○ドーヴ 「ギ!なんだ、きさまらは。今ここから、入ってこなかったか? 「では、選ばれし者では無いな。 「こっちに来るとは、怪しい奴。 「ギ、これ以上は、入るなと言ったはずだ!! 「人間は、この上にいろ。今に、われらと同じになれるぞ。強くなれるぞ。 「用がすんだら、とっとと上に戻れ。 「まてよ、お前ら、前からここにいたか? 「そうか、新入りか。お前らのような強そうな奴らは、魔物になっても強くなるわい。 「そう体力を使って、動き回るでない。 「いらいらするもの判るが。ふ、悪いな。製造が遅れてな。 「ギ!何だ、きさま、ここにいなかった者ではないか。 「ギ?お前、ゴドワンの大会に、出てなかったか?見てたぜ。 「いいか、リフゲイ様はな、あれで、あそこに灯していた、聖火のせいで、本来の力を、出せんかったんだぜ。 「どれみてやるか、お前の力を。 「リフゲイ様らが、今、急いで、お前ら人間を魔族に変える物を、作っておられる。 「楽しみだろう。安心しろ、体は残る。 「ギ! 「ギ!俺さまに触るな、人間のぶんざいで!! 「何が何だか。わたしは、ローシの兵なんですが・・。 「あれだけの城壁があったのに、いとも簡単に・・。 「ここは一体・・・。 「おお、ぼうず。お前のこと覚えているぞ。 「ほれ、ローシ城の武器屋の、おじさんだよ!! 「女、子供は、別のところに、連れていかれてしまいました。 「この飛んでいるものは、ドーヴって呼んでいるみたいだ。 「何か、生物の体の中みたいで、気持ち悪いところだ。 「ローシに、勇者と、偽ってきた者は、魔物親分格の、バイルって奴だったよ。 「教会にあった、龍のハート像を、見事に使って、このドーヴって奴を、動かしているよ。 王「勇者ゆうしゃ!!た、助けに来てくれたのじゃな。 「さすがじゃ。一体これが何なのか、わしらは、なぜ殺されずにここにいるのか、さっぱりわからん! 「ただ、地上が、やみになってしまったのは、こいつのせいみたいじゃが。 「わたしは、ムームムリの町の者でした。 「ムームムリの町はこわされ、殺された者もいました。 「ながきにわたり地下洞くつに、閉じ込められており、今は、かれらが、ドーヴと呼んでいる、この飛んでいる物の中に。 「あれ、兄ちゃんは、ここにいなかったよね。どっから入ってきたの。 「え、いっこ下の、穴から?!あそこトイレだよ。 「わたしは、クイトどのと、旅をした事もある者だが、君は? 「クイトどのの息子!?そうなのか。クイトどのから、一回も聞いたことないが。 「なんかよう、弱い者とか子供のは、実験の為ちがうところに、連れていかれちまったんだ。 「強い者、あるいは、頭の良い奴がここに、残っているようだなあ。 「おれは、喜んでいいんだろうか。 「あなた、クイトの子供さん!? 「クイトは、子供が二人だったんですね。 「わしは、もう光は見えん。じゃが、そこに大きな光を、秘めた者がいるのはわかる。 「この偽竜船ドーヴは、モウニュ神の連れの竜の、呪われし姿じゃ。 「中心の心臓を、一度はずしてしまえば、この物は一度こわれるはずじゃ。 「そして、心を持った、真の竜を、復活させてくだされ。 「わしが言えることは・・、それだけ・じゃ。 「ギ!お前は、ムームムリの者じゃないな。 「マダルカルの者か、あまりうろちょろするな。 「クイトどの?ああ、息子さんの確かゆうしゃ。捕まったのか。 「地下にいた時は、一緒だったんだが、 「このドーヴとか言う、空跳ぶ物が出来て移された時、飛降りてしまった。 「あんなの助かるはずがない。 「クイトどの一人では、あの魔物の群れには、歯が立ちませんよ。 「我々も、もっと鍛えておけば良かった。 「ゆうしゃか!!あの、あの日、新人で来た、ゆうしゃか! 「お前も捕まったのか・・・。 「もうすぐ、人間を魔物に、変えられるものが出来るそうだ。 「そうなれば、われらは・・・・。 「ゆうしゃ!!元気そうだ。それにたくましくなって! 「初め来た時は、なんてひよわな奴と、思っていたが・・・。 「その足で歩んできた物は、コーチの私が、教えられないものばかりだ。 「しかし、ゆうしゃ。むちゃをするな。 「このドーヴのリーダー、バイルという奴は半端じゃない。 「しくしく。他の女は、他の所に移されたのに、何で私だけここなの。 「ゆうしゃじゃ!!良かった、元気じゃったな。わしを覚えとらんか? 「ゆうしゃを、呪文で城から、逃がしたじいですじゃよ。 「海に落ちとらんかと、心配じゃった。王は無事じゃろうか。 「ゆうしゃじゃないか。クイトさんが心配・・・してなかったなぁそういえば。 「それはそうと、ゆうしゃも、つかまっちゃったのか。 「なに、その杖があれば、飛降りても大丈夫?! 「よこせ・・って思ったけど、俺が戻っても、みんなに良いことないもんな。 「クイトどののように、ここから飛下りる勇気があれば、助かるかもしれないのにな。 「・・・・・・。 「マネーッ! 「人間!!こっちには、入ってくるなと言ったはずだ。 「こっちは、竜の心臓があるのだ。 「ギ!! 「お前らのような、反逆精神の強い人間は、魔族にしてもその精神が、残る恐れがある!! 「お前らのような者は、必要ない。 バイル「お、おまえは、ゆうしゃ!どうやって・・・・・。 「わしのいるところ。どこでも現れる。ゴキブリのようなやつじゃな。 「このドーヴが、飛んでしまえば、こっちのものじゃ。 「お前のおかげで、モウニュとかいう奴と、一緒にいた竜の事がわかった。 「そのバラバラの破片を、集めて、このドーヴが出来たわ。 「竜の心になる紺竜の角が、見付からんかったが、バイケタル様のお力で、このように立派に復活した。 「太古は、人間の、今は、魔族の味方。この竜も、いいかげんよのう。 「このドーヴには、まだ、やってもらうことがある。 「ジャマはさせんぞ。人間の勇者ゆうしゃ!! 「ま、まさかな・・・・。人間にやられるとは、。 「リッチ、プアーども、人間に任せておくべきでは、なかったようだ。 「しかし、ゆうしゃよ。この大地はわれら魔族の物に、なるのじゃ。 「勇者であるお前が死ねば、人間の中でもう魔族に、はむかう者など・・、いなくなるじゃろうて。 「このドーヴは、竜の力だけで飛んでいるのでは、ない・・・。 「わしの力も、あるんじゃぞ・・。この意味はわかるな。 「この高さでは、みな、た、助かるまいて。 「ふはははは・・うっ!! 「グフッ。 「たいへんだ!人がこんなに。 「生存者は、いるか?! 「生きている者を、優先に運ぶんだ・ 「・・・・・・・・・。 ・・・・・・・・・・・・・・・ ○モコロ フアッス「スースー。 「ぼっちゃん。おはようございます。 「フアッスおじょうさんは、私に看病させて、くれなかったんですよ。 「少し、寝かしといてあげて下さい。 「あと、お父様が帰ってらしたら、良いのですが・・。 「ゆうしゃ、よくやってくれたよ。 「見ろよこの空、眩しいくらいだぜ。 「マダルカル城の、ごくわずかな人たちは、戻って来た。 「しかし私の息子は、ドーヴとかいう物が、落ちた時死んだ。 「ゆうしゃのせいではないから、気にするな。悪いのは、魔族のやつらだ。 「ゆうしゃじゃ。元気になったか。さすが、クイトの子じゃわい。 「こりゃクイトも、どこかで生きとるわいな。 「ゆうしゃ。もう起きて大丈夫なんだな。 「帰ってこれた兵の一人に、聞いたよ。 「クイトさんは、すごい高さから、飛びおりたんだってね。 「クイトさんのことだ。何とか生きているんじゃないか。きたえ方がちがう、きたえ方が。 「少年よ。いや、今となっては、その呼び方は失礼か。 「ゆうしゃ。お礼を言いたい。わずかながら仲間が帰ったのは、ゆうしゃのお陰だ。 「だが、帰ってこなかった者は、すでに死んでいるか、あるいは、魔物に変える実験台に、されてしまうのか・・。 「なんとか、助けだしてやりたいものだ。 「魔族がやろうとしていた事は、ようするに人間を魔族に、変えてしまおうと言うことだろ。 「それで城をこわす必要がなく、人だけ連れてったのか。 「光が戻っても、そのやろうとしていることを、防ぐためにも魔王を倒さないと、意味がないな。 「少し長生きできるけど。 「マダルカル城の人も、ローシ城の人もわずかだが、生きて帰ってきたが、 「魔族のものはこれでもっと、本気になってくるんじゃないか。 「ゆうしゃよ。元気になったようじゃのう。 「フアッスはどうしても、ゆうしゃが起きるまで、近くにいると言って、ずっとそばにいたはずじゃが。 「そうか寝てしまったの。 「ゆうしゃが倒れたと聞いて、とんで帰ってきて、5日5晩看病をしとったんじゃ。 「無理もない。 「起きたら、またゆうしゃに、ついて行きたがるじゃろう。 「ゆうしゃよ、フアッスを、頼みますじゃ。 「あ、ゆうしゃ。王様がお礼を言いたいと、お待ちです。 王「おお、ゆうしゃ。気が付いたか。 「ゆうしゃの活躍で、わずかな兵は助かった。今、城の方で待機している。 「じゃが、再びあのようなことがあっても、たちうちできんじゃろう。 「それにしても、わが城に伝わっておった、銀竜の骨で、あのような物を作りだすとは。 「もっとげんじゅうに、保管しておけば良かったわい。 「よいか、ゆうしゃ。あの銀竜の骨は、本来清き竜の、一部になるはずの物、なんじゃそうじゃ。 「ムームムリという町に行き、詳しい話を聞くんじゃ。 「ドーヴとやらが、落ちたからには、魔族は人間を、一人一人殺しかねん。 「勇者であるからと、押し付けるようで悪いのじゃが、出来るのは、ゆうしゃだけじゃ。 「よいか、必ずマダルカル城に、帰ってくるんじゃぞ。待っておる。 「私たちも、何とかお城を守ります。ゆうしゃもがんばってね。 フアッス「あ、ゆうしゃ。おはよう。私、ねちゃっていたのね。 「元気になったみたい。良かった。 「早く、平和な世の中にして、前のように暮らしましょ。 「もう、私たちがやるしかないものね。 「また、オルフスールにいるね。その方がわかりやすいもの。 ○オルフスール アラキ「おおお、ゆうしゃ。やはり、いまさら言うことではないが、やっぱり勇者じゃ!! 「モーニュの骨に、書かれていたことを、読み返してみるのじゃ。 「魔族らは、竜の骨、牙などを集め、ドーヴを作り、天をやみにした。 「勇者は、浮遊の杖で、地より登り、ドーヴを落とし、光を戻した。 「ほれ、ここまで、あっとる!!ヴぉほほ〜い!! 「どうじゃ、ワシの解読力は。見直したか。 レヌイス「やっぱり、あんたが、勇者ちゃんだったんだね。 「アラキじいの、解読どおりって言うじゃない。 トーヤー「ゆうしゃどの、見事あの暗やみを払われたとか。さすがでござる。 マンセム「ゆうしゃ、実は、王にジシスル魔王のことは、話してしまった。 「だが、あの地のこと、この魔族の大地のことは、言ってはいない。 「魔族と共存するにも、あの魔王だけは倒さないと。 ○マダルカル 「あいたたた。まだ、体中が痛いわ。でも、助かったんだからこれ位はね。 「あの日来た、ゆうしゃが、勇者だったなんて。 「その時教えてくれたら、良かったのに。 「え、その時は、自分でも知らなかったの?! 「おお、ゆうしゃ。いしきが戻ったんだな。 「王の言っておられたように、もっとまじめに勤めていたら、よかったよ。 「そうしたら、簡単にさらわれたり、しなかったろうにな。 「この城にいたって、魔物がまた来たら、また連れていかれてしまうよ。 「死ぬのが、少し先になっただけさ。 「本当に、たくましくなった。 「魔物がこの城をおそったのは、兵が多かったからだろな。 「だが、今の魔物には勝てないとは、私は、コーチ失格だったな。 「平和になったら、コーチはゆうしゃに、頼みたいものだ。 ○レーアオスト 「やっぱり、ゆうしゃどのと、マンセム様は、勇敢だ。 「マンセム様は、立派な方です。あらためてそう思います。 「命をかけて、魔王に立ち向かった・・・。 「でも無理しすぎて、取り返しの、つかない事にでもなったら・・。 「ああ、ヨーリア様。 「世界で2番目に、あなたが好きになりましたわ。 「1番ですか?もちろん、マンセム様。 「ゆうしゃどの。元気になられましたか。 「マンセム様は、今、オルフスール城で、ゆうしゃどのをお待ちです。 王「ゆうしゃ。さすがじゃ。あのやみはもう二度と、晴れんかと思うとった。 「マンセムから聞き出した。ジシスルとかいう魔王に、結果的にではあるが、立ち向かっていったそうじゃな。 「やられたということで、隠しておったのじゃな。はずべき事ではないぞ。 「じゃが、マンセムはまだなにか、もっと大きなことを、隠している様じゃったがの。 ○サリマビルグ 「明るくなっても、こんな世の中ですもの。 「こんな所まで来る人は、少ないですわ。 「暗くてよく判らなかったけど、マダルカル島と、つながってしまっていたのね。 「昔より規模は、小さくなってしまいましたが、世界中の人々の為にも、がんばりますわ。 ○オリマビルグ 「おお、ゆうしゃどのじゃそうじゃな、このやみを払ってくれたのは。 「ありがたや、ありがたや。 「約束どおり、わしの家宝をあげよう。 「今、私の出来ること。ゆうしゃさんの無事を、祈ることですわ。 ○トトン 「勇者が帰ってきて、あのやみを払っちゃったそうよ。 ○ゴドワン 「いやぁ、明るい。光がこんなに眩しいとは。 王「ゆうしゃではないか。聞いたぞ。 「わずかであるが、ローシ城や、マダルカル城の者、そして、ムームムリの人間までもを、救ったそうではないか。 「さすがじゃなぁ。 ○コビアキムル ・城下町 「やや、これはこれは、レヌイス姫様。ご無事でなによりです。 「レヌイス様。お帰りなさいませ。 「おお、そこの人。どう思いますか? 「勇者は、一度魔王にあって、やられたって話。 「あのやみを払ってくれた人だ。そんなことあるわけないよね。 「本物の勇者はさすがじゃ。光を取り戻してくれた。 「きっと、魔物のいない世界に、してくれるじゃろ。 「何を言っているのかね、やみを払った人が予言の勇者に決まっているじゃないの。 「だぁれ、レヌイス様が、予言の勇者様って言ったのは。 「どうも、この女の言っていることは、言いすぎに思えるが。 ・城内 「アラキ様の、お調べになったことは、役立っているのかしら。 「レヌイス様は、昔から、じっとしておられるのが、きらいな方で、 「妹君のアルン姫とは、正反対のお方です。 レヌイス「どう反対だって? 「あ、レヌイス姫様!い、いやそう意味では・・・その。 「レヌイス姫は、とても剣の扱いのうまいお方だ。 「この城一だろう。 レヌイス「お世辞がうまいね。 「レヌイス姫は、占いでは、勇者を手助けする運命を持つ者、なんだそうです。 「それを幼い時聞いて以来、剣の修行をしておられました。 「でも今や、勇者その者に、なりつつあります。 「予言にあっても、あくまで予言は予言。 アルン「姉様。まあ、とうとう、本物の勇者様に会えたのですね。 レヌイス「ん、これが、勇者ちゃん。 王「おお、いつぞやの、ゆうしゃとか申す者ではないか。 「光を戻したのは、そなたのせいらしいのう。 「だがまだ魔物が、うようよいるわい。はよう何とかせい。 レヌイス「父様! 王「おお、なんじゃ。レヌイス。 「どこ行ったかと思えば、ゆうしゃの手だすけを、しておったのか、よいよい。 「無理をするでないぞ。危なくなったら、ゆうしゃに任せちゃうのじゃ。 レヌイス「はい。 女王「ゆうしゃ。ありがとう。光がこんなに眩しいなんて。 「王の分までお礼を言います。 「それに、レヌイス。無理はいけませんよ。 「今はあなたの思う通り、やりなさい。 レヌイス「はい。お母様 「こりゃ、レヌイス姫!いつまでも遊んでおらんと、姫様は姫らしくして下さらんと。 レヌイス「私が姫らしくしても、世界が、平和になるわけじゃないし。     「勇者と協力して、魔物を倒した方が、いいじゃない! 「そ、それはそうじゃが。よいですかな。無理だけはしなさるな。 「王様、女王様を、悲しませることだけには、ならぬよう。 レヌイス「わかってる! ○ガイコビア 「おお旅の方。勇者様が、やみを払ったそうですよ。 ○カール 「ホンニンを助けてくれた、旅の方。 「もしや、旅の方が空からあのやみを、消し去ってくれたのでは? 「おおやはり、予言の勇者様じゃったのか。 ○闇のバザー 「あのでっかいのを、やっつけちゃったの、本当に!?すごいな。 ○ローシ 「これだけの城壁があっても、これだけの人数じゃ、再びおそってこられたら、ひとたまりもない。 「ムームムリの生き残った方を、呼んでこのローシ城を、再建したいんですが、 「ムームムリの方は、あの地に残ると・・。 「王は、ドーヴが落ちた時・・・・死にました。 「でも、それは、あなたのせいでは、ないと思いま・・す。 「王もいない。 「この人数だけでは、ムームムリ同様、廃化してしまう。 ○ムームムリ 「なんかよう、おれは悪運だけは良いようだな。 「あ、お前だ、あのドーヴを、おっことしたのはよ。そうだろう? 「わーい、地面だ、地面だ。初めてみる。 「生まれてすぐ洞くつの中、ドーヴの中だったんだもん。 「あなたも、クイトの子供!? 「クイトは、子供が二人だったんですね。 「それじゃ、姉さんってことになりますね。 「この町がおそわれた時、殺されましたが。 「この町の荒れ果てた。昔のようにはいかないだろうが、人の住める所にしたい。 「どうだ、むかし種をまいておいたら、この光のお陰で、沼の所が、花でいっぱいになったよ。 「そこの炎は、長の感覚では、とても大きな物を、持っていながら死んだ魂に、思えるそうだ。 メラメラ。 「わしは、もう光は見えん。 「じゃが、近くにある、炎の中にある大きな光と、同じ位の大きな光を秘めた者が、そこにいるのはわかる。 「あの偽竜船ドーヴは、モウニュ神の連れの竜の、呪われし姿じゃ。 「バイルとかいう者の、呪いが解け、中心の心臓が外れ、あの物はこわれたんじゃ。 「この龍のハート像を、そなたに授ける。ドーヴの落ちた辺りにあった。 「他の骨などは、見付からんかった様じゃが、 「その心臓を、ある聖地で掲げることで、他の竜の物が自ら来るじゃろう。 「じゃが、竜の真の心は、まだ、地表に現れておらん様じゃ。 「それだけは、そなたの力で、探すしかないであろうなぁ。 「じゃが、心は持たぬが、真の竜はそれで、復活出来るはずじゃ。 「わしが言えることは・・、それだけ・じゃ。 「聖地がどこかまでは、伝わっておらんし、わしの心でも見付けられん。 「すまない。 ○古の戦場 「プルプル。 「ここは、昔、魔王と、カロシス、イミルフが、戦った所だそうです。 「そして、聖火を灯し再び邪悪の者の、入れないようにしました。 「僕は、邪悪な意志を持たないから、ここにいられるんです。 ○カロシス ・昼 「おお、ここに人が来るとは。何十年ぶりか。 「そなた、ここが、カロシスの村と、知っての来村かの? 「ほう。 「カロシス様の母君が、着ておられたという、奇跡の羽衣は歩くごとに、体力が回復したそうじゃ。 「母君は、病弱だったそうじゃからの。 「その奇跡の羽衣は、どこにあるんじゃろうの。 「ワンワン。 「おおおおおおおおっおお。ゴ、ゴホッホッホッ。 「おお、その指輪は、カロシスの指輪じゃ。 「待っておった。その指輪を持ち、予言どおりに、現れるのを待っておった。 「やみの悪魔がこの空をおおい、そして再び光が戻った時、その者は現れるのじゃ。 「わしらは、そなたが来るのを待っていた。だけのためここに住んでおった。 「このカロシスの盾を、渡すだけのために。さ、受け取って下され。 「今、持てないと。これは予言の者以外には、渡せんわい。 「さ、受け取って下され。 「わしらの役目は、終わった。後は、この命が尽きるまで、楽しむだけじゃ。 「ほっほっほっほっほ。 「他の方々には、いい装備を売って差し上げよう。 「この村の言い伝えでは、『炎のバイケタル、氷のジシスル』という言葉が、残っています。 「勇者カロシス達は、バイケタルを退けたそうです。 「プルプル。君は、いい人みたいだから、教えてあげるね。 「ここから、北西、砂漠の向こうの洞くつの中に、魔族の礼拝堂があって、巨大な像があるよ。 「そこは、僕みたいな、いい魔族の集まる場所なんだ。 「詳しいでしょ。何でも聞いてっ。 「え、入れなかった?!あそうか。入るには、天井を、たたかないといけないんだった。 「それが合図で、中に入れてくれるはずだよ。 「あ、でも、一人じゃないと、入れてくれないかも。 「みゃんみゃん。 「ここが、旅の方、あの伝説の勇者、カロシスの、眠っているところですじゃ。 「わしらは、この命尽きるまで、このお墓を、見守り続けるじゃろうのう。 ・夜 「こっくり、こっくり。ここは・・カロシ・村じゃ・っ。 「ぐーぐっぐー。 「くかーくかー。 「すーすー。 ○礼拝堂 返事がない。しかし、ただのしかばねには見えない。 「誰に聞かれたか知らぬが、その行動を知っているのなら、通してあげよう。 「この中は、大魔王ナー様の礼拝堂だ。 クイト「ゆうしゃっ!! 「ゆうしゃ。おどろいた・・。お前が、勇者となっているなんて。 「わかるか、おれだ。お前の父、クイトだ。 「いや・・・、もう、言っていいだろう。 「ゆうしゃも、うすうす気付いていたかも、知れないが・・・。 「おれの子供が、予言の勇者であることは、代々、家系に、言い伝えられてきていた。 「伝説の勇者カロシスの、子孫にあたる。 「これは、父であるマダルカル王も、知らないことだ。 「早くに亡くなった、母方に聞いたことだ。 「おれの妻リアとの間に、海の船の上で、女の子が生まれた。 「しかし、その船は嵐にあい、おれらは、ムームムリの町に流れついた。 「リアは動けなくなった。おれは、モコロの村に、単身知らせに帰った。 「急ぎ、ムームムリに、戻ってみると・・・。 「・・・・・・・・・。 「リアの墓があった。魔物にやられる前に、リアだけは、息を引き取ったようだ。 「生き残っていたのは、一人の赤ん坊だけだった。 「この地を、救うと予言された勇者に、育つはずの娘はいなくなった。 「しかし、死んだという確証は、ひとつもなかった。 「おれは、そこにいた赤ん坊を、連れ帰った・・・。 「赤ん坊のゆうしゃを。 「おれは、娘が、どこかで生きていることを信じ、旅に出た。 「お前が、城で3年、兵としての基本を覚え、共に、勇者を捜す旅を、するつもりだった。 「ドーヴの中で、ムームムリの人に、聞かされるまでは、娘は、生きていると信じていた。 「おれは、ゆうしゃの父ではない。おれは・・・。 ミシーナ「ゆうしゃ・・・・。久し振り・・ね。 「シンの村で、別れて以来かしら。 「もう知っているかも、知れないけど、あのチオレって者は、人間じゃないのよ。 「そして、あたしも・・・。 「チオレは、ジシスル様の弟分、あたしはバイケタル様の、妹みたいな者。 「あたしが、人間にまぎれて酒場にいたのは、 「バイケタル様が、なにか勇者に似た大きな物が、動きだしたっていうから。 「バイケタル様は、昔人間にやられたものだから、すごく神経をとがらせていたわ。 「リフゲイは、魔王バイケタル様の、新鋭隊長みたいなものだよ。 「魔王の指示で動き回っている。本当はぼくらもリフゲイの下で、動いているはずなんだけどね。 「人間に任せておいたら、全然はかどらないって。 「プアー、リッチって盗賊を、引き入れたのは良いけど。 「そう言ってましたよ、リフゲイは。 「プアーって人のした、ゴドワン城の近くの灯台に火を、灯した事は、海の魔族に対して、良い事したつもりでしょうが、 「お陰で、あの周りの海に魔物は、近づけなくなっちゃいましたよ。 「リフゲイもあきれていた。 「クエーックエーッ。 「わしは年老いたキメラじゃが、人間の言葉を、話せるようになった。 「わしらのような、人型でないものは、魔族の者が作りだした魔物と、呼べるじゃろう。 「じゃが、人間と争いたいとは思わん。 「人間の家に居候している、スライムなどを見かけたじゃろ。 「元々、魔族は、争いを好まぬ種族なんじゃよ。 「今、魔王は。ジシスル様と、バイケタル様が存在します。 「二人は兄弟ということですが、バイケタル様は、火のように荒々しい性格。 「ジシスル様は、氷のような冷静さと、鋭さを持っています。 「ジシスル様の城は、ここより、南西に。 「バイケタル様の城は、南東の砂漠地帯にあったと、思うんだけど。 「・・・・。 「こうして、話せる。 「ここから南西の、ジシスル様のお城は、へたに入ると出られません。 「移動呪文も、封じ込められているから、注意。 「プルプル。ここは、バイケタルに知られていません。ジシスルにもです。 「偽竜船ドーヴ計画は、ぼくらは反対だったんだ。 「あれでは、草木も死んでしまい、森に住む魔物も、死んでしまうじゃないですか。 「魔王様は、ちっとも僕らの言う事に、耳を傾けてくれない。 「後ろの二人の者の話しを、聞きなされ。 「見ただけでは人間と魔族、見分ける事のできない者も、いる。 「彼らは、人間に見えるが、魔族の者じゃよ。 「ここに来たのは、何者かのお導きじゃ。 「この巨大な石像を見なされ。 「これは、この大地をお作りなられた、大魔王ナー様の像じゃ。 「まず、隣の者の話を聞きなされ。 「大昔、ナー様に、人間のモウニュをいう若者が、連れの竜と共に、立ち向かって行ったんじゃ。 「人間の代表であるモウニュは、人間としての力以上の物をだし、ナー様を倒したそうじゃ。 「ナー様は、そうなる事を予期しており、分け与える地を、用意されておったのじゃ。 「あの地で出来んかった共存を、この地でするためにの。 「じゃが、時が流れ、人間は各地に広がっていった。 「魔物を追い払い、分け与えられた、地を離れて。 「そして、大地全土で魔族と人間が争って、今にいたる。 「ナー様は、こう言ったそうじゃ。 『人間は一つの大地をけがした。が、人間を憎んではいかん。人間を滅ぼしてはいかん。 『われら魔族と人間。この地では、互いが支え合い、共存を目指すのだ。 『元は同じ種族。出来るはずだ。 「じゃが、モウニュ、一人の力では、人間達の行動をどうすることも、出来んかった様じゃな。 「ナー様もじっと耐えながら、亡くなられたそうじゃ。 「が、その怒りが、今の魔王、ジシスル、バイケタルを、作っているんじゃ。 「ナー様の意志、そして、ここにいる者の意志は、みな、共存を願っている。 「少なくとも、人間と魔物、争いのない存在を願っておる。 「わしら魔族の者では、ジシスル、バイケタルには、勝てん。 「心をうばわれてしまう。今、魔族の者ほとんどが、うばわれておるんじゃ。 「モウニュの予言した、人間の勇者は、すでにバイケタルの手によって、殺された。 「生まれてまもなく。ここより東の町、ムームムリで。 「しかし、わしらの目の前に、ゆうしゃがいる。 「予言の者ではないが、皆が認める勇者ゆうしゃ。 「そなたの手にかかっている。このままでは、人間どころか、魔族もジシスル、バイケタルの、思うがままになってしまう。 「じゃが、いくら、勇者と言っても、その装備では、これらを渡しても勝機は、ないじゃろう。 「一度、バイケタルを倒した、カロシスとやらの装備、全て持ってしても、勝てるかどうかじゃ。 「じゃが、とにかく、カロシスの装備、全て、見付けるのじゃ。 「さすれば、このナー様の石像が握っていた2つの石も、役立つことになろう。 「それまではわしが預かっておる。 ○ムームムリ 「ここは、ムームムリの町。 「やあ、ゆうしゃさん。どうです、結構さまになってきたでしょう。 メラメラ。 「この火は、君が来るととたんに元気になる。不思議な火だ。 「ここは、町の人に聞いたんだが、魔物が攻めてきた時、子供が殺された所らしいよ。 「走り回っても怒る魔物が、いないんだもん。気分いいや。 「出来るだけ緑を残そうと、道以外は、石をひかない様にしました。 「それでも、きちんとしているように、見えるでしょう。 「この町は以前は、石畳だらけだったからね。 「なんか平和になったようだが、嵐の前の静けさ。 「魔王は生きているんだろ。心配だよな。 「なんかよう、ずっと日に、当たってなかったから、こういう暗いところの方が、居心地がよく感じちまうよ。 「悲しいな。 「長が、何か渡し忘れたって、いってましたよ。 「ゆうしゃどのじゃな。一段と大きく感じる。 「この町に残っておった、聖なる火があるのじゃが、 「その火がわしに、ゆうしゃにゆずるべきと、語りかけるようなんじゃが。 「聖なる火、ハキラの種火なんじゃが、必要かの? 「おお、そうじゃったか。受け取るがよい。 「良かったわ。また一つ、そなたの役に立てた様じゃ。 「わしの心には見える。まだ大きな黒い物が動いておる。 「そなたの力は偉大じゃ。その黒い物を止めて下され。 ○海賊の洞くつ 返事がない。ただのしかばねのようだ。 着ている物からみて、偉い人だったようだ。 ハースラ「おそらく、ご先祖のウィリー船長だろう。 「どこにも、墓も骨の無かったんだが、ここにいたのか・・・・。 ○鍛冶屋 「ほう、人とは珍しい。が、出ていってくれ。 「私が待っているのは、勇者様、ただ独りだ。 「勇者様の持つ剣を、鍛え上げるためだけに、代々、ここに住んでいるんだからな。 「何、君が勇者だって!? 「証拠は?言い伝えでは、勇者カロシスの指輪なる物を、持っているはず。 「帰れ、帰れ。その辺の物に触れるんじゃねえ。 「それは、もしや、カロシスの指輪では、ないかいの? 「思った通りだ。すると、あなたが、勇者様ということですな。 「待ってましたよ。 「ご先祖は、マログリフルの町で道具屋を、やっていたそうなんですが、 「つぶれそうだったのを、カロシス様に、助けてもらったとか何とかで。 「まあ、そんな話はどうでもいい。 「我が家系の役目は、カロシスの劔を鍛え直すこと。 「お持ちの剣は、弱いでしょう? 「永い年月のため、力が閉じ込められているんだ。 「私が、再び鍛え直し、昔の力を呼び戻しましょう!!! 「と、生き巻いてみても、剣が鍛えられるわけでもナシ。 「鍛えるためには、この世界中にちりばめた、聖火が必要なんです。 「ニメケの種火、メキヒの種火、サフシミの種火、フウワの種火、ハキラの種火、ミオラオの種火。 「これらの火、全ての聖火が、なければ無理なんですよ。これが。 「6つの火を集めて下さい。そして、地下の祭壇に灯して下さい。 「そうすれば、カロシスの劔は、昔の輝きをとりもどせるだろう。 「そう言うことです。がんばって下さい。私は、待ってますよ、いつまでも。 「今、灯っているのは・・ 「やあ、全部灯せたようですね。 「では、カロシスの劔を、持って来て下さい。 「剣が無ければ、どうやってもきたえられっこ、ないですよっ。 「では、その剣をお借りしてと。  メラメラメラメラメラメラメラ 「でわっっっっ!  キーーーーーーーーーンッ! 「ど、どうやら、しばらく打っていなかったし、こう見えても結構な年だし。 「思っていた以上に、堅い。力が入らん・・・。 「こんな時、うちの先祖が、使っていた力のかなづちが、あれば・・・。 「昔、海賊ウィリーに、取られたそうなんですよ。困ったなぁ。 「何とか見付けて下さいよ。それまで何とか、こっちもやってみますから。 「でも、ウィリーの宝は、子孫にも伝わってないって、言うからな。 「どこに、隠してあるんだろなあ。こまったこまった。 「おやぁ、持っているじゃないですか。 「ウィリーの宝のありかを、見付けたんですかぁ?! 「まあいいや、とにかく。 「始めます。  メラメラメラメラメラメラメラ 「でわっっっっ!  キーーーーーーーーーンッ!  キンキンキンキンッ 「はい、お待ちどう。あっけなくて、がっかりしました!? 「でも、剣を見て下さい、この輝き。攻撃力も数段上がってますよ。 「私の役目は終わった。あとは、勇者に任せておけば、平和になるよね。 「頼みますよ。 ○礼拝堂 「ゆうしゃ。そなたが本当は何者かは知らん。 「しかし、自らの力で、そこまで自分を、勇者にできた者じゃ。 「予言の勇者にかわって、ジシスル、バイケタルを、倒して下され。 「人間を、魔族を、救って下され。 「この二つの玉は、このナー様の石像が、握っていた物じゃ。 「おそらく、これらは、ジシスル、バイケタルの力の源と同じ物。 「ジシスルとバイケタルは、正反対。逆に使うことで、なにか、役にたつじゃろう。 「たのみます。 「ジシスル、バイケタルが、本気になり動きだしたら、手が付けられなくなるじゃろう。 「たのみますじゃ。魔族の者の代表として、お願いしますじゃ。 ミシーナ「ここにいるのは、バイケタル様から身を隠すため。 「バイケタル様の前では、自由に動けなくなってしまうの。 クイト「もう、おれに出来る事はないのか・・。 「おれは、ムームムリによりモコロに戻る。 「・・・・・・・・・、我が息子、ゆうしゃ!がんばってくれよ。 ○氷の城 ルー「何者だ、ジシスル様のご前と知っての、事だろうな。 チオレ「おい、ゆうしゃ、そんな連中で旅をしているのか。 「久し振りだなぁ。死んじまったかと思っていたぜ。 「ここにいるって事で、俺が何者かわかるよな。 「ミシーナと、いたからすぐに、新しく現れた、勇者だってわかったぜ。 「けど誤解するな、お前を手助けするために、仲間になったんだ。 「あのままで、ミシーナに、寝首狩られたりしたら、つまらんからな。 「法外な金は、割にあったとは思うが、 「俺も人間にまぎれ、生活してるんであれ位は、必要でな。 「他にも、人間にまぎれ魔族の者がいるぜ。お前の仲間にもいるかもしれん。 「自分自身、知らないかもしれんし、また見分けることも出来んがな。 「元々、人間、人型魔族は、同じ種族。なにも不思議なことはない。 ジシスル「かはぁっ。またきさまか。 「今のきさまの力では、私どころか、弟にも勝てぬ。 「私は、お前などに倒されぬ。人間を滅ぼす気もない。 「しかし、人間達が、われら魔族を滅ぼそうものなら、ほってはおけぬ。 「・・・・・・。何やら自信がありそうだな。 「私は、私を倒せる者を求めている。 「私らを、倒してみるがよい。 「カハッッ!見事だ。人間でも、これほど強く、なれるものなのか・・・。 「やられたのは、その石のせいだけでは、ないようだな。 「お前らなら、弟を倒せるかもしれん。 「今、この地を、支配しようとしているのは、弟、バイケタルだ。 「バイケタルの力に、支配されていない魔族の者は、人間と共存したいという者も、いることを知っている。 「私とバイケタルが、なぜこの地に生まれてきたかも、わかっているつもりだ。 「バイケタルを、ああまでさせたのは、人間のしてきた事に責任がある。 「人間の勇者。バイケタルを倒せるか。 「人間のしてきた、かの大地の怒りの固まりの、バイケタルを。 「が、私は、今になり、一つ気付いた。 「人間全てに、責任があるわけではない。 「ごくわずかな者の、していることが、この大地、そこに生きとし生けるものを、はかいしているのだと。 「人間が気付けば、私とバイケタルは、この大地に必要のないものだ。 「人間を、お前を、信じよう。 「最後に、一つだけ教えよう。 「この城の真東、砂漠に弟はいる。今は見えるようになっている。 「倒せたら、よいがな・・・・。 「しかし、倒せても、その後も、大変になりそうだな。・・・・・ゆうしゃ。 「クフッ。 ルー「人間に、勇者といわれているだけの事は、ある。 「もう、ジシスル様が、本当に必要ないかどうか、お前の今後の行動に、左右されるだろう。 「もし、この大地が、人間に、殺されるようなことがあるなら、 「いま、ジシスル様は、亡くなっては、いけなかったことになる。 チオレ「ううっ、だいぶ強くなったな。これが勇者の力ってやつか・・ 「ジシスル様は、お前の力を信じ、この世から消えた。 「たのむぜ。ゆうしゃ。俺も、人間とまぎれた生活に、戻りたいからな。 ○礼拝堂 「そうですか、ジシスルは、亡くなられましたか。 「ジシスルとバイケタルは、対になる者。 「冷静に、今の地、移り変わってきた人間。それを考えておったのじゃろう。 「じゃが、バイケタルは、そうはいかんじゃろう。