は、あとわずか。 「しかし、ゼルク様は、あなたに会えて、目的は果たせました。 「プルプル。このルラミトの雌石をあげます。 「ルラミトの石は、雄石を掲げると、この雌石の残す光のところに、連れてってくれます。 「でも、洞くつ内では、外に出るだけです。 「プルプル。一度雌石を使ったら、もうここにはこれないでしょう。 「そうしたら、もう会うことはないでしょう。さよなら。