○コビアキムル 王「なんじゃ、タルソプの村に、行きたいのか? 「あそこは、たいした物も売っとらんし、金鉱も今はあいとらん。 「まあ、行きたいのなら行くがよいよ。 「城を出て、城下町の、北西の外れの建物から行けるわ。 「話は、聞いた。今、金鉱は魔物で一杯だそうだ。気を付けて。 ○ほこら 「人とは、珍しい。 「ここの南西に、金鉱の村、タルソプはある。 「でも、今は、鉱夫を集めていないどころか、廃業だよ。 ○タルソプ 「ここは、金鉱山の村、タルソプ。でも今は、鉱山は開いていない。 「裏からは、困るなあ。表にまわってくれよ。 「鉱山の中の一室は、倉庫になっている。 「昔掘ったところで、周りがかたい岩盤なので、ちょうどいいらしい。 「ここは、着る物を扱っています。 「キルものと言っても、刀などではありません。 「うちは、とくにいい武器は、扱っていないけど、見てってよ。 「で、用は何でしょう? 「わんわん。 「このタルソプの村は、昔は、北の平原にあったのじゃ。 「建物も出来るだけそのままに、金鉱の近くに移動させたのじゃ。 「年寄りの昔話じゃよ。 「ここは、鉱山の事故で亡くなった方の、おはかです。 「今、私たちの国が無事に、裕福に生きていられるのは、彼らの尊い犠牲が、あったればこそ。 「それらを忘れてはなりません。 「おらは、ここの鉱夫を、やっていたもんだがよお。 「暗くて、じめじめしていたせいか、魔物がどんどん増えおってなあ。 「とうとう、廃坑になってしもたんや。 「あんりま、ジハトでないかい。元気やったか? ジハト「ああ。おら、このゆうしゃと、一緒に修行してるだや。 「魔物らを、けちょんけちょんに、してやるだかな! 「むんりするでねんぞ。 「そんいやぁ、さっきもなんか、入っていった人がいんけんど、もどってこんのう。 「行くのはいいが、魔物が多い。気を付けろよ。 ジハト「そっちは、行き止まりだ。 「一番奥の扉の向こうが、倉庫になっているんだ。 「と言っても、おらは、入った事はないんだ。 バイル「ゆうしゃ!!何でここがわかったんじゃ。 「まあ、そんなことはいい。 「ゆうしゃ。お前のお陰で、楽に集まったぞ。 「倭の国でお前にもらった、黒竜の牙。 「ゴドワン城の白竜の眼。 「マダルカル城の銀竜の骨。 「ローシ城の教会にあった、龍のハート像。 「そして、この金竜の翼。全てそろった。これで完成じゃ。 「すべて、わしの力で手に入れたが、お前のお陰で集めやすかったぞ。 「ご苦労さん!!ワハハハハハ! ○イフットス 「ここは、イフットスの村。 「この辺の地形から、西の双山山脈は竜の角、湖は竜頭湖と呼ばれている。 「ゆうしゃさんですね。先程、ゼルク様より声が聞こえました。 「タルスは、とても賢い子です。でも、体力には難があります。 「お兄さん役として、守ってやって下さい。 「町はづれのお墓の向こうで、待っていますわ。 「生き残るためとはいえ、犬の間商売が出来なかったのは、われら商人にとっては辛かった。 「てなわけで、道具屋だ!!用はあるだろ? 「ゼルク様、いくら聖地に、いらっしゃるとはいえ、 「住人みんなを、犬にかえる力はあっても、元に戻せるだけの力は、残ってなかったのね。 「年ですものね。 「いくら、ゼルク様とはいえ、俺を犬にするなんて!! 「元に戻してくれて、ありがとな。 「いらっしゃい。 「あんたかい、ゆうしゃってのは? 「よかった。おれらが犬の間、一人の戦士が来てな。テーブルの上にこんな手紙を、置いて行ったんだよ。 『ゆうしゃへ。レーアオストに、急いで来てほしい。マンセム。』 「レーアオストって言ったら、全滅したマダルカル城の、兄弟国じゃねえか。 「何かあったのかな。確かに伝えたぜ。 「ゼルク様の生まれ故郷と聞き、旅して来た所、私も一緒に犬にされてしまった。 「しかし、それで助かった。魔物らは犬ばかりの村をみて、不思議そうに去っていった。 「何だよ、勝手に人ん家に入ってくるなよ。 「それにもまして、たんすなどを調べるなんて、もってのほか!! 「わしは、犬が嫌いなんじゃがな。うちのもんが・・・・。 「悩みすぎて、はげてしまった。遺伝かのう。 「ゼルク様のお陰で、この子たちと、ますますなかよくなれましたわ。 「ワン? 「ああ、失礼。ここは、武器の店ですよ。どんなご用でしょう? 「何百年前か、勇者カロシス、イミルフは、ここで人を殺したという。 「この村の言い伝えじゃ。 「そのため、二人の勇者より、ゼルク様の方がこの町では、勇者じゃよ。 「何と、ゼルク様が、魔物の手より救うために、わしらを犬に、変えてくださっていたのか。 「じゃあ、なぜわしだけ!?なぜ????おお、なぜなんじゃあ〜〜! タルス「お兄ちゃんが、ゼルク様の言っていた、勇者様? 「思っていた感じとちがう。でも、こっちの方がいい。 「あたしは、タルスって言います。 「タルスは、勇者様のお手伝いをするために、呪文の勉強をしてきました。 「ゼルク様から、カロシスの指輪も、あずかってます。 「勇者様、ぜひタルスを連れてって下さい。 「タルス、待ってます。 「よろしく、おねがいしまーす!! おや? (画面プルプル) どうやら、地震はおさまった!! ○ガイコビア 「いや、びっくりしたよ。 「ここから、真西のイフットスの村さあ、最近まで犬ばっかりだったのに、 「何も無かったように、人間が生活してるんだもんなぁ。 ○オルフスール タルス「勇者様ぁ。タルスは、こういう酒場、酒くさくていやです。 「一緒に連れてって下さい。 「はい。タルス、がんばります。 オル「先生は、レーアオスト城の方に、行かれましたぞ。 「予言の解読が終わった時、レーアオスト城の南、ムームムリの近くで、何か起きたということで、 「呼ばれて行きましたじゃよ。 ○ゼルクのほこら 「ゼルク様の教え子、タルスは、あらゆる回復系の呪文を、覚えるようになるでしょう。 ○レーアオスト 「アラキ様が、おいでです。 「マンセム様の話を聞き、来らしたのでしょう? 「マンセム様のお手紙をですか?では、マンセム様には、会ってないのですね。 「王様と、アラキ様が、お待ちです。 「アラキ様が、おいでです。お知り合いでしょ。 「一度、先程、マンセム様が、お帰りになりました。 ヨーリア「ゆうしゃ。あなたが、勇者様だったなんて。 「マンセム様は、あなたを探し周り、会えなくて、帰ってきたところ、 「アラキ様の話を聞き、また、旅立ちましたわ。 「マンセム様、どうかご無事な旅を。 アラキ「ゆうしゃ。まずは、レーアオスト王の話を、聞くんじゃ。 王「ゆうしゃ、いつぞやは、世話になった。まさか、そなたが予言の勇者とはなあ。 「マンセムもあれから一度、戻って来たんじゃが、アラキどのの話を聞き、すぐにまた旅立った。 「まずは、アラキどのの話を聞きなされ。 アラキ「ゆうしゃ。モーニュの骨の解読が、終わったんじゃ。 「よいか、ワシの手紙に、記してある所の後からじゃ。 『竜を集めりし時、バル、天をやみとする。』 『太陽、地に沈みし、太陽、故郷に帰る。』 『地に沈みし時、バルの連星、この地にあらわる。』 『太陽、地より昇りて天のやみを、払わん。また、太陽、光、戻さん。』 『太陽、昇りし時、バル、黒星を呼び戻せり。』 『黒星、現れし時まで時を要する。』 『総ての炎の集まりし時、南の地にて、力を最大とする。』 『総ての竜の集まりし時、竜の目にて、天を自由とする。』 『総ての星の集まりし時、無の城にて、地を一つとする。』 「預け所にある、ワシの手紙にも、書きたしておいた。 『竜を集めりし時、バル、天をやみとする。』 「これは、バル、つまり魔王が、竜の何かを集めた時、空を、何かがおおう、と言う事じゃろ。 『太陽、地より昇りて天のやみを、払わん。また、太陽、光、戻さん。』 「太陽、それはゆうしゃ。お前が、天に登り、このやみを払うらしいのじゃ。 「じゃが、やみというのも、他の文も何を意味しているか、ワシにはわからん。 「このとおりにいけば、わかっていくんじゃろうがのう。 「たいへんでございます。 「王様、ただ今、ムームムリの村より帰りました。 「先の大地震の原因は、村近くの山が、空に、浮かび上がった時の衝撃です。 「やはり、あの山は山では無く、人造、いえ、魔造の物だったのようです。 王「何と、そうであったか。 アラキ「な、なんじゃ、急に暗くなった。 「こ、これが、骨に書かれていた、やみの事なのか。 「ゆうしゃ。予言にあった、『太陽、地より登りて天のやみを、払わん。』 「ゆうしゃが、天に登り、このやみを払う。勇者なら出来ると、モウニュは予言しておるのじゃ。 「マンセムどのは、《天に登り》と聞き、急いで、ある所へ向かったのじゃが、ワシには、よくわからん。 「王に聞くのじゃ。この城に、伝わっていることらしいのじゃ。 王「さすがは、アラキ。来てもらって良かったわい。物を知り、かつ、かしこい。 「よいか、ゆうしゃ。この城の言い伝えにある。 「この城の西、海の真ん中に浅瀬があり、そこの洞窟の中に空高く跳べる、不思議な杖があるという。 「天に昇るというのは、それを使って浮かびあがった、魔造の物に行く、と言うことではないかと思う。 「しかし、その洞くつの入り口は、水の中。 「そこで、マンセムが探しに行ったのは、水を千上がらせるという、渇きのつぼじゃ。 「これがあれば、中には入れるじゃろう。 「マンセムは、壷をもとめて、まず、やみのバザーに向かった。 「ゆうしゃ。マンセムを、おいかけるのじゃ。 アラキ「ワシは、この後、ムームムリの町跡に行ったあと、オルフスール城で、まとめる。 「そのあと、ワシも、ゆうしゃの手助けをしようと、思っとるよ。考えておいとくれ。 「なんということじゃ。光が、失われるとは!! 「光がなけれは畑は実りません。植物は育ちません。 「そうしたら、我々人間は、死んでしまいます。 「ああ、なんて事でしょう。もうこのやみは晴れないのかしら。 「マンセムどのと勇者様が、きっと光を戻しマンセムどのは、いい王様になられる。 「勇者ゆうしゃ様。頼みます。このやみを払って下さい。 「おお、勇者様、このやみをお払い下さい。 「私の出来ることは、祈るだけだ! 「あなただけが、頼りです。 「オロオロ。 「何だ、この空は。不吉だ!! 「最近、くもりが多いな。 「マダルカル城が全滅して、その後何も起きないから、もう大丈夫だと思っていたのに。 「なんなんだ、この空は。 ○闇のバザー 「やみのバザーってったって、外のやみとは関係ないよなぁ。 「あなた、占ってしんぜヨーウ。 「あなた、地にもぐったり、天に昇ったり。 「そうするうち、あなたの持つ力は、2倍にも3倍にもなるでしょう。 「日も出んと、せしがない世の中に、なったものだ。 「なに、渇きのつぼ?確かにここにあった。 「マンセム?確かにここに来た。 「だが、つぼを持って急いでどこぞへ、行きおったよ。 「旅の方、もしや、マンセムの、知り合いではないのか? 「おお、そうであったか。 「いやの、売った時、彼は急いでおってのう。 「渇きのつぼを見せたとたん、ものすごく感謝をされたのは、いいんじゃが。 「かんじんの金をもらうのを、忘れての。砂漠まで、追いかけたんじゃが、突然、パッと消えてしまっての。 「そうじゃのう。南の砂漠の中の緑から、真西に歩いたあたりじゃったと、思うがの。 「ともかく、立て替えとくれ!10000Gさあ。 「では、マンセムを連れて来て下されや。 ゆうしゃたちは、砂地獄にのみこまれた。 どうやら飲み込まれたのは、ゆうしゃだけのようだ! ○ツキミツ 「ま、また魔族の大地から、人が来たっ!! 「みんなー、また来たぞー。 「この頃、何がどうなっているんだ!!! 「ここは、ツキミツ。魔族の大地に一番近い所。 「しかし、魔族の大地とのつながりを、持ってはいけない。 「あなたね、魔族の大地から来たのは。 「あなたがたの、先祖のやった事は、決して良いことではありません。 「確かに、この地は住みにくいわ。でも、人間の住む所はここ。 「こんな住みにくくしたのは、私たち人間ですものね。 「あなたの前に、ついこの間、魔族の大地から、来た人がいました。 「その者に、たくさんの魔物が追う様に、来たんですもの。びっくりしましたわ。 「風貌から言って、いわゆる戦士って感じ。 「長老様がまだ帰りません。 「やってきてしまった魔物を、東の洞窟に閉じ込めると、言って行ったっきり。 「もう年ですから心配ですわ。いくら魔法が使えるからって。 「長老のラエビ様が、今、東の洞窟にやって来た魔物らを、閉じ込めに行ってるが、帰りが遅い。 「もしや、年だからやられてしまったかな。 「でも、魔族の大地から来た、戦士のような人間も、一緒だったから、何とかしてくれるかな。 「君、ここの人ではないみたいだが、同じ人間だろ。 「無理は行けない。泊まっていきなさい。 「おはよう、っと言っても、明るさじゃ、朝か夕かわからないけどね。 「はるか昔は、明るさが違ったそうですよ。 「自分たちのためになることが、他の者からみて良い事とは、限りませんよ。 「しかし、何もしないで死んでいくのは、自殺と同じです。 「今、自分のすべきことしなさい。 「大昔、魔族と人間は一つの種族だった。 「いつしか、魔族、人間と、呼びわけられるように、なった頃から、共存できなくなった。 「だが、同じこの大地に根を下ろし、生きていた。 「魔族と言っても、化け物ではない。 「人間は科学、彼らは魔法を、主とした力としていた。 「人間は、広軌に住みわたり、魔族らの住む所は減っていった。人間が汚した大地からは避けて。 「そして、われらのご先祖が、大きな戦争を起こした。人も死んだが、魔族の者も多く死んだ。 「しかも、その戦争は、この全大地を汚し、空から太陽の光をけし・・・。 「・・・・・・・・。 「魔族の王は、力を振り絞り、大地を作った。 「自分達の子孫がその大地で、暮らせるように。 「しかし、今から、数千年前、モウニュという男が、その大地を人間の物にしようと、旅立ったそうです。 「竜を連れ、再び豊かな大地を求めて。 「君は、魔族の大地から来たそうだね。 「ここは、自分たち人間が、戦争で住みにくくした大地だ。 「あの地は、魔族の方が造ったものだ。君らや、私たちのような人間の住む所ではない。 「人間は、魔族の大地までを、この地の様にしてしまうだろう。 「争いを、辞められない生き物なんだろう。人間は。 「この町は、聖火を灯し続けているから、明るいでしょう。 「外は真っ暗で、しかも、空気がゆがんで見えるでしょ! 「魔族の大地に、君の生まれ育った所に、帰りたいかね? 「そうかい。確かに、人間の住むべきはここだが、決して住み易い所ではないがね。 「他の地から来て、わからん様だが、外に行くなら、たいまつが必要だぞ。 「一本要らんか? 「そうか、ただでいいぞ。 「たいまつは、二本以上たいても意味がないぞ。 「時間がたつと、消えていってしまうから、持てるだけ持ってた方がいいぞ。 ○洞くつ マンセム「ゆうしゃ!!ゆうしゃではないか!! 「私だ!レーアオストのマンセムだ。 「こんな所で会えるとは、思ってもいなかった。 「王の話を聞き、私を追ってきてくれたのだな。 ラエビ「どなたじゃな? マンセム「ラエビどの、彼が、勇者ゆうしゃです。 ラエビ「ほう、おぬし、良くここまでこれたのう。 「年かの、わしは、魔物を閉じ込めるつもりが、逆に閉じ込められてしまった。 マンセム「ゆうしゃ、会えて良かった。 「やみのバザーで、運良く渇きのつぼを、手に入れたんだが、魔物におそわれて、 「砂漠を歩いていて、いきなり砂に、飲み込まれてしまってな。 「ラエビどの、とにかくここを出ましょう。ゆうしゃがいれば大丈夫ですよ。 ラエビ「うむ。 「そんな、たいまつの明かりでは、暗かろうて。 ラエビは、レミーラをとなえた! ラエビ「暗いようなら、いつでも言いなされ。 ○ツキミツ ラエビ「ゆうしゃとやら、助けてもらって、ありがたいことじゃ。 「わしは一度、休ませてもらおう。後で、わしの家に来て下されや。 「ラエビ様!お帰りなさい! ラエビ「うむ、あの者たちに助けてもらった。 「ありがとうございました。 「やはり年ですから、一人で行かせるべきでは、無かったですね。 「あなたたち、やはり、あの地へ戻られるのですか? 「そうでしょうね。戻る方法は、今は、もう、ラエビ様しか知りません。 「ラエビ様がいなければ、もう戻ることは、出来なかったでしょうね。 「あの地との関わりは持たぬ様、伝えられぬ様になり、生きていらっしゃるのは、あのラエビ様だけだからね。 「あなたよね。魔物たちと一緒に来たのは。 「あの魔物たちは、洞くつに閉じ込めておけば、じき、死んでいくでしょう。 「仕方ありません。この地に来てしまったのが、不運だったのでしょう。 ラエビ「すまぬ。もう少し休ませておくれ。 「ありがとうございました。 「もう少し、休ませてあげて下さい。 「ラエビ様が、お礼を申し上げたいと、お待ちです。 ラエビ「ありがとう。わしだけの力では、あそこから出ることは、出来んかったじゃろう。 「魔物らは、あの洞くつの中に、閉じ込めておけば、じきに息絶える。 「この地では、聖火なしでいきぬける生き物は、いない。そういう空気なんじゃ。 「さて、おぬしらのいた、あの大地ではモウニュという男、たいそう崇められているのでは、ないか? 「確かに、あの者によって、人間は、新たな清らかな大地を、手に入れたのだからのう。 「しかし、魔族の者は、多く死んだはずじゃ。 「モウニュも、人間のためにした事なんじゃ。せめる事はできないの。 「この地を、この様にしてしまった、昔の者の責任じゃ。 「今、昔の事を言っても、仕方あるまい。 「ゆうしゃ。その魔族が作った大地に戻り、魔族を滅ぼすのではない。 「あの大地を、そこを、共存できる大地にしておくれ。 「そして、二度と、この地のような事のないよう、頼みますじゃ。頼みますじゃよ。 「戻る心の準備が出来たら、またわしの所に来ておくれ。 「わしが責任もって、あの地に戻してやるわい。 「もう行くのか? 「そうじゃな。この町の者たちだけの話でも、よく聞いて行くんじゃよ。 「他の国、町は、行かん方がいいじゃろう。 「あの地には、モウニュが連れていった竜が、どこかに眠っていると思います。 「向こうの地でこの町どころか、この地のことすら、知らないでしょう。 「かの地の人間をお救い下さい。 「今まで人間が、生きてきたということは、何かしら存在価値のある、生き物だからでしょう。 「滅びはいけないのでしょう。魔族も同じ事です。 「あの地に戻られるのですね。この地の二の舞にならぬ様、努力を願います。 「魔族の絶滅させるなどと、考えないで下され。 「魔族の者も、人間も元は同じ種族なんじゃ。 「人間の中には、魔法をつかえる者、おおそなたもそうじゃろ。 「つかえる者がいる、それは、魔族と同じ血も、流れているからなんじゃ。 「再び同じ大地に根をはり、共存を目指して下され。 「それにより、モウニュのしたことは、良いことにも悪いことにも、なるだろう。 ラエビ「もう行くのか? 「本当に、もう行くのか? 「おぬしらが、ここに来てしまったのは、おそらくわしという力が、いたからじゃろう。 「しかも年老い、制御がようできんかったために、呼び寄せてしまったのじゃろう。 「そのような力の者は、わしが最後じゃ。 「もう二度とこの地と、あの地とのつながりは、できんじゃろう。 「さあ、行くぞ。 「じゃが今のわしの力では魔族の大地に行くのが限界で、どこに出るかはわからんが、我慢するのじゃ!! 「人間の未来、魔物の未来を、頼んだぞ!!ゆうしゃ、マンセム! ○氷の城 マンセム「何だ、ここはどこ何だ。 「ラエビどのに、何やら、とんでもない所に、送ってもらった様だ。 ジシスル「かはぁっ。何者だ。きさまは! 「んーー。きさまが、人間の予言の勇者か。 「私の弟が、人間を滅ぼそうと、している様だが、 「私は今は、この城で静かに、過ごしているだけで良い。 「私は、人間を滅ぼす気はない。 「しかし、人間達が、われら魔族を滅ぼそうものなら、弟には任せてはおけぬ・・。 「ゆうしゃ、起きなさい・・。どこからか声が聞こえる・・・。 ○ゼルクのほこら 「皆さんのお話しを、聞いて下さい。 マンセム「ゆうしゃ、気が付いたか。あの大地のことを、みんなに話していた。 「私たちが死にながらも、ここにこれたのも、ゼルク様の力だそうだ。 「とにかく今は、この渇きのつぼを使い、浮遊の杖を探すことが大事だ。 「プルプル。心配してたんだよ。この地から、いなくなっちゃったんだもの。 「人間はみんな、勇者が死んでしまったと、大騒ぎなんだから。 「中には、恐くなって、隠れているんじゃないかって、言う人もいるんだよ。 「そうそう、あのカロシスのよろいの、ありかが、わかったよ。 「倭の国の西の大きなお墓の、かぎの入っていた箱の下だよ。 「ワンワン! 「勇者よ、カロシスの剣がそのままでは、魔王どころか、手下にも勝てないでしょう。 「必ずその剣を鍛え上げてから、魔王に立ち向かうのです。 「たとえ、ここが、魔族の作った大地であっても、人間は滅びてはいけないのです。 「すでに、動きだし、止まらない魔王を倒し、 「この地を、人間にとっても、魔族にとっても、住みやすい大地にするのです。 「これが、ゼルク様の最後のお言葉でした。     「ミャーン。ここは、世界の全てが見える。と思っていたのですが。 「ここが、昔、魔族の者たちによって作られた、大地とは知りませんでした。 「ゼルク様も、お知りになって、大層おどろいていました。 「そのゼルク様は、お命を投げうって、この玉をお作りになりました。 「この玉は、必ずや、魔王を倒す時に役立つそうです。 「ゼルク様のためにも、必ずや、魔王を倒して下さい。 「地上におりれば、わかると思いますが、光がなく気温が下がって、海面が下がっています。 「それだけならいいのですが、このままでは、作物も全滅、人間は滅びてしまいます。 「急いで下さい。 「ここが、魔族により、作られた大地をいう事は、みんなには話さない方が、いいでしょう。 「みんなを、より不安にさせるだけですから。 「私も付いて行きます。何かのお役にたてれば、いいのですが。 マンセム「ゆうしゃ。ヨーリア、王様が心配だ。レーアオストに行きたいんだが。 「どうだろう?